
プレ男夕方になると、頭がギューッと締めつけられるように痛くなるんだ。パソコン仕事のせいかな…。

メル美わたしもたまにある。片頭痛とはちがう感じなんだよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、頭痛の中でいちばん多い緊張型頭痛の話です。日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会の「頭痛の診療ガイドライン2021」と、国際頭痛学会の「国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)」をもとにまとめました。
頭痛でいちばん多い
- 緊張型頭痛は、ほかの病気が原因ではない頭痛(一次性頭痛)の中で、いちばん多い頭痛です
- ガイドラインによると、日本の調査では22.3%(疑いを含む。くり返すタイプ20.6%、慢性1.5%)。ちなみに片頭痛は8.4%です(片頭痛)
- 女性のほうが男性より多い傾向がありますが、片頭痛ほど大きな差はありません
- 以前は「こころが原因の頭痛」と考えられていましたが、いまは、少なくとも重いタイプには神経の働きがかかわっていると考えられています(ICHD-3)
どんな痛み?
国際頭痛分類(ICHD-3)では、次の4つのうち2つ以上があてはまる頭痛とされています。
- 頭の両側が痛む
- 締めつけられる・圧迫されるような痛み(ズキンズキンと脈打つ痛みではない)
- 痛みは軽い〜中くらい
- 歩く・階段を上るなどのふだんの動きで悪くならない
さらに、
- 吐き気や嘔吐はない(慢性のタイプでは軽い吐き気があることも)
- 光がまぶしい・音がうるさいと感じるのは、どちらか1つまで
- 1回の頭痛は30分〜7日間続きます

メル美片頭痛は動くと痛くなって、吐き気もあることが多いんだよね。そこがちがうんだ。
片頭痛との見分け
| 緊張型頭痛 | 片頭痛 | |
|---|---|---|
| 場所 | 両側が多い | 片側が多い |
| 痛み方 | 締めつけられる | ズキンズキンと脈打つ |
| 動くと | 悪くならない | 悪くなる |
| 吐き気 | ない | あることが多い |
(ICHD-3 の診断基準をもとに Claude が作成。片頭痛は両側のことや、締めつけるような痛みのこともあります)
- 緊張型頭痛と片頭痛の両方をもっている人もいます。治療が大きくちがうので、頭痛ダイアリー(頭痛の日・痛み方・飲んだ薬の記録)で区別することが勧められています(ICHD-3)
回数で3つに分けられる
| タイプ | 頭痛のある日 |
|---|---|
| まれに起こる(稀発反復性) | 月1日未満 |
| よく起こる(頻発反復性) | 月1〜14日(3か月を超えて) |
| 慢性 | 月15日以上(3か月を超えて) |
- まれに起こるタイプは、ほとんどの人が経験するもので、ふつうは治療の対象にはなりません
- よく起こる・慢性のタイプで、日常生活に支障があるときは治療が必要です(ガイドライン)
- 多くは経過がよいものの、一部は慢性に移ります
原因・きっかけは?
- ガイドラインでは、緊張型頭痛の危険因子やきっかけは、まだはっきり確定していないとされています
- 肥満・運動不足・喫煙がそれぞれ危険因子だとする報告もあります
- 長時間の同じ姿勢や首・肩のこり、ストレスがきっかけになると言われることもあります
治療:痛み止めと、薬以外の方法
痛み止め(急性期の治療)
- 治療の中心は、アセトアミノフェンや、イブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)で、効果が証明されています
- NSAIDs は、胃腸の不調などの副作用に注意が必要です
- 妊娠中の人は、自分で選ばずに医師に相談しましょう
「薬の飲みすぎによる頭痛」に注意
- 痛み止めを使いすぎると、かえって頭痛が増える「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)」になることがあります
- 国際頭痛分類では、もともと頭痛がある人が、アセトアミノフェンやNSAIDsを月15日以上(複数の成分を組み合わせた痛み止めは月10日以上)、3か月を超えて使い、頭痛が月15日以上になった状態とされています
- ガイドラインは、緊張型頭痛の痛み止めについて「1週間のなかで2〜3日以上の使用は避ける」ことが大切としています

プレ男痛み止め、ほぼ毎日飲んでた…。飲みすぎで頭痛が増えることもあるんだ。

痛み止めは、1週間に2〜3日以上の使用を避けるのが目安です。痛み止めを飲む日が増えてきたら、自分で量を増やさずに、医療機関に相談しましょう。
薬以外の方法
ガイドラインがあげている、薬以外の方法には、
- 運動プログラム、頭痛体操
- マッサージ・首の指圧、温冷パック、姿勢の矯正
- リラクセーション法(呼吸法など)、筋電図バイオフィードバック療法
- 鍼灸
などがあります。どれも効果の確かさ(エビデンス)には差がありますが、運動プログラムは有効である可能性が示され、費用の面からも勧められています。デスクワークの人は、座りっぱなしは体に悪いの記事もどうぞ。
- 頭痛がよく起こる・慢性のときは、医師が予防のための薬を使うこともあります
すぐに受診したい「危ない頭痛」
頭痛の多くは命にかかわりませんが、ほかの病気が原因の頭痛(二次性頭痛)もあります。ガイドラインが紹介する「レッドフラッグ(危険なサイン)」から、一部をあげます。
- 突然起こった、いままで経験したことのない頭痛
- 熱があり、首が硬い、意識がおかしい
- 手足のまひ・しびれ、ろれつが回らない、ものが二重に見えるなど
- 50歳以降に初めて起きた頭痛、いつもと痛み方が変わった・どんどん悪くなる頭痛
- せき・くしゃみ・運動で起こる頭痛、姿勢で変わる頭痛
- 頭を打ったあとの頭痛
- 妊娠中・出産後の頭痛
突然の激しい頭痛やまひ・ろれつの異常は、すぐに救急車(119)を(脳卒中・心筋梗塞のサイン)。

プレ男1時間に1回は立って、肩を回すようにしてみる。痛み止めの日も記録しておこう。
まとめ
- 緊張型頭痛は、頭痛でいちばん多い(日本で22.3%)
- 両側が締めつけられるように痛み、動いても悪くならず、吐き気はない
- 痛み止めはアセトアミノフェン・NSAIDs。1週間に2〜3日以上の使用は避ける
- 使いすぎると薬の飲みすぎによる頭痛に
- 運動・姿勢など薬以外の方法も
- 突然の激しい頭痛、まひ、ろれつ、熱と首の硬さは、すぐ受診・救急へ
参考文献
- 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修.「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会 編. 頭痛の診療ガイドライン2021(CQ I-2、CQ I-11、CQ III-2、CQ III-4、CQ III-5、CQ III-6、CQ III-7). 医学書院, 2021. https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
- Headache Classification Committee of the International Headache Society. The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition (ICHD-3). 2. Tension-type headache (TTH). https://ichd-3.org/2-tension-type-headache/ (閲覧日:2026年10月4日)
- 同. 2.2 Frequent episodic tension-type headache. https://ichd-3.org/2-tension-type-headache/2-2-frequent-episodic-tension-type-headache/ (閲覧日:2026年10月4日)
- 同. 2.3 Chronic tension-type headache. https://ichd-3.org/2-tension-type-headache/2-3-chronic-tension-type-headache/ (閲覧日:2026年10月4日)
- 同. 8.2 Medication-overuse headache (MOH). https://ichd-3.org/8-headache-attributed-to-a-substance-or-its-withdrawal/8-2-medication-overuse-headache-moh/ (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。