B型肝炎の血液検査の見方:「HBs抗原」「HBs抗体」「HBc抗体」の3つで、いまの感染・過去の感染・ワクチンの効果を見分ける。HBs抗原が陽性なら、専門の医療機関へ
B型肝炎の検査結果に並ぶ「HBs抗原」「HBs抗体」「HBc抗体」。米国CDCは、この3つの組み合わせで、いま感染しているのか、過去に感染して治ったのか、ワクチンで免疫がついているのか、まだ免疫がないのかを判断するとしています。HBs抗原が陽性なら、いま感染している状態なので、専門の医療機関につながることが大切です。過去の感染でも、抗がん剤などで再活性化することがあります。組み合わせごとの意味をまとめました。

プレ男健診の結果に「HBs抗体 陽性」って書いてあった。陽性って、B型肝炎にかかってるってこと?

メル美「抗原」と「抗体」で意味がちがうんだよね。ややこしい…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、B型肝炎の血液検査の見方の話です。B型肝炎の検査は、3つの検査の組み合わせで読みます。米国CDCの資料をもとにまとめました。最終的な判断は、検査をした医師に確認してください。
3つの検査の意味
| 検査 | 何を見ている? | 陽性のとき |
|---|---|---|
| HBs抗原 | ウイルスの一部(表面のたんぱく) | いま、ウイルスが体の中にいる(感染している) |
| HBs抗体 | HBs抗原に対する抗体 | 免疫がある(過去の感染が治った、またはワクチンによる) |
| HBc抗体 | ウイルスの芯の部分に対する抗体 | いまか過去に、感染したことがある(ワクチンでは陽性にならない) |
- 「抗原」はウイルスそのものの目印、「抗体」は体がつくった防御の目印です
- ワクチンでは、HBs抗体だけが陽性になります。HBc抗体はワクチンでは陽性になりません。この差で、「ワクチンの免疫」か「感染したことがあるか」を見分けます
組み合わせの読み方
米国CDCの表をもとにしています。
| HBs抗原 | HBc抗体 | HBs抗体 | 考えられること |
|---|---|---|---|
| 陽性 | 陽性 | 陰性 | いま感染している(急性か慢性かは、IgM型HBc抗体などで見分ける)。専門の医療機関へ |
| 陰性 | 陽性 | 陽性 | 過去に感染して、治った状態 |
| 陰性 | 陰性 | 陽性 | ワクチンによる免疫(3回の接種を終えている場合) |
| 陰性 | 陰性 | 陰性 | 感染したことがなく、免疫もない。ワクチンの対象 |
| 陰性 | 陽性 | 陰性 | いくつかの可能性がある(過去の感染、ごくわずかなウイルスが残る感染、検査の偽陽性など)。追加の検査が必要 |
出典:CDC「Interpretation of Hepatitis B Serologic Test Results」

プレ男オレの「HBs抗体 陽性」は、ワクチンか、昔かかって治ったか、なんだ。HBc抗体も見ないとわからないんだね。
HBs抗原が陽性だったら
- いま、B型肝炎ウイルスに感染している状態です。CDCは、B型肝炎の診療につなげることが必要としています
- 慢性の感染では、肝硬変や肝がんにつながることがあるので、症状がなくても定期的な検査が大切です。治療が必要かどうかは、専門の医師が判断します(B型肝炎)
- B型肝炎は、血液や体液、性行為でうつります。パートナーや家族も検査を受け、免疫がなければワクチンを考えましょう(B型肝炎ワクチン、パートナーにどう伝える?)
「過去の感染」でも気をつけること
- CDCは、過去に感染して治った人(HBc抗体陽性)には、再活性化のリスクについて説明するよう求めています
- 抗がん剤、免疫をおさえる薬などの治療を受けるときは、ウイルスがふたたび増えることがあります。治療を受けるときは、過去にB型肝炎にかかったこと(HBc抗体が陽性だったこと)を医師に伝えてください

B型肝炎の検査は、HBs抗原・HBs抗体・HBc抗体の3つの組み合わせで読みます。HBs抗原が陽性なら、症状がなくても専門の医療機関へ。
だれが検査を受ける?
- CDCは、18歳以上のすべての大人が、一生に一度は、この3つの検査(トリプルパネル)でB型肝炎の検査を受けるようすすめています
- 日本でも、B型肝炎の記事にあるように、肝炎ウイルス検査は一生に一度は受けようと呼びかけられています
- 性感染症の検査を受けるときに、一緒に調べることもできます(検査でどこを調べる?)
まとめ
- B型肝炎の検査は、HBs抗原・HBs抗体・HBc抗体の3つの組み合わせで読む
- HBs抗原陽性 → いま感染。専門の医療機関へ。パートナーや家族も検査とワクチンを
- HBs抗体だけ陽性 → ワクチンの免疫、HBc抗体とHBs抗体が陽性 → 過去の感染が治った
- 全部陰性 → 免疫がないので、ワクチンを考える
- 過去の感染でも、抗がん剤などの治療の前には医師に伝える
参考文献
- Centers for Disease Control and Prevention. Clinical Testing and Diagnosis for Hepatitis B(Interpretation of Hepatitis B Serologic Test Results、スクリーニングの推奨). https://www.cdc.gov/hepatitis-b/hcp/diagnosis-testing/index.html (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
