性感染症の受診で、何を聞かれる?:相手のこと、どんな性行為か、予防、これまでの検査、妊娠の希望——「5つのP」。責めるためではなく、必要な検査を選ぶため。わからないこと・言いにくいことは、そのまま伝えてOK
性感染症の検査や診察では、セックスについていろいろ聞かれます。米国CDCの性感染症治療ガイドライン(2021年)は、医療者が性の健康について聞くときの方法として「5つのP」(パートナー、性行為の内容、予防、これまでの性感染症、妊娠の希望)を紹介しています。質問は、どの検査が必要かを決めるため。CDCは、医療者が相手を尊重し、責めない態度で聞くことが大切だとしています。答えにくいことは「わからない」「言いにくい」と伝えて大丈夫です。

プレ男検査を受けたいけど、診察で「どんなことをしたか」聞かれるのが恥ずかしくて……。

メル美何を聞かれるかが前もってわかっていたら、少し気が楽になりそう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、性感染症の受診で何を聞かれるかの話です。米国CDCの性感染症治療ガイドライン(2021年)の「性の健康についての聞きとり(セクシュアル・ヒストリー)」の部分をもとにまとめました。性病になるより修羅場になる方がヤバい! でも、それ以上に、聞かれるのが恥ずかしくて検査をためらうのはもったいないです。
聞かれるのは、責めるためではない
CDCのガイドラインによると、
- 医療者は、ふだんの診療の中で、性の健康について聞きとり、リスクを下げる方法を一緒に考えることがすすめられています
- 聞きとりには、相手を尊重し、思いやりをもち、責めない(ジャッジしない)態度が欠かせないとされています
- たとえば「コンドームを毎回使うのがむずかしい、という人もいます。あなたはどうですか?」のように、よくあることとしてたずねる聞き方が紹介されています

質問は、どこをどの検査で調べるかを決めるためのものです。答えにくいことは「言いにくいです」「わかりません」と伝えてもらえれば大丈夫です。
「5つのP」:聞かれることの例
CDCのガイドラインは、性の健康について聞くための方法として「5つのP」を紹介しています。
1. Partners(パートナー)
- 「いま、何らかの性行為をしていますか?」
- 「パートナーの性別は?」
2. Practices(どんな性行為か)
- 「性感染症のリスクを知るために、最近の性行為について、もう少しくわしく聞かせてください」
- 腟でのセックス、アナルセックス、オーラルセックス(口と性器)をしているか
どこで性行為をしたかによって、のど、肛門、性器のどこを検査するかが変わります(性感染症の検査って何をするの?)。
3. Protection(予防)
- 「パートナーと、性感染症やHIVの予防について話していますか?」「検査を受けることについて話していますか?」
- 「どんな予防の方法を使っていますか?どんなときにコンドームを使いますか?」
4. Past history(これまでの性感染症)
- 「これまでに性感染症やHIVの検査を受けたことはありますか?」
- 「性感染症と診断されたことはありますか?」「パートナーが性感染症にかかったことは?」
- HIVや肝炎のリスクを知るために、「あなたやパートナーが、注射で薬物を使ったことはありますか?」と聞かれることもあります
5. Pregnancy intention(妊娠の希望)
- 「将来、(もっと)子どもがほしいと思いますか?」「それまでの間、妊娠を防ぐことはどれくらい大切ですか?」
- 「避妊をしていますか?」「妊娠を防ぐ方法について話したいですか?」

メル美妊娠のことも聞かれるんだ。性感染症と避妊は、セットで考えるものなんだね。
検査について、知っておけること
CDCのガイドラインによると、
- 受ける人には、どの検査を受けるのかを知らせること、そして性器ヘルペス、トリコモナス、マイコプラズマ・ジェニタリウム、HPVなど、受けられるけれど今回は行わない検査とその理由も知らせることがすすめられています
- 検査の結果と、次にいつ検査を受けるとよいかも伝えることとされています
- 支払いの能力、国籍や在留資格、性自認、話すことば、性行為のかたちなどにかかわらず、すべての人が性感染症の診療を受けられるようにすることが大切だとされています
わからないことは、「今日はどの検査をしますか?」「ほかに受けたほうがいい検査はありますか?」「次はいつ検査すればいいですか?」と聞いてみましょう(性感染症の検査、どれくらいの頻度で受ける?)。
受診の前に、メモしておくと楽なこと
- 気になる症状と、いつからあるか
- 心当たりのある性行為の日にち(検査のタイミングを決める手がかりになります)
- 性行為の種類(腟・口・肛門)
- コンドームを使ったかどうか
- これまでの検査や治療、飲んでいる薬、薬のアレルギー(ペニシリンアレルギーと言われたことがある人の性感染症の治療)
まとめ
- 性感染症の受診では、パートナー、性行為の内容、予防、これまでの性感染症、妊娠の希望(5つのP)を聞かれることがある
- 質問は、どの検査が必要かを決めるため。医療者は責めない態度で聞くことがすすめられている
- 言いにくいこと・わからないことは、そのまま伝えてOK
- どの検査をするか、しない検査は何か、次はいつかも聞いてみよう
参考文献
- Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep 2021;70(No. RR-4)(Clinical Prevention Guidance: STI and HIV Infection Risk Assessment, Box 1. The Five P’s approach). https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
