
メル美健診で「チョコレート嚢胞」って言われたの。がんになることもあるって聞いて、こわくて……。

プレ男どれくらいの確率なんだろう。どう気をつければいいのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、卵巣の「チョコレート嚢胞」と言われたらの話です。日本産婦人科医会の「産婦人科ゼミナール」(子宮内膜症のがん化を見のがさない臨床的なポイント)をもとにまとめました。子宮内膜症そのものについては、生理痛がどんどん重くなる、は「子宮内膜症」のサインかもを見てください。
チョコレート嚢胞とは
- 子宮内膜症が卵巣にできて、古い血液がたまったものです。中身がチョコレートのような色なので、こう呼ばれています(くわしくは上の記事を見てください)
がんになるのは多くはない
日本産婦人科医会の解説によると、
- 日本で、チョコレート嚢胞の人6,398人を平均17年間追跡した研究では、46人(0.72%)が新たに卵巣がんになりました
- 45歳以上の人や、嚢胞が大きい人で、がんになりやすいという特徴があります
- 日本では、子宮内膜症から発生する卵巣がん(明細胞がん、類内膜がん)が海外より多いとされています。こうしたがんはゆっくり進むことが多く、定期的に診てもらうことで、ほとんどが早い段階(Ⅰ期)で見つかるとされています

メル美0.7%くらいなんだ。少し安心したけど、ちゃんと受診は続けたほうがいいんだね。
がんになるときの変化
日本産婦人科医会の解説によると、医師は次のような変化に注意しています。
- 嚢胞がだんだん大きくなる(がんになった人の多くは、9cm以上、とくに10cm以上に大きくなっていました)。小さくなってがんになった例はありませんでした
- 嚢胞の内側に、もり上がった部分(隆起)が出てくる
- 超音波で、嚢胞の中身が黒っぽく見えるようになる
- 閉経前でも、がんになる前に生理痛が軽くなっていた例が多いとされています

チョコレート嚢胞ががんになるのは多くはありませんが、閉経前後の時期にこそ注意が必要です。症状が落ち着いても、自己判断で受診をやめないでください。生理痛が急に軽くなったときも、伝えてくださいね。
どのくらいの間隔で受診する?
日本産婦人科医会の解説によると、
- 何か月ごとに診ればがんを見のがさないかについてのはっきりした根拠はありませんが、実際の診療では、ほとんどの医師が6か月以内ごとに再診しているとされています
- 「閉経すれば大丈夫」とは言えず、閉経前後の時期にこそがん化が多いとされています
- 嚢胞が大きくなる傾向があれば、2〜3か月後にもう一度確かめることがあります
- 血液検査(CA125)だけにたよらず、超音波などで大きさや形の変化をみることが大切とされています
手術をするかどうか
- 日本産婦人科医会の解説によると、2017年の婦人科のガイドラインからは、「がん化を考えて手術を優先する」という表現が削除されました。がん化をおそれて、すぐに手術をすすめすぎないことも大切とされています
- 手術をするかどうかは、痛みの強さ、嚢胞の大きさや変化、妊娠の希望などから、主治医と相談して決めます
まとめ
- チョコレート嚢胞は、卵巣にできた子宮内膜症
- がんになるのは日本の追跡調査で約0.7%。45歳以上・大きいほど注意
- がんになるときは、大きくなる、内側にもり上がりが出る、中身が黒っぽくなるなどの変化
- 半年ごとくらいの受診を続ける。閉経前後こそ油断しない
- 生理痛が急に軽くなったときも伝える
参考文献
- 日本産婦人科医会. 産婦人科ゼミナール「Dr.Koba 子宮内膜症の癌化を見逃さない臨床的なポイント」1. チョコレート嚢胞患者を高次医療機関へ紹介するタイミング:総論. https://www.jaog.or.jp/lecture/1-%e3%83%81%e3%83%a7%e3%82%b3%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%88%e5%9a%a2%e8%83%9e%e6%82%a3%e8%80%85%e3%82%92%e9%ab%98%e6%ac%a1%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e9%96%a2%e3%81%b8%e7%b4%b9%e4%bb%8b%e3%81%99%e3%82%8b/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 日本産婦人科医会. 同 2. 検診期間・いつまで検診するのか?. https://www.jaog.or.jp/lecture/2-%e3%83%81%e3%83%a7%e3%82%b3%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%88%e5%9a%a2%e8%83%9e%e6%82%a3%e8%80%85%e3%82%92%e9%ab%98%e6%ac%a1%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e9%96%a2%e3%81%b8%e7%b4%b9%e4%bb%8b%e3%81%99%e3%82%8b/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 日本産婦人科医会. 同 3. サイズ・エコー輝度・隆起性病変. https://www.jaog.or.jp/lecture/3-%e3%83%81%e3%83%a7%e3%82%b3%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%88%e5%9a%a2%e8%83%9e%e6%82%a3%e8%80%85%e3%82%92%e9%ab%98%e6%ac%a1%e5%8c%bb%e7%99%82%e6%a9%9f%e9%96%a2%e3%81%b8%e7%b4%b9%e4%bb%8b%e3%81%99%e3%82%8b/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。