
メル美出産した友だちが、「産んだあと、おしっこが出なくて管を入れてもらった」って言ってたの。そんなこともあるんだね。

プレ男ずっと治らなかったらどうしようって、不安になりそうだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、産後におしっこが出ない・出しきれないとき(産後の尿閉)の話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No116 産婦人科診療 こんなときどうする?」(医師向け、2026年)の「経腟分娩後の尿閉の対応は?」をもとにまとめました。
産後の尿閉とは
研修ノートによると、
- 経腟分娩のあと6時間以内(帝王切開では、尿の管を抜いてから6時間以内)に、自然におしっこが出ない状態をいいます。膀胱に150mL以上残る場合もふくみます
- 自然によくなることが多いものの、数か月にわたって長引く例もあり、生活の質が下がったり、まれに膀胱が破れて亡くなった例の報告もあるとされています
原因
研修ノートによると、おもな原因は次の2つです。
- 膀胱がのびすぎること:お産の最中やすぐあとに膀胱が過度にふくらむと、膀胱がおしっこを押し出す力が弱まります。硬膜外麻酔(無痛分娩など)では尿意を感じにくくなるため、膀胱がのびすぎるリスクが高くなります
- 神経のダメージ:お産のときに骨盤の神経がおされたり引っぱられたりして傷みます。お産が長引いた、吸引・鉗子分娩、赤ちゃんが大きかったなどがリスクになります
そのほか、会陰の傷の腫れや痛み、緊張なども関係します。

産後の尿閉は、自然によくなることが多いとされています。尿意がなくても3〜4時間ごとにトイレに行くことが、膀胱の回復を助けます。
病院での対応
研修ノートによると、
- お産の最中から、定期的におしっこを出したり、管で出したり(導尿)して、膀胱がのびすぎないようにします。硬膜外麻酔では、尿の管を入れておくことも積極的に考えます
- 産後は、お産の方法にかかわらず全員、おしっこが出ているか、超音波で膀胱に残る量を確かめます
- 残る量が多いときは、3〜4時間ごとにおしっこと残る量を測り、150mL以上なら管で出します
- よくならない場合は、管を入れて膀胱を休ませ、それでも長引く場合は、自分で管を入れておしっこを出す方法(自己導尿)を早めに取り入れることで、早い回復が期待できるとされています

プレ男無痛分娩だと尿意を感じにくいから、膀胱がのびすぎないように気をつけるんだね。
退院してから
研修ノートによると、
- 骨盤底筋のリハビリ(よい姿勢と自然な腹式呼吸で、おなかの圧をコントロールする)と、おしっこの習慣づけで、膀胱の回復を助けます
- 日常生活では、3〜4時間ごと(尿意がなくても時間を決めて)におしっこをするよう心がけます
- 数日以上長引く場合や、自己導尿がむずかしい場合は、泌尿器科との連携を考えます
- 産後の尿閉は時間とともによくなっていくので、不安になりすぎず、焦らないようにと伝え、こころの面も配慮して、さまざまな職種で支えることが大切だとしています
産後の体の回復については産後の体の回復、尿もれについてはくしゃみで尿がもれる、トイレに間に合わないも見てください。
まとめ
- お産のあと6時間以内に自然に出ない状態が産後の尿閉
- 原因は膀胱ののびすぎと神経のダメージ。無痛分娩、長いお産、吸引・鉗子分娩などがリスク
- 産後は全員、残る量を確認。多ければ管で出す
- 退院後は、尿意がなくても3〜4時間ごとにトイレへ。骨盤底筋のリハビリも
- 自然によくなることが多い。焦らずに
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No116 産婦人科診療 こんなときどうする?「39.経腟分娩後の尿閉の対応は?」. https://www.jaog.or.jp/note/no116_2_39/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。