WHOが初めて出した不妊の指針(2025年11月):不妊は生涯で6人に1人が経験。大きな危険因子として「治療していない性感染症」と「たばこ」をあげ、予防にとりくむようよびかけた
世界保健機関(WHO)は2025年11月28日、不妊の予防・診断・治療についての初めての世界的な指針を出しました。WHOによると、不妊は、妊娠できる年代の人の6人に1人が生涯のどこかで経験すると推計されています。指針では、不妊の大きな危険因子として、治療していない性感染症とたばこへの対策が必要だとし、妊娠を考えている人には、健康的な食事、運動、禁煙などの生活習慣の改善をすすめています。また、学校や身近な医療機関で、年齢などもふくめた妊娠・不妊についての情報を早くから伝えることが大切だとしています。

プレ男WHOが不妊の指針を出したって聞いたんだけど、性感染症とも関係があるの?

メル美クラミジアを放っておくと、妊娠しにくくなることがあるって聞いたことがあるよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、WHOが初めて出した不妊の指針の話です。世界保健機関(WHO)の発表「WHO issues first global guideline on infertility」(2025年11月28日)をもとにまとめました。
不妊は6人に1人
WHOによると、
- 不妊は、妊娠できる年代の人の6人に1人が、生涯のどこかで経験すると推計されています
- WHOでは、不妊を「避妊せずに定期的に性交をしていても、12か月以上妊娠しないこと」としています
- 多くの国で、検査や治療の費用がほとんど自己負担で、体外受精1回の費用が平均的な世帯の年収の2倍になる地域もあるとしています
- 2025年11月、WHOは、不妊の予防・診断・治療についての初めての世界的な指針を出し、40の推奨をまとめました
予防:治療していない性感染症とたばこ
WHOによると、指針では、
- 不妊の大きな危険因子として、治療していない性感染症とたばこへの対策が必要だとしています
- 妊娠を考えている人やカップルには、健康的な食事、運動、禁煙などの生活習慣の改善をすすめています
- 学校や身近な医療機関などで、年齢などもふくめた妊娠・不妊についての情報を早くから伝えることが、将来の計画を立てる助けになるとしています

WHOは、治療していない性感染症とたばこを、不妊の大きな危険因子としてあげています。将来の妊娠のためにも、性感染症は早く見つけて治療することが大切です。
性感染症と不妊の関係については、骨盤内炎症性疾患(PID)とは?や妊娠を考えたら、ふたりで性感染症の確認をを見てください。

プレ男性感染症の治療は、将来の妊娠を守ることにもつながるんだね。
診断と治療、こころの支え
WHOによると、指針では、
- 男性・女性それぞれの不妊のよくある原因を調べる流れを示し、まず妊娠しやすい時期のアドバイスから始めて、必要に応じて人工授精や体外受精へと、段階的に進めることをすすめています
- 不妊は、うつや不安、孤立感につながることがあるため、こころの支えを受けられるようにすることを強調しています
- 妊孕性温存や第三者がかかわる生殖医療などは、今後の版でとりあげる予定としています
男性の不妊については、不妊の約半分は男性にも原因があるを見てください。
(更新)WHOの「Guideline for the prevention, diagnosis and treatment of infertility: summary of recommendations」(推奨のまとめ)では、たとえば次のような推奨・よい実践が示されています。妊娠を考えている・望んでいる人には、医療機関を受診したときにいつも、性感染症と、治療しないと不妊のリスクになることを伝え、症状があればすぐに受診・治療をうながす(よい実践)。たばこを吸う人には、受診のたびに短い禁煙の助言をする(強い推奨)。原因不明の不妊のカップルには、刺激なしの人工授精よりも、経過をみる(待機)ことを提案する(条件付き推奨)。多嚢胞性卵巣症候群による排卵障害には、クロミフェンやメトホルミンよりもレトロゾールを提案する(条件付き推奨)。いずれも世界向けの推奨で、日本で承認されている使い方とちがうことがあります。
日本で体外受精などで生まれた赤ちゃんの数は、体外受精などで生まれた赤ちゃんは2024年に8万6,473人を見てください。
まとめ
- 不妊は、妊娠できる年代の6人に1人が経験
- WHOは2025年11月、初めての不妊の指針(40の推奨)を出した
- 大きな危険因子は治療していない性感染症とたばこ
- 食事・運動・禁煙、そして早くからの情報を
- 不妊のこころの負担への支えも大切
参考文献
- World Health Organization. WHO issues first global guideline on infertility(News, 28 November 2025). https://www.who.int/news/item/28-11-2025-who-issues-first-global-guideline-on-infertility (閲覧日:2026年10月12日)
- World Health Organization. Guideline for the prevention, diagnosis and treatment of infertility: summary of recommendations(IRIS). https://iris.who.int/items/aee65904-822c-4138-8ff1-2444ab76e0b8 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
