
メル美妊婦健診で「胎盤の位置が低い、前置胎盤かもしれない」って言われたの。どうなるのかな。

プレ男パートナーとして、気をつけることも知っておきたいな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、前置胎盤の話です。日本産科婦人科学会の「産科・婦人科の病気 前置胎盤」(2025年1月30日更新)をもとにまとめました。胎盤のトラブル全体は胎盤のトラブルも見てください。
前置胎盤とは
日本産科婦人科学会によると、
- 胎盤がふつうより低い位置について、子宮の出口(子宮口)をおおってしまう状態です
- すべての分娩の1%弱にみられるといわれます
- 胎盤が出口をふさいでいるため経腟分娩はできず、分娩は帝王切開が原則です
なりやすい人
原因はよくわかっていませんが、年齢が高い、たばこを吸っている、出産の回数が多い、双子などの多胎妊娠、以前に子宮の手術(帝王切開、流産・中絶の手術、子宮筋腫の手術)を受けた、体外受精や顕微授精で妊娠した、子宮内膜症・子宮腺筋症がある、などでリスクが高いといわれています。
診断:早い時期に疑われても、多くは解消
- 最初は症状がなく、妊婦健診の経腟超音波検査でたまたま見つかることがほとんどです
- 妊娠の早い時期に疑われても、週数が進むと子宮の下の部分ものびるため、多くは最終的に胎盤が子宮口から離れて「前置胎盤ではない」と診断されます
- 一方で、妊娠32週までに解消していなければ、そのあと離れることはむずかしいとされ、前置胎盤として対応します

妊娠の早い時期に前置胎盤が疑われても、多くは週数が進むと胎盤が子宮口から離れます。前置胎盤が疑われている人は、少しでも出血があればすぐにかかりつけの産婦人科へ連絡を。
警告出血
- 妊娠28週ごろを過ぎると、痛みもないのに急に出血する「警告出血」が起こることがあり、前置胎盤の約半数が経験するといわれます
- 少量でも1〜2週おきにくり返すうちに量が増え、大量出血になることもあります
- 前置胎盤が疑われている人は、少しでも出血があれば、すぐにかかりつけの産婦人科へ連絡します
癒着胎盤に注意
- 前置胎盤の5〜10%で、胎盤が子宮からうまくはがれない癒着胎盤を合併する(前置癒着胎盤)といわれます。出産のときの大量出血の危険がとても高い状態です
- 多くの場合、帝王切開のあとに子宮をとる手術が必要になります
妊娠中の管理と出産の時期
- 妊娠32週までに診断を確定し、早産の時期でも帝王切開や赤ちゃんの管理ができる施設で健診と出産を行います
- 警告出血があれば入院し、出産まで入院を続けることが多いです。出血がなくても、前もって入院することがあります
- 大量出血にそなえて、妊娠33〜34週ごろから自分の血液を貯めておく(自己血貯血)こともあります
- 警告出血がなければ、妊娠37〜38週に予定帝王切開を計画します。出血をくり返す場合は、もっと早い時期に帝王切開をすることも多いです

プレ男出血したら夜中でもすぐ連絡できるように、病院の連絡先や移動の手段を2人で決めておこう。
妊娠中の出血全体は妊娠中の出血、帝王切開は帝王切開を見てください。
まとめ
- 前置胎盤は分娩の1%弱。分娩は帝王切開が原則
- 早い時期に疑われても、多くはあとで解消。32週までに解消しなければ前置胎盤として対応
- 28週ごろから痛みのない出血(警告出血)。約半数が経験。すぐ連絡
- 5〜10%は癒着胎盤を合併し、大量出血に注意
- 出血がなければ37〜38週に予定帝王切開
参考文献
- 日本産科婦人科学会. 産科・婦人科の病気 前置胎盤(2025年1月30日更新). https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=2 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。