
メル美産院のバースプランの紙に「早期母子接触を希望しますか?」って書いてあったって、友だちが言ってたの。どういうものなんだろう。

プレ男生まれてすぐに抱っこすることかな。注意することもあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、生まれてすぐの「早期母子接触」の話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No113 新生児のケア・アップデート」(医師向け)の「早期母子接触」をもとにまとめました。
早期母子接触とは
研修ノートによると、
- 早期母子接触は、正期産で生まれた赤ちゃんとお母さんが、生まれてすぐに分娩室で肌と肌でふれあうことです
- 早く生まれて状態が安定した赤ちゃんに、NICUの中で行う肌のふれあい(カンガルーケア)とは、ちがうケアとされています
どんな効果がある?
研修ノートによると、
- 生後1〜4か月の母乳育児の割合を高め、母乳育児の期間をのばす効果が示されています
- 母子の絆、赤ちゃんの体温の保持、血糖や呼吸・循環の安定、痛みの緩和、お母さんの子宮の収縮をうながすことなども期待されています
母乳育児については母乳育児のよいところを見てください。
生まれてすぐは、予期せぬ急変もありうる
研修ノートによると、
- 元気に生まれた赤ちゃんでも、生まれてすぐは体のしくみが胎児から新生児に切りかわる途中で、予期せぬ急変(SUPC)が起こることがあります
- 産科医療補償制度で分析された1,182例のうち、急変のあとに重い脳性まひと診断された45例があり、そのうち10例は早期母子接触中でした。お母さんが赤ちゃんの異変に気づいていたのは2例だけでした
- それらに共通していたのは、「初めてのお産」「経腟分娩」「パルスオキシメーター(酸素のモニター)をつけていない」「医療スタッフが付き添っていない」「早期母子接触中の授乳」でした
- 初めてのお母さんは、赤ちゃんの姿勢で鼻や口がふさがるリスクに気づきにくく、お産が長くて疲れていることも関係します。麻酔によるお母さんの眠気、スマートフォンの使用による注意散漫、部屋の薄暗さもリスクになるとしています

早期母子接触には、母乳育児が続きやすくなるなどの利点がありますが、生まれてすぐは予期せぬ急変も起こりえます。スタッフに見守ってもらいながら、赤ちゃんの顔が横を向いて鼻がふさがっていないか気をつけてください。
安全に行うために
研修ノートによると、
- 妊娠中に、利点だけでなく、予期せぬ急変が起こりうることも説明を受け、希望するかどうかを確認します。お産のあとにも、あらためて希望を確認し、希望する人だけに行います
- 赤ちゃんの鼻がふさがらないよう、顔を横に向けるなど、安全な姿勢を保ちます
- 医療スタッフが付き添って観察するか、赤ちゃんに酸素や心拍のモニターをつけて、こまめに観察します

プレ男パートナーとしても、そばで赤ちゃんの顔色や呼吸を見ておくといいかもしれないね。スマホを見ていないで。
パートナーにできること
- 早期母子接触のあいだ、スマートフォンを置いて、赤ちゃんの顔色や呼吸を一緒に見守る
- 気になることがあれば、すぐにスタッフを呼ぶ
まとめ
- 早期母子接触は、生まれてすぐの肌と肌のふれあい
- 母乳育児が続きやすい、体温や呼吸の安定などの利点
- 生まれてすぐは予期せぬ急変もありうる
- 顔を横に向ける、スタッフの付き添いやモニターで安全に
- 利点と注意点の説明を受け、希望する場合に行う
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No113 新生児のケア・アップデート「2.早期母子接触」((1)定義〜(5)新生児急変への備えと対応). https://www.jaog.or.jp/notes/note21841/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。