
プレ男おじさんが、忘年会で飲んだ夜に、おしっこがまったく出なくなって救急に行ったんだって。お腹がパンパンで苦しかったらしい。

メル美出したいのに出ないって、すごくつらそう…。お酒が関係あるの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、おしっこがまったく出ない(尿閉)と、尿が残っている感じ(残尿感)の話です。日本泌尿器科学会の一般向け情報をもとにまとめました。
「尿がまったく出ない」の2つの原因
- 膀胱に尿がたまっているのに出せない(尿閉):ふつう「尿がまったく出ない」というと、こちらを指します
- 腎臓で尿がつくられない(腎不全):この状態になる前に腎臓の働きが落ちている症状や検査の異常が出てくるので、急に起こることはなく、原因としては非常に少ないとされています
尿閉の多くは「前立腺肥大症」
- 尿を出すときは、膀胱が縮み、膀胱の出口が開く必要があります。出口が十分に開かないと、膀胱が縮んでも尿が出ません
- 尿閉の原因は、ほとんどが前立腺肥大症です。大きくなった前立腺が膀胱の出口をふさぐことが大部分で、尿閉は原則として男性に多いとされています
- 前立腺が大きい人ほど、尿閉になりやすい傾向があります
きっかけになること
学会は、次のようなことが尿閉のきっかけになることがあるとしています。
- 長時間座っていること
- 飲酒
- ときに、せき止め、かぜ薬、精神安定剤、不整脈の薬など

メル美お酒や、市販のかぜ薬がきっかけになることもあるんだ。
- 前立腺肥大症と言われている人や、おしっこが出にくい人は、市販のかぜ薬・せき止め・鼻炎薬などを買うときに、薬剤師や医師に相談しましょう。お薬手帳を見せると確実です
ほかの原因
- 膀胱をコントロールする神経が傷つくと、膀胱がうまく縮まず尿が出なくなることがあります(神経因性膀胱)。たとえば直腸がんや子宮がんの手術のあとなどで、男性にも女性にも起こりえます
- 進行した前立腺がんでも起こることがありますが、最近は早く見つかることが多く、ほとんど見られないとされています
尿閉はすぐに受診を
- 膀胱に尿がたくさんたまっているのに出ないときは、緊急の処置として、尿道から細い管(カテーテル)を入れて尿を出す必要があります
- 尿を出したらすぐ管を抜く方法(導尿)と、しばらく入れたままにする方法(尿道カテーテル留置)があります
- いずれの場合も、後日、泌尿器科専門医の診察を受けて原因を調べることが勧められています
- 前立腺肥大症の治療は、尿の出にくさを改善するとともに、尿閉を防ぐことが目的です。治療を続けても尿閉をくり返すときは、手術が必要になることもあります(尿の勢いが弱い)

膀胱に尿がたまっているのに出ない「尿閉」は、管で尿を出す緊急の処置が必要です。がまんせずにすぐ受診し、あとで泌尿器科で原因を調べてもらいましょう。
尿が残っている感じ(残尿感)
- おしっこのあとも「出きっていない感じ」がある症状です。実際に尿が残っていることも、残っていないのに感じることもあります
| タイプ | 主な原因 |
|---|---|
| 実際に尿が残っている | 前立腺肥大症など、尿の通り道が狭い。膀胱がうまく縮まない |
| 炎症で感じる | 女性の膀胱炎が典型。おしっこのときの痛み、トイレが近いとともに出る。抗菌薬で数日以内によくなる(膀胱炎) |
| 炎症がはっきりしないのに感じる | 男性では慢性前立腺炎(30〜50代、頻尿や下腹部・会陰部の不快感をともなうことが多い。前立腺炎)。女性では更年期の症状の一つのことも |
- 女性で残尿感だけの場合、学会は、良くなったり悪くなったりしながら、最終的にはなくなることが大部分なので、過度に神経質にならないほうがよいとしています。症状が続くようなら泌尿器科専門医へ

プレ男「出ない」は急いで病院、「残ってる感じ」は続くようなら泌尿器科、だね。おじさんにも、ちゃんと原因を調べるように言っておくよ。
まとめ
- 尿がまったく出ない「尿閉」の多くは前立腺肥大症。男性に多い
- 長時間座る・飲酒・かぜ薬・せき止めなどがきっかけになることも
- 尿閉は管で尿を出す緊急の処置が必要。すぐ受診し、後日、泌尿器科で原因を調べる
- 残尿感は、前立腺肥大症・膀胱炎・慢性前立腺炎などで起こる。続くなら泌尿器科へ
参考文献
- 一般社団法人日本泌尿器科学会. 尿がまったく出ない(こんな症状があったら). https://www.urol.or.jp/public/symptom/06.html (閲覧日:2026年9月29日)
- 一般社団法人日本泌尿器科学会. 尿が残っている感じがある
残尿感(こんな症状があったら). https://www.urol.or.jp/public/symptom/07.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。