
メル美生理前になると、毎月ひどく落ちこんで、仕事にも行けなくなる日があるって友だちが言ってたの。「生理前だからしかたない」って思ってるみたい。

プレ男そこまでつらいなら、がまんしないで治療したほうがいいんじゃないかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、生理前の気分の落ちこみが重いとき(PMDD:月経前不快気分障害)の治療の話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No116 産婦人科診療 こんなときどうする?」(医師向け、2026年)の「PMS/PMDDの専門科へのコンサルトのタイミングは?」をもとにまとめました。
PMS(月経前症候群)全般については、生理前にイライラ、落ちこむのはPMS(月経前症候群)かもを見てください。
すぐに専門科と連携が必要なとき
研修ノートによると、生理前の気分の症状が重く、
- 死にたい気持ち(希死念慮)、自分を傷つける行為
- 幻覚や妄想などの症状、強いトラウマの症状、解離の症状
がある場合や、生理の周期と関係なくこれらが続く場合は、すみやかに精神科などの専門科と連携するとされています。

生理前に「死にたい」と思うほどつらいときは、生理前だからとがまんせずに、すぐに医療機関に相談してください。専門科と連携して治療することができます。
まずはピルで排卵をおさえる
研修ノートによると、
- 低用量ピル(OC・LEP)で排卵をおさえると、症状が出るきっかけがとりのぞかれます。生理痛や生理の量が多いことがある場合は、とくに最初に試みます
- 気分の症状への効果の根拠がもっとも積み重なっているのは、ドロスピレノンをふくむLEPです
- 黄体ホルモンの合い方には個人差があるので、症状をみながら別の薬も試し、「相性のよい」ピルを探します
- ただし、PMDDでは気分の症状が中心のことが多く、ピルだけでは十分によくならないこともあります
ピルについては、低用量ピルとは?を見てください。
抗うつ薬(SSRI)
研修ノートによると、
- 気分の症状が中心の場合や、ピルが効かなかった・副作用が出た場合は、SSRI(エスシタロプラム、セルトラリンなど)を少ない量から試みます
- 生理前の時期だけ飲む方法でも、周期を通して飲み続ける方法でもよく、ピルと一緒に使ってもよいとされています
- SSRIを始めたばかりのときや量をふやしたときは、不安やイライラが強くなったり、死にたい気持ちが表に出たりすることがある(アクチベーション症候群)ため、家族もふくめて様子をみることに配慮します。とくに若い人や、自分の判断で量を変えてしまう場合に起こりやすいとされています

プレ男薬を飲みはじめのころは、まわりも様子を見ておくことが大事なんだね。
専門科に相談するとき
研修ノートによると、最初のSSRIが効かない、副作用が出た、ピルを変えてもよくならない場合や、ほかのこころの病気(双極性障害など)との区別が必要な場合などには、あらためて専門科に相談します。専門科への相談は「丸投げ」ではなく、よりよい治療のための「連携」のはじまりで、そのあとも婦人科で生理の管理を続けるとしています。
パートナーや家族にできること
- 生理前のつらさを「気のもちよう」と片づけず、つらさを受けとめる
- 薬を始めたばかりの時期は、いつもとちがう様子(強い不安、イライラ、「死にたい」という言葉)がないか気にかける
- 心配な様子があれば、主治医に連絡する
(更新)厚生労働省の「まもろうよ こころ」の電話相談のページで確認しました。「死にたい」「消えたい」などの気持ちを受け止める #いのちSOS(0120-061-338、24時間365日、無料)、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間、無料)、いのちの電話(0120-783-556、毎日16時〜21時、無料)、住んでいる地域の公的な相談窓口につながるこころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556、通話料がかかり、受付時間は都道府県ごとにちがう)などがあります。SNSでの相談も同じサイトで案内されています
(更新)厚生労働省の「まもろうよ こころ」(電話相談、2026年10月12日閲覧)では、次の窓口が案内されています。#いのちSOS 0120-061-338(無料、24時間365日)、よりそいホットライン 0120-279-338(無料、24時間、福島県からは0120-279-226)、いのちの電話 0120-783-556(無料、毎日16〜21時、毎月10日は8時から翌8時)、こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(通話料あり、かけた地域の公的な相談窓口につながり、曜日・時間は地域によってちがう)。IP電話からかけるときの番号は、ページで確かめてください。
まとめ
- 死にたい気持ち、自傷、幻覚・妄想などがあれば、すぐに専門科と連携
- まずはピル(OC・LEP)で排卵をおさえる。ドロスピレノンをふくむLEPの根拠が多い
- 気分の症状が中心で重いときは、SSRIも
- SSRIの飲みはじめは、家族もふくめて様子をみる
- 専門科と婦人科が連携して治療を続ける
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No116 産婦人科診療 こんなときどうする?「20.PMS/PMDDの専門科へのコンサルトのタイミングは?」. https://www.jaog.or.jp/note/no116_3_20/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 厚生労働省. まもろうよ こころ(電話相談). https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。