
プレ男『若きウェルテルの悩み』って、題名だけで切なそう…。

メル美婚約者のいる人を好きになってしまった青年の話。ほとんどが、友だちへの手紙でできているんだって。
今回は、ドイツの作家ゲーテの『若きウェルテルの悩み』です。Project Gutenberg にある英訳(R. ディロン・ボイラン訳、題は「The Sorrows of Young Werther」)で読みました。本文中の「」の言葉は、その英訳をこの記事で日本語にしたものです。
※この作品には、主人公が自ら命を絶つ結末がえがかれています。
手紙でできた小説
- 小説のほとんどは、主人公の青年ウェルテルが、友人ヴィルヘルムにあてて書いた手紙です。最後の部分だけ、「編者から読者へ」として、手紙を集めた人がその後のできごとを語ります
- はじめの「序」で、編者は書いています。「あわれなウェルテルの物語について知りえたことを、できるかぎり集めました」。そして、同じ苦しみにある人には、この小さな本を友としてほしい、と
白い服の、ロッテ
- 春、ウェルテルはある田舎町にやってきます。若い人たちが開く舞踏会へ、知りあいの娘とおばといっしょに馬車で向かう途中、ウェルテルはロッテ(シャルロッテ)を迎えに、彼女の家に立ちよります
- 道すがら、おばが言います。「心をうばわれないように気をつけなさい」「あの人には、もうりっぱな婚約者がいるのだから」
- 家に入ると、2歳から11歳までの6人の子どもたちにかこまれて、ピンクのリボンのついた白い服の女性が、黒パンを切りわけていました。母を亡くした弟妹たちは、夕食をロッテからでなければ受けとろうとしないのでした
- 舞踏会のさなかに嵐が来て、みながこわがると、ロッテは遊びを始めてみなの気をまぎらわせます。雨のあと、窓辺で景色をながめていたロッテは、涙ぐんだ目でウェルテルの手に手を重ね、ひと言「クロプシュトック!」と言いました。二人とも知っている、詩人クロプシュトックの詩を思い出したのです
- ウェルテルが婚約者のことをたずねると、ロッテは答えます。「アルベルトは、わたしが婚約しているりっぱな人です」

プレ男出会う前から「婚約者がいる」って言われてたのに、好きになっちゃったんだ。
アルベルトの帰還
- 夏、ウェルテルはロッテの家にかよいつめます。子どもたちになつかれ、ロッテと語りあう日々。けれどやがて手紙に書きます。「アルベルトが帰ってきた。ぼくは去らなければならない」
- アルベルトは、ウェルテル自身もみとめる「りっぱな、ねうちのある男」でした。三人の関係はおだやかに見えながら、ウェルテルの苦しみは深まっていきます
- 9月、ウェルテルは旅立つことをロッテに告げないまま町を去り、やがて公使のもとで働きはじめます
遠い町で
- 公使の下での仕事はうまくいかず、ウェルテルはいらだちます
- 2月の手紙。「アルベルト、ぼくをだましてくれてありがとう」。結婚の日どりの知らせを待っていたのに、二人はもう結婚していたのでした
- 3月、ある伯爵家での集まりで、貴族たちの中で居心地の悪い思いをさせられたことをきっかけに、ウェルテルは職を辞します。やがて、ロッテのいる町へもどってきます

メル美はなれようとしたのに、結局もどってきてしまうんだね。
オシアンを読んだ夜
- 秋から冬へ。ウェルテルの手紙は暗くなっていき、ロッテもアルベルトも、ウェルテルのようすに心をいためます。ロッテは、クリスマス・イヴまでは来ないでほしい、とたのみます
- ある晩、アルベルトが用事で家をあけていたとき、ウェルテルがロッテをたずねてきます。ウェルテルは、ロッテにうながされて、自分が訳した「オシアン」の歌の一節を読みはじめます
- 嘆きの歌を読むうちに、二人とも涙があふれ、それでもウェルテルは読みつづけます。「春よ、なぜわたしを目ざめさせるのか。……明日、旅人が来るだろう。美しかったわたしを見た人が。その目は野にわたしをさがすだろう。けれど、わたしを見つけることはできない」
- 読みおえたウェルテルは、ロッテの足もとに身を投げ、ロッテを抱きしめて口づけをします。ロッテは身をはなし、「これが最後です、ウェルテル! もう二度と会いません!」と言って、となりの部屋にかけこみ、鍵をかけました
二丁のピストル
- 翌日、ウェルテルは召使いに手紙を持たせて、アルベルトに旅のためにピストルを貸してほしいとたのみます
- アルベルトは、手紙をそのまま妻にわたし、「ピストルを渡してやりなさい」と言います。ロッテはふるえる手で壁からピストルをおろし、ほこりをぬぐって、ひと言も言えないまま召使いにわたしました
- ウェルテルは、ロッテが自分の手でわたしてくれたと聞いて、よろこんでピストルを受けとります
- ロッテにあてた最後の手紙で、ウェルテルは、はじめて会ったとき子どもたちにかこまれて彼女が胸につけていたピンクのリボンを、いっしょにほうむってほしいとたのみます。「弾はこめてある。時計が十二時を打つ。……ロッテ、ロッテ! さようなら、さようなら!」
- 翌朝、召使いがたおれているウェルテルを見つけます。机の上には、レッシングの戯曲『エミーリア・ガロッティ』が開いたままになっていました。ウェルテルは昼の十二時に息をひきとり、その夜十一時、自分でえらんでいた場所にほうむられました。「聖職者はだれも付きそわなかった」と、小説は結ばれています

『若きウェルテルの悩み』の序で、編者は、同じ苦しみにある人にこの本を友としてほしいと書いています。小説は、ウェルテルを失ったあと、ロッテの命もあやぶまれたことを短く伝えて終わります。
つらい気持ちのときは
- 作品には自殺の場面が出てきます。もし今、死にたい気持ちや、ひとりで抱えきれない悩みがあるときは、厚生労働省の「まもろうよ こころ」で、電話やSNSの相談窓口を探せます(つらいときの相談先)
まとめ
- 『若きウェルテルの悩み』は、ゲーテの書簡体小説。この記事は Project Gutenberg の英訳で紹介した
- 青年ウェルテルは、子どもたちにパンを切りわけるロッテに恋をするが、ロッテには婚約者アルベルトがいた
- 身を引くために町を去るが、仕事になじめず、ロッテとアルベルトの結婚を知り、もどってくる
- オシアンの詩を読んだ夜、ロッテは「これが最後です」と告げる
- ウェルテルはアルベルトからピストルを借り、ロッテの手からわたされたそれで命を絶つ
- 三角関係の名作は夏目漱石『こころ』、病と愛の記録は堀辰雄『風立ちぬ』、若い二人の悲恋はシェイクスピア『ロミオとジュリエット』もどうぞ
参考文献
- Johann Wolfgang von Goethe. The Sorrows of Young Werther(R. Dillon Boylan 訳、Nathen Haskell Dole 編). Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/2527 (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. まもろうよ こころ. https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。