
メル美出産した友だちが、「赤ちゃんはかわいいのに涙が止まらない」って。旦那さんも仕事と夜泣きで、目の下がまっ黒なんだって…。

プレ男「産後うつ」ってママのものだと思ってたけど、パパもなるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、産後のメンタルヘルス(産後うつ)の話です。国立成育医療研究センターの研究をもとにまとめました。ママもパパも、ひとりで抱えこまないでほしいテーマです。
妊娠中のこころの不調については、妊娠中のうつの記事にまとめています。
パパもママも、約10人に1人
国立成育医療研究センターの研究グループは、厚生労働省の国民生活基礎調査(2016年)から、1歳未満の子どもがいるふたり親家庭3,514世帯を調べました。
- 産後1年のあいだに「メンタルヘルスの不調のリスクあり」と判定された割合は、父親11.0%、母親10.8%と、ほぼ同じでした
- 夫婦が同時に「不調のリスクあり」と判定された世帯は3.4%。研究グループは、年間約3万組にあたると試算しています
- その背景には、父親の長時間労働、母親の睡眠不足、子どもが生後半年〜1年の時期であることなどが示唆されています

プレ男パパも、ママと同じくらいの割合なんだ…。
パパの産前・産後うつのリスク
別の研究(2021年の調査、父親約1,700人)では、
- 父親の産前・産後のうつ病は約10%前後といわれ、母親と同じくらいの頻度で起こるとされています
- 新型コロナへの強い不安(約2.1倍)や、困ったときに家族が助けてくれない「家族機能の低さ」(約1.9倍)で、リスクが高くなっていました
- ほかに、子ども時代の困難な体験、パートナーの妊娠前のうつ病の経験、家族関係の問題なども、リスク要因としてあげられています。これらは母親の産前・産後うつの要因と共通しています
夫婦で支え合うために
研究グループは、産後のケアや支援は、母子だけでなく父親も対象にすることが重要で、小さな子どもを育てる働く人の働き方改革も大切だとしています。
- 睡眠を分け合う:夜間の授乳・ミルクや寝かしつけを交代制にして、どちらかがまとまって眠れる時間をつくる
- 働き方を見直す:育児休業や時短勤務、残業を減らすことを、職場と相談(パパの育休)
- 周りに頼る:家族、友人、自治体の支援を使う。「助けて」と言っていい
- お互いの様子を気にかける:眠れない、食べられない、楽しいと感じられない状態が続いていないか

産後1年のメンタルヘルスの不調は、母親だけでなく父親にもほぼ同じ割合で起こります。長時間労働や睡眠不足、周りのサポート不足がリスクになるので、ひとりで抱えずに相談してください。
出産後まもなく、幻覚や妄想、気分の極端な波が急に出るときは、すぐに受診が必要な産後精神病のことがあります。
産後数日〜2週間ごろの一時的な気分の落ちこみについては、マタニティブルーの記事にまとめています。
相談先
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出産した病院、かかりつけの医師、住んでいる自治体の保健センターなどに相談できます
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「死にたい」「消えたい」と思うほどつらいときは、すぐに相談してください(こころの相談窓口)
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うつのサインについてはうつのサインの記事もどうぞ
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市町村の「産後ケア事業」は、出産後1年以内のママと赤ちゃんを対象に、心身のケアや育児のサポートなどを行う事業です。利用方法は住んでいる市町村に問い合わせましょう
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お父さん・パートナーについて、こども家庭庁の「産後ケア事業ガイドライン」(2025年3月)では、産後ケア事業の基本の対象は母子としながら、父親・パートナーと母親が協力して育てる意識が大切だとして、父親・パートナーへの支援を行うことも考えられるとしています。市町村の判断で、父親・パートナーが同伴できる場合もあります
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東京都の「とうきょうママパパ応援事業」の資料では、区市町村が行う事業の種類のひとつに「父親支援」があげられています。内容は自治体ごとにちがうので、住んでいる区市町村で確認を。お父さん自身がつらいときも、保健センターやかかりつけの医師に相談してかまいません。夫婦いっしょに相談するのもよい方法です

メル美友だちには、夫婦ふたりとも保健センターに相談してみたらって伝えるね。
まとめ
- 産後1年のメンタル不調のリスクは父親11.0%、母親10.8%とほぼ同じ
- 夫婦そろってリスクありの世帯は3.4%(年間約3万組の試算)
- 背景に長時間労働・睡眠不足・子どもが生後半年〜1年
- パパのリスクは強い不安や家族のサポート不足など。ママと共通
- 睡眠を分け合う・働き方を見直す・周りに頼る。つらいときはすぐ相談
参考文献
- 国立成育医療研究センター. 産後、同時期にメンタルヘルスの不調で苦しんでいる夫婦は年間約3万組!?(2020年8月27日). https://www.ncchd.go.jp/press/2020/pr_20200827.html (閲覧日:2026年9月29日)
- 国立成育医療研究センター. 父親の“産前・産後うつ”のリスク要因が明らかに(2023年9月1日). https://www.ncchd.go.jp/press/2023/0901.html (閲覧日:2026年9月29日)
- こども家庭庁. 産後ケア事業を利用したい方(健やか親子21). https://sukoyaka21.cfa.go.jp/sango-care/guide_01/ (閲覧日:2026年9月29日)
- こども家庭庁. 産前・産後サポート事業ガイドライン/産後ケア事業ガイドライン(令和7年3月). https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/0ac0f291-e4c2-475d-83fe-f1c39a6e551e/3c162d34/20250404_policies_boshihoken_tsuuchi_2025_19.pdf (閲覧日:2026年9月30日)
- 東京都福祉局. とうきょうママパパ応援事業 資料9-2(区市町村の実施状況). https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/fukushi/01siryou9-2mpjyokyo (閲覧日:2026年9月30日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。