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プレ男毎朝ウインナーを焼いて、夜は焼肉もよく行くんだけど…。「ハムやソーセージはたばこと同じくらい危ない」ってネットで見て、ちょっと怖くなった。

メル美私はお弁当にハムをよく入れるよ。本当にそんなに危ないの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は赤肉・加工肉とがんの話です。WHO(世界保健機関)と国際がん研究機関(IARC)のQ&A、国立がん研究センターの解説(2015年10月29日)、世界がん研究基金(WCRF)の推奨をもとにまとめました。
「赤肉」と「加工肉」って?
- 赤肉(レッドミート):牛・子牛・豚・羊・馬・ヤギなど、哺乳類の肉のこと(WHO)。鶏肉は入りません
- 国立がん研究センターによると、脂肪の少ない部位を指す「赤身肉」とは意味が違います
- 加工肉:塩漬け、熟成、発酵、くん製など、風味をよくしたり保存性を高めたりする加工をした肉(WHO)。ハム、ソーセージ、ベーコン、コンビーフ、ビーフジャーキー、肉の缶詰など
ハムやベーコンの表示の見かたは、ロースハム・ボンレスハム・ベーコンのちがいの記事もどうぞ。
IARCの判定:加工肉は「グループ1」、赤肉は「2A」
2015年、IARCは赤肉と加工肉の発がん性を評価しました(WHOのQ&A、IARCのQ&A)。
- 加工肉:「人に対して発がん性がある(グループ1)」。食べると大腸がんの原因になるという十分な証拠があると判断されました。胃がんとの関連もみられましたが、結論を出せるほどの証拠はありません
- 赤肉:「おそらく人に対して発がん性がある(グループ2A)」。大腸がんとの関連を示す観察研究の証拠は限られているものの、しくみを裏付ける強い証拠があるためです。すい臓がん・前立腺がんとの関連を示す証拠もいくらかあります
「たばこと同じグループ」は「同じくらい危ない」ではない

メル美グループ1って、たばこと同じなんでしょ?
- WHOによると、このグループ分けは「がんの原因になりうるという証拠の強さ」を示すもので、ある量でどのくらいがんが起こりやすいか(リスクの大きさ)を測ったものではありません
- 国立がん研究センターの解説では、世界のがんによる死亡のうち、喫煙によるものは年間100万人、アルコールは60万人、大気汚染は20万人、加工肉の多い食事は3万4千人と推定されていることが紹介されています

プレ男同じグループでも、影響の大きさはぜんぜん違うんだ。
どのくらい食べるとリスクが上がる?
IARCのQ&Aによると、
- 調べた研究では、加工肉を食べることによるがんのリスクの上昇は小さく、食べる量が多いほどリスクが上がる傾向でした
- 10の研究をまとめた分析では、毎日50gの加工肉を食べるごとに、大腸がんのリスクが約18%上がると推定されています
- 赤肉は、もし大腸がんとの関係が因果関係だとすると、毎日100gごとに大腸がんのリスクが17%上がる可能性があるとされています
WHOのQ&A(2026年9月23日時点)では、安全な量があるかどうかは、評価の時点では結論が出なかったとしています。WHOは、赤肉・加工肉をどのくらい食べるのがよいかをふくむ、動物性食品のとり方のガイドラインを作成中です。
日本人の平均的な量なら「無いか、あっても小さい」
国立がん研究センターは、IARCの発表を受けて、日本人について次のように解説しています(2015年10月29日)。
- IARCの評価のもとになった世界の研究では、赤肉の摂取量はおおむね1日50〜100gで、200g以上の地域もありました
- 2013年の国民健康・栄養調査では、日本人の赤肉・加工肉の摂取量は1日63g(赤肉50g、加工肉13g)で、世界的に見て最も少ない国のひとつです
- 国内の45〜74歳の約8万人を追跡した研究では、女性で赤肉を毎日80g以上(調理前の重さ)食べるグループで結腸がんのリスクが高く、それより少ない量ではリスクの上昇はみられませんでした。男性では赤肉との関連はみられず(鶏肉もふくむ肉全体では、最も多いグループでリスク上昇)、加工肉は男女ともに関連がみられませんでした
- そのため、日本人の平均的な摂取の範囲であれば、赤肉や加工肉が大腸がんのリスクに与える影響は「無いか、あっても小さい」としています。ただし、欧米でも多いとされる量を食べれば、リスクを上げる可能性は高いと考えられています

IARCは加工肉を大腸がんの原因(グループ1)と判定しましたが、これは証拠の強さの分類で、リスクの大きさではありません。国立がん研究センターは、日本人の平均的な量なら影響は無いか、あっても小さいとしています。食べすぎには注意しましょう。
若い男性は肉をよく食べている
「令和6年国民健康・栄養調査」(2024年)によると、1日の肉類(鶏肉や加工肉もふくむ)の摂取量の平均は、全体で106.3g、20代男性で163.7g、30代男性で154.6g、20代女性で112.6gでした。
この数字は鶏肉もふくむ「肉類」全体なので、上の「赤肉・加工肉」の数字とはそのまま比べられません。
肉をやめる必要はない。とりすぎないように
- 国立がん研究センターは、赤肉にはたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛など、健康に役立つ成分もたくさんふくまれているとしています。飽和脂肪酸もふくまれ、とりすぎは動脈硬化から心筋梗塞のリスクを高めますが、少なすぎると脳卒中(とくに出血性)のリスクを高めることも分かっています。今回の評価を受けて、極端に量を制限する必要はないとしています
- WHOのQ&Aでも、肉は健康的な食事の一部になりうる一方、多くの国の食事ガイドラインが、心臓病・2型糖尿病・一部のがんのリスクとの関連から、加工肉と赤肉を控えめにするようすすめているとしています
- 世界がん研究基金(WCRF)は、赤肉は週に3回分くらいまで(調理後の重さで約350〜500g)、加工肉は食べるとしてもごく少なくとすすめています

プレ男やめなくていいけど、毎朝ウインナー・毎晩焼肉はとりすぎかも。魚や鶏肉、豆腐の日もつくってみるよ。

メル美お弁当のハムは、毎日じゃなくて卵焼きと交代にしようかな。
国立がん研究センターは、がん予防には「日本人のためのがん予防法」に沿って、健康習慣の全体に気を配ることが大切としています。食事では塩蔵品を控える、野菜・果物不足にならない、熱い飲食物をとらないことが目標です。
- 大腸がんの予防につながる食物繊維は食物繊維は、便秘予防だけじゃない、飽和脂肪酸とLDLコレステロールは健診で「LDLコレステロールが高い」、大腸がん検診は大腸がん検診は40歳から毎年の記事もどうぞ
まとめ
- 加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコンなど)はグループ1、赤肉(牛・豚・羊など)はグループ2A(IARC、2015年)
- グループ分けは証拠の強さで、リスクの大きさではない
- 毎日50gの加工肉で大腸がんのリスクが約18%上がると推定
- 日本人の平均的な量なら、影響は「無いか、あっても小さい」(国立がん研究センター)
- 肉はやめる必要はないが、とりすぎない。WCRFは赤肉週350〜500g(調理後)まで、加工肉はごく少なく
参考文献
- World Health Organization. Carcinogenicity of red and processed meat(Questions and answers, 23 September 2026). https://www.who.int/news-room/questions-and-answers/item/cancer-carcinogenicity-of-the-consumption-of-red-meat-and-processed-meat (閲覧日:2026年10月22日)
- International Agency for Research on Cancer. Q&A on the carcinogenicity of the consumption of red meat and processed meat(2015). https://www.iarc.who.int/wp-content/uploads/2018/07/Monographs-QA_Vol114.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 国立がん研究センター. 赤肉・加工肉のがんリスクについて(2015年10月29日). https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2015/1029/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- World Cancer Research Fund. Limit consumption of red and processed meat. https://www.wcrf.org/research-policy/evidence-for-our-recommendations/limit-red-processed-meat/ (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. 令和6年国民健康・栄養調査結果の概要(2025年12月2日公表). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。