
メル美わたし、卵アレルギーなの。赤ちゃんにうつらないように、妊娠中は卵や牛乳をひかえたほうがいいのかな。

プレ男花粉症の薬も、妊娠中は飲めないのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、妊娠中・授乳中のアレルギーの話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No111 合併症妊娠」の「食物アレルギー・医薬品アレルギー・ワクチン副反応」(医師向け)をもとにまとめました。
食べ物をがまんしても、赤ちゃんのアレルギーは防げない
研修ノートによると、
- 親のアレルギーが、そのまま赤ちゃんに遺伝するという根拠はなく、妊娠中に赤ちゃんのアレルギーを防ぐ方法として確立したものはありません
- 妊娠中・授乳中に、お母さんが赤ちゃんのアレルギー予防のために特定の食べ物を控えることは、効果が否定されているうえ、お母さんの栄養によくないため、すすめられていません
- 赤ちゃんは、口から食べる前に、荒れた皮膚からアレルゲンが入ることで、アレルギーになる可能性があります。そのため、赤ちゃんの皮膚をなるべくよい状態に保ち、離乳食は遅らせずに生後5〜6か月ごろから始めたほうがよいとされています
- 粉ミルクにくらべて、完全母乳がアレルギーの予防にすぐれているという十分な根拠はないとされています

プレ男がまんしても予防にならないうえに、お母さんの栄養にもよくないんだね。
もちろん、お母さん自身にアレルギーがある食べ物は、これまでどおり避けます。研修ノートでは、食物アレルギーの管理の基本は「正しい診断にもとづいた原因の食べ物の除去」としています。

赤ちゃんのアレルギー予防のために、お母さんが特定の食べ物をがまんすることは、効果が否定されているうえ、お母さんの栄養にもよくないとされています。
抗ヒスタミン薬(花粉症・じんましんの薬)
研修ノートによると、
- 日本で承認されている抗ヒスタミン薬は、すべて、赤ちゃんの形の異常(催奇形性)の報告はありません
- 妊婦さんでの使用経験が積み重なっているロラタジンとセチリジンが、第一に選ぶ薬とされています
- 抗ヒスタミン薬はいずれも母乳に移ることがあるため、授乳中も妊娠中と同じ薬がすすめられています
- 授乳中の薬については、国立成育医療研究センターの「妊娠と薬情報センター」のホームページを参照するとされています
自分で市販薬を選ぶ前に、妊娠中の薬の考え方は妊娠中の薬も見てください。
薬のアレルギーがある人は、妊娠前に
研修ノートによると、
- これまでに薬のアレルギーがあったと言われていても、本当にその薬が原因か確かではない場合が多くあります
- お産や手術でよく使う薬のアレルギーが疑われている場合は、妊娠前に専門医で原因の薬をはっきりさせておくことが望ましいとされています
妊娠中のワクチンの副反応
研修ノートによると、
- 新型インフルエンザワクチンの妊婦さんでの副反応は1万人に1人、重いものは10万人に2人で、全体の発生率と変わりません
- 新型コロナワクチンの妊婦さんへの調査では、いちばん多かった副反応は接種した場所の痛み(9割以上)で、おなかの張りや子宮の痛みは3%以内でした
妊娠中のワクチンについては、妊娠中の予防接種を見てください。
まとめ
- 親のアレルギーがそのまま遺伝する根拠はない
- 赤ちゃんの予防のために食べ物をがまんする必要はない(効果がなく、栄養によくない)
- 赤ちゃんの皮膚をよい状態に。離乳食は遅らせずに5〜6か月ごろから
- 日本で承認されている抗ヒスタミン薬は、催奇形性の報告なし
- 薬のアレルギーがある人は、妊娠前に原因をはっきりさせておくと安心
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No111 合併症妊娠「13.食物アレルギー・医薬品アレルギー・ワクチン副反応」((1)食物アレルギー、(4)蕁麻疹などアレルギー症状を有する妊婦・授乳婦に対する薬物治療、(5)プレコンセプションケア、(6)アレルギーが児に移行しない注意点、(7)ワクチンの副反応). https://www.jaog.or.jp/notes/note20015/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。