
メル美もし妊娠中に大きな地震があって、避難所で暮らすことになったら……と思うと不安で。

プレ男夫として、家族として、何に気をつけてあげればいいんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、妊娠中・産後に災害にあったときの話です。日本産婦人科医会の研修ノート「災害時における周産期医療」(No.107)をもとにまとめました。
避難生活で起こりやすい体の変化
研修ノートによると、
- 震災のときに避難所などで生活する妊婦では、流産・早産、おなかの張り、性器からの出血のほか、たんぱく尿、血圧の上昇、むくみなど、妊娠高血圧症候群の症状がみられることがあります
- 阪神・淡路大震災のあとの調査では、妊婦が地震後1か月に気づいた体の変化でもっとも多かったのが「おなかがよく張った」で、「おしっこの回数がふえた」「便秘ぎみ」「むくみがふえた」も多くみられました
- 研究のまとめでは、早産や低出生体重がふえる可能性も指摘されています
こころへの影響
研修ノートによると、
- 「イライラしやすい」「涙もろい」「憂うつ」「無気力」などがよくみられました
- 災害のあとは、産後うつとPTSDがもっともよくみられ、家族関係がもっとも大切な要因だとされています
- 「見捨てられた感じがする」「気持ちを出す機会がない」「音や揺れに敏感になって震えが止まらない」といった訴えがあり、カウンセリングやこころのケアが必要と考えられています

災害のあとは、おなかの張りやむくみ、血圧の上昇、こころの不調が起こりやすくなります。ひとりで抱えこまず、気持ちを話せる人や支援者に頼ってください。
避難所で気をつけること
研修ノートは、避難所で生活する妊産婦への支援のポイントとして、次のようなことをあげています。
- 食事:お弁当やインスタント食品が多いと塩分が多くなり、むくみやすくなります。塩分の濃いものは残す。おにぎりやパンばかりにならないよう、できるだけ主食・主菜・副菜をそろえ、栄養補助食品も使う。食中毒にも注意
- 水分:熱中症を防ぐため、こまめに水分をとる。トイレをがまんしようと水分をひかえがちなので、適度に水分をとる
- 血栓を防ぐ:妊婦や産後の女性は血栓ができやすいため、水分をとり、屈伸運動や散歩などでときどき体を動かす
- 清潔:入浴にこだわらず、タオルやウェットティッシュで体をふく。陰部は不潔になりやすいので、部分的に洗ってふく
- 休息:眠れない、暗くなるとこわいなど不安が強いときは、医師に相談する
- 人に頼る:水や物を運ぶなど体に負担のかかることは、ボランティアに手助けをたのむ。気づかれやストレスを、ひとりで思いこまず話しあう

プレ男重いものを運ぶのは手伝って、気持ちを話せる時間をつくる。家族にできることも多いね。
授乳中なら
研修ノートによると、
- ストレスで一時的に母乳が出にくくなることもあります。足りない分は粉ミルクで補いながら、安心して授乳できる場所を確保します
- ペットボトルの水でミルクをつくるときは、硬水(ミネラルの多い水)は避けます
- お湯がないときは、衛生的な水で粉ミルクをとかし、1回ごとにつくって残りは捨てます。哺乳びんがなければ衛生的なコップで代用します
かかりつけが被災したら
研修ノートによると、かかりつけの病院や助産院が被災した場合は、妊婦健診や出産ができる医療機関を探す必要があります。とくに出産が近い人やハイリスクの妊婦は、早めの対応が必要です。自治体の保健師や助産師に相談しましょう。
避難所での血栓は長いフライト、車中泊、避難所で気をつけたい「エコノミークラス症候群」、産後うつは産後うつはママだけじゃない、妊娠中のけがは妊娠中に交通事故にあった・おなかを打ったらを見てください。
まとめ
- 避難生活では、おなかの張り、むくみ、血圧の上昇、出血などに注意
- 産後うつやPTSDも起こりやすい。ひとりで抱えこまない
- 塩分をひかえ、こまめに水分、トイレをがまんしない
- ときどき体を動かして血栓を防ぐ
- かかりつけが被災したら、保健師や助産師に相談して健診・出産の場所を確保
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No.107 災害時における周産期医療「2.災害の妊産婦への心身の影響」. https://www.jaog.or.jp/note/2-%e7%81%bd%e5%ae%b3%e3%81%ae%e5%a6%8a%e7%94%a3%e5%a9%a6%e3%81%b8%e3%81%ae%e5%bf%83%e8%ba%ab%e3%81%ae%e5%bd%b1%e9%9f%bf/ (閲覧日:2026年10月12日)
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No.107 災害時における周産期医療「避難所で生活する妊産婦,乳幼児への支援のポイント」. https://www.jaog.or.jp/note/1-%e9%81%bf%e9%9b%a3%e6%89%80%e3%81%a7%e7%94%9f%e6%b4%bb%e3%81%99%e3%82%8b%e5%a6%8a%e7%94%a3%e5%a9%a6%ef%bc%8c%e4%b9%b3%e5%b9%bc%e5%85%90%e3%81%b8%e3%81%ae%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%81%ae%e3%83%9d%e3%82%a4/ (閲覧日:2026年10月12日)
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No.107 災害時における周産期医療「3.被災地で妊産婦を看る時の注意点」. https://www.jaog.or.jp/note/3-%e8%a2%ab%e7%81%bd%e5%9c%b0%e3%81%a7%e5%a6%8a%e7%94%a3%e5%a9%a6%e3%82%92%e7%9c%8b%e3%82%8b%e6%99%82%e3%81%ae%e6%b3%a8%e6%84%8f%e7%82%b9/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。