
メル美中学生のいとこが、生理の量がすごく多くて、学校でもれないか心配で、ふらふらするって言ってるの。

プレ男生理が始まったばかりのころって、そういうものなのかな。受診したほうがいいのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、10代前半の生理の量が多いときの話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No116 産婦人科診療 こんなときどうする?」(医師向け、2026年)の「10代前半女性の過多月経への治療は?」(産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023などをもとにした解説)をもとにまとめました。
初経から数年は、量が多くなることがある
研修ノートによると、
- 初めての生理から数年は、脳と卵巣のホルモンのしくみがまだ育ちきっていないため、排卵がないことによる不正な出血が起こり、生理の量が多くなる(過多月経)ことがあります
- まれに、入院や輸血が必要なほどの大量の出血が起こることもあり、その場合はすぐに全身の管理と止血を優先します
初めての生理については初めての生理(初経)、生理の量が多いこと全般については生理の量が多い(過多月経)を見てください。

10代前半の生理の量が多いときは、ホルモンの治療や鉄剤で治療することができます。まれに大量の出血が起こることもあるので、量が多くて心配なときは、婦人科を受診してください。
まず、ほかの原因がないか確かめる
研修ノートによると、血が止まりにくい全身の病気、子宮の病気、妊娠などがないことを確かめたうえで、排卵に関係する出血と診断された場合に、ホルモンの治療を行います。
ホルモンの治療
研修ノートによると、
- ホルモンの治療には、黄体ホルモンなどで出血を整える方法や、低用量ピル(LEP)などがあります
- LEPは、過多月経には保険が適用されていませんが、排卵をおさえて子宮の内膜をうすくすることで、生理の量を減らすはたらきがあり、海外では過多月経などの治療に有効と報告されています
- 初経からまもない時期のLEPは、骨の成長への影響が心配されますが、実際に骨の成長をさまたげるという報告はなく、身長への影響はないと考えられています
- 一方、LEPを飲んでいる人は、骨密度のふえ方がゆるやかになるという報告があり、適正な体重、栄養、体重のかかる運動がすすめられています

プレ男ピルで身長が伸びなくなるわけじゃないんだね。
貧血には鉄剤
研修ノートによると、
- 鉄欠乏性貧血がないかを調べ、鉄剤で治療します
- 鉄剤は、貧血がよくなるだけでなく、体にたくわえる鉄(貯蔵鉄)が回復するまで続けることが望ましく、その目安に血清フェリチンを測ります
(更新)英国NHSの「Heavy periods」(2024年9月19日更新)では、生理の量が多い(過多月経)目安として、1〜2時間ごとにナプキンやタンポンを替える必要がある、ナプキンとタンポンを2つ合わせて使う必要がある、生理が7日より長く続く、直径約2.5cmより大きい血のかたまりが出る、服や寝具までもれる、生理のために運動などをさける・休む、疲れやすい・息切れがよくある、をあげています。生理が始まったばかりのころは量が多いこともあるとしています。日本の資料での目安は確認していません。
保護者にできること
- 「生理の量が多くてつらい」と言われたら、がまんさせずに、婦人科の受診をいっしょに考える
- 学校でもれないか不安なときは、夜用のナプキンなどの用意を手伝う
- ふらつき、息切れ、顔色が悪いなど、貧血のような様子があれば受診をすすめる
まとめ
- 初経から数年は、排卵がないことで生理の量が多くなることがある
- 血が止まりにくい病気・子宮の病気・妊娠がないか確かめてから治療
- ホルモンの治療(LEPなど)。身長への影響はないと考えられている
- 貧血には鉄剤。貯蔵鉄(フェリチン)が回復するまで
- まれに大量の出血も。心配なときは婦人科へ
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No116 産婦人科診療 こんなときどうする?「23.10代前半女性の過多月経への治療は?」. https://www.jaog.or.jp/note/no116_3_23/ (閲覧日:2026年10月10日)
- NHS. Heavy periods(Page last reviewed: 19 September 2024). https://www.nhs.uk/conditions/heavy-periods/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。