
メル美友だちがお産のとき「吸引分娩になった」って。赤ちゃんの頭に跡がついてて心配したみたい。

プレ男器具で引っぱるって聞くと、ちょっとこわいね。どんなときに使うんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、吸引分娩・鉗子分娩の話です。英国NHSの資料をもとにまとめました。
吸引分娩・鉗子分娩とは
NHSによると、
- 吸引カップや鉗子という器具で、赤ちゃんが出てくるのを手助けする方法です
- 安全な方法で、お母さんと赤ちゃんに必要なときだけ使われます
- 前に経腟分娩をしたことがある人では、少なくなります
- 医師や助産師が理由と方法を説明し、同意を得てから行います
吸引分娩
- やわらかい、またはかたいカップを赤ちゃんの頭に吸いつけ、陣痛に合わせて、いきむのと一緒にやさしく引っぱります
- 36週より前のお産では、赤ちゃんの頭がやわらかいので、鉗子のほうがすすめられることがあります
鉗子分娩
- 大きなスプーンのような、なめらかな金属の器具で赤ちゃんの頭をはさみ、陣痛といきみに合わせてやさしく引っぱります
- 赤ちゃんの向きを直すための鉗子もあります
器具を使うとき
- 硬膜外麻酔をしていなければ、腟と会陰に局所麻酔をします(お産の痛みをやわらげる方法)
- 腟の出口を広げるため、会陰切開が必要になることが多いです(会陰切開と会陰の傷)
- 心配があるときは、すぐ帝王切開ができるよう手術室に移ることもあります(帝王切開)
- 状況によっては、生まれた赤ちゃんをおなかの上にのせ、パートナーがへその緒を切ることもできます
どんなときに使う?
NHSによると、お産の約8人に1人で行われ、次のようなときに必要になることがあります。
- とても高い血圧などの病気で、いきまないほうがよいと言われている
- 赤ちゃんの心拍が心配
- 赤ちゃんの向きがよくない
- 赤ちゃんが疲れてきて、苦しくなっているかもしれない
- 早産の赤ちゃんを経腟分娩で産む(鉗子が赤ちゃんの頭を守る)
- 硬膜外麻酔を使っている

プレ男8人に1人って、思ったより多いんだね。
お母さんへのリスク
NHSによると、
- 会陰の傷や会陰切開:溶ける糸で縫います
- 肛門の筋肉や直腸まで及ぶ深い傷(3度・4度の裂傷)が起こりやすくなります
- 経腟分娩全体:100人に3人
- 吸引分娩:100人に4人
- 鉗子分娩:100人に8〜12人
- 脚や骨盤の血栓ができやすくなります。産後はできるだけ体を動かす。血栓予防のストッキングやヘパリンの注射がすすめられることもあります
- 尿もれが起こりやすくなります。骨盤底のトレーニングなどのリハビリがすすめられます(産後の体の回復)
- 便もれ・おならがもれることもあります(とくに3度・4度の裂傷のあと)。恥ずかしがらずに相談しましょう
- 産後、最大24時間ほど尿の管(カテーテル)が必要になることがあります

吸引分娩・鉗子分娩は、必要なときだけ使われる安全な方法です。ただ、尿もれや便もれが起こりやすくなるので、産後に困ったら恥ずかしがらずに相談を。
赤ちゃんへのリスク
NHSによると、
- 吸引カップの頭のふくらみ:ふつう48時間以内に消えます
- 頭のあざ(頭血腫):ふつう心配はなく、時間とともに消えます
- 鉗子の顔の跡:ふつう48時間以内に消えます
- 顔や頭の小さな傷:10人に1人ほど。すぐに治ります
- 黄疸(肌や白目が黄色くなる):数日でおさまります
生まれたあと、ふつうは小児科医が赤ちゃんの様子を確かめます。
まとめ
- 吸引分娩・鉗子分娩は、器具で赤ちゃんが出てくるのを手助けする方法。英国では約8人に1人
- 赤ちゃんの心拍、向き、お母さんの病気、硬膜外麻酔などのときに使われる
- 深い会陰の傷、血栓、尿もれ・便もれが起こりやすくなる。産後に困ったら相談を
- 赤ちゃんの頭の跡やあざは、多くは数日で消える
参考文献
- NHS. Forceps or vacuum delivery. https://www.nhs.uk/pregnancy/labour-and-birth/forceps-or-vacuum-delivery/ (閲覧日:2026年10月7日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。