
メル美つわりがひどくて、ほとんど食べられない日が続いている友だちがいるの。「赤ちゃんは大丈夫かな」って心配してて……。

プレ男食べられないのを、がまんしちゃう人も多そうだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、妊娠中に食べられない状態が長く続いたときの話です。日本産婦人科医会の産婦人科ゼミナール「関沢教授の周産期講座 15.妊娠中の摂食障害によるビタミンK欠乏とそれに併発する胎児の頭蓋内出血について」(医師向け)をもとにまとめました。つわりについてはつわりを見てください。
ビタミンKってなに?
日本産婦人科医会の解説によると、
- ビタミンK(K1)は緑の野菜に多くふくまれ、ビタミンK2は腸内の細菌がつくります
- ビタミンKは、血を固める働きをもつたんぱく質(凝固因子)を肝臓でつくるのに必要です。不足すると、出血しやすくなります
- 健康な大人が、ふつうの食事でビタミンK不足になることはふつうありません
食べられない状態が続くと、赤ちゃんに影響することも
日本産婦人科医会の解説によると、
- つわり(妊娠悪阻)で食事がとれない状態が長く続いた場合や、妊娠後期も食事がとれない状態(摂食障害など)が続く場合に、ビタミンKが不足することがあります
- ビタミンKは胎盤を通りにくいため、お母さんの血液検査で異常がはっきりしなくても、赤ちゃんのほうがより重いビタミンK不足になることがあります
- 赤ちゃんのビタミンK不足による頭の中の出血(頭蓋内出血)の例が報告されていて、もとの病気として、妊娠悪阻、摂食障害、クローン病などがあげられています。産科医療補償制度に報告された例の中にも、妊娠後期の食事がとれないことによるビタミンK不足が原因と考えられる赤ちゃんの脳出血が、複数あるとされています

つわりなどで食べられない状態が続くときは、がまんせずに産科に相談してください。点滴などで、必要な栄養やビタミンを補うことができます。
ビタミンの補充
日本産婦人科医会の解説によると、
- 長く食事がとれない妊婦さんには、点滴の中に、ウェルニッケ脳症(ビタミンB1不足で起こる脳の病気)を防ぐためのビタミンB1を入れるのと同じように、ビタミンKの補充も考える必要があるとされています
- ビタミンKが足りているかどうかは、血液が固まるまでの時間などの血液検査で調べます

プレ男お母さんの検査が大丈夫でも、赤ちゃんのほうが足りなくなることがあるんだね。食べられないことを、早めに伝えるのが大事なんだ。
生まれた赤ちゃんにもビタミンK
日本産婦人科医会の解説によると、ビタミンKは胎盤を通りにくく、母乳にふくまれる量も少ないことなどから、新生児はビタミンKが不足しやすいとされています。そのため、生まれた赤ちゃんにはビタミンKを飲ませることが強くすすめられていて、一般的には出生後、生後1週間(退院時)、生後1か月の3回飲ませます(日本小児科学会のガイドライン、2011年)。
妊娠中の食事については妊娠中に気をつけたい食べもの、サプリメントについては妊娠中のサプリメントを見てください。
まとめ
- 妊娠中に食べられない状態が長く続くと、ビタミンKが不足することがある
- ビタミンKは胎盤を通りにくく、お母さんの検査が正常でも、赤ちゃんの脳の出血の原因になった例がある
- 長く食べられないときは、ビタミンB1と同じようにビタミンKの補充を考える
- 食べられない状態はがまんせず、早めに産科へ相談
- 生まれた赤ちゃんにもビタミンKを3回飲ませるのが一般的
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 産婦人科ゼミナール 関沢教授の周産期講座「15.妊娠中の摂食障害によるビタミンK欠乏とそれに併発する胎児の頭蓋内出血について」. https://www.jaog.or.jp/lecture/15-%e5%a6%8a%e5%a8%a0%e4%b8%ad%e3%81%ae%e6%91%82%e9%a3%9f%e9%9a%9c%e5%ae%b3%e3%81%ab%e3%82%88%e3%82%8b%e3%83%93%e3%82%bf%e3%83%9f%e3%83%b3k%e6%ac%a0%e4%b9%8f%e3%81%a8%e3%81%9d%e3%82%8c%e3%81%ab/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。