性病の薬、ネットで個人輸入してもいい?品質の保証がなく、偽物や有害物質のおそれ。副作用が出ても救済制度の対象外。自己判断の治療は「治ったつもり」の危険も
受診が恥ずかしくて、性感染症の薬をネットで個人輸入しようと考える人がいます。厚生労働省は、個人輸入の医薬品は日本の法律にもとづく品質・有効性・安全性の確認がされておらず、偽造品や有害物質が含まれることもあり、健康被害が出ても医薬品副作用被害救済制度の対象にならないとしています。性感染症は、症状が消えても治っていないことや、薬が効きにくい菌もあります。検査と治療を受ける大切さをまとめました。

プレ男おしっこのときにちょっと痛くて…。病院は恥ずかしいから、海外の通販サイトで「性病に効く」って薬を買おうかな。安いし、届くのも早いんだって。

メル美それって大丈夫なの?本物かどうかもわからないよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、性感染症の薬をネットで個人輸入することの話です。厚生労働省の「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」をもとにまとめました。恥ずかしい気持ちはよくわかります。でも、自分とパートナーを守るために知っておいてほしいことがあります。
個人輸入の薬には、品質の保証がない
厚生労働省は、個人輸入される医薬品について、次のような危険性をあげています。
- 日本で正規に流通している医薬品は、法律(医薬品医療機器等法)にもとづいて品質・有効性・安全性が確認されていますが、個人輸入される外国製品にはその保証がありません
- 期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている場合があります
- 不衛生な場所や方法で作られたものかもしれません
- 正規メーカー品を装った偽造品かもしれません
- 説明が外国語で、正しく理解するのが難しく、副作用や成分がきちんと書かれていないこともあります

メル美偽物かもしれない薬を、体に入れるのはこわいね…。
副作用が出ても、救済制度の対象外
- 日本で正規に売られている医薬品を正しく使って重い健康被害が出た場合には、医薬品副作用被害救済制度があります
- しかし、個人輸入した医薬品による健康被害は、救済の対象になりません
- 個人輸入された医薬品は、医師や薬剤師でも成分や作用の情報を十分に持っていないことがあり、副作用が出てもすぐに対応するのが難しい場合があります
- 厚生労働省は、個人輸入は「通常、メリットよりも危険性(リスク)のほうが大きい場合が多い」としています
性感染症の「自己判断の治療」がこわい理由
- 性感染症の中には、症状が消えても治っていないものがあります(たとえば梅毒。梅毒)
- 淋菌のように、多くの抗菌薬が効きにくくなっている(薬剤耐性)菌もあります。治療のあとに治ったかを確認する検査が大切です(淋菌感染症)
- 症状が同じでも、原因によって効く薬がちがいます。検査をしないと、合っていない薬を飲み続けて、そのあいだにパートナーにうつしてしまうこともあります
- 医師による診察、処方、経過観察が必要な薬を、受診せずに使うと、安全性が大きく損なわれます

個人輸入した薬は品質が保証されておらず、副作用が出ても救済制度の対象になりません。性感染症は、検査で原因を確かめて、合った薬で治療し、治ったかを確認することが大切です。
受診のハードルを下げるために
- 泌尿器科、婦人科、皮膚科、性感染症内科などで相談できます。性感染症の診療は、医師にとって毎日のようにある、ふつうの診療です
- 保健所の匿名・無料の検査を使う方法もあります(東京都の無料検査、検査の受け方)
- 予防のために薬を飲む方法(Doxy-PEP)についても、自己判断で飲まず、医師に相談してください(Doxy-PEP)

プレ男安い薬で「治ったつもり」になるほうが、よっぽど高くつきそう。ちゃんと検査に行ってくる。
まとめ
- 個人輸入の薬は、品質・有効性・安全性の保証がない。偽造品や有害物質のおそれも
- 副作用が出ても、救済制度の対象外
- 性感染症は症状が消えても治っていないことや、薬が効きにくい菌もある
- 検査で原因を確かめ、合った薬で治療し、治ったかを確認する
- 保健所の匿名・無料検査も使える
参考文献
- 厚生労働省. 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。