
メル美HPVワクチンって、昔ニュースで副反応が話題になってたよね。今はどう考えられてるの?本当に効くのかな。

プレ男日本でのデータがあるなら知りたいな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HPVワクチンの効果と安全性の話です。公益社団法人日本産科婦人科学会が、すべての診療科の医師に向けて出した「子宮頸がんを『予防できる病』に 〜HPVワクチン接種率向上へのお願い〜」(2026年8月7日)をもとにまとめました。ワクチンの受け方はHPVワクチンを見てください。
日本の現状
日本産科婦人科学会によると、
- 日本では、2013年に定期接種の積極的な勧奨が差し控えられ、2022年4月に再開されました
- でも接種率の回復は限られていて、2026年2月に公表された資料によると、対象者の約50%しか接種を完了していないと報告されています
- 子宮頸がんで、1年に約2,900人が亡くなっています
- WHOは、2030年までに15歳未満の女子の接種率を90%にするという目標をかかげています
海外のデータ
日本産科婦人科学会が紹介している研究によると、
| 国 | 研究の内容 | 浸潤子宮頸がんの減少 |
|---|---|---|
| イギリス(イングランド) | 約1,370万人のがん登録、12〜13歳で接種した世代 | 87%減 |
| スウェーデン | 約167万人を11年追跡、17歳未満で接種 | 88%減 |
| デンマーク | 約86万人、16歳以下で接種 | 86%減 |

プレ男若いうちに打つと、浸潤がんが9割近くも減るんだ……!
日本のデータ
日本産科婦人科学会が紹介している日本の研究によると、
- 前がん病変(CIN3以上)に対して、86%の予防効果が示されました(2024年の全国規模の研究)
- 初めての性交渉の前(12〜15歳)に接種すると、子宮頸がんの主な原因であるHPV16型・18型の感染をほぼ完全に防げることが示されています
- 全国のがん登録などのデータで、20〜29歳の女性の浸潤子宮頸がんの罹患率は、2011年の10万人あたり8.0人から2020年には2.8人へ、65.0%減少しました。30代以上ではこうした減少はみられず、ワクチン世代(20代)に特有の低下でした
- 20〜29歳で浸潤子宮頸がんになった人から見つかるHPV16/18型の割合は、2017〜2022年に90.5%から64.7%へ下がりました。同じ世代の一般の女性の接種率が50〜70%だったのに対し、この期間に浸潤がんになった女性の接種率はわずか9.1%でした

日本のデータでも、ワクチン世代の20代で子宮頸がんが大きく減っています。ワクチンとあわせて、定期的な子宮頸がん検診も大切です。
安全性:「多様な症状」について
日本産科婦人科学会によると、
- かつて心配された「多様な症状」(長く続く痛みや、体が動かしにくいなど)について、接種との因果関係は科学的に否定されています
- 厚生労働省の研究班(祖父江班)の全国調査では、ワクチンを接種していない人にも、同じような慢性の痛みや運動の障害が一定の割合でみられることがわかりました
- 名古屋市が行った約3万人のアンケート調査の解析でも、接種と多様な体の症状のあいだに意味のある関連は見つかりませんでした
(更新)厚生労働省の「HPVワクチンに関するQ&A」(最終更新日:2026年3月25日)で確認しました。主な副反応は、発熱、接種した部分の痛みや腫れ、注射の痛みや恐怖、興奮などをきっかけとした失神などです。接種した部分の痛みは50%以上の人に起こるとされますが、多くは数日程度でおさまります。失神して倒れ、けがをする例もあるため、接種後30分ほどは、体重を預けられる場所で、なるべく立ち上がらずに様子をみるようにとしています。
注射への不安から起こる失神などの反応と、その防ぎ方については、注射がこわい、ワクチンのあとに気分が悪くなるにまとめています。
子宮頸がんは「予防できるがん」
- 日本産科婦人科学会は、子宮頸がんはワクチンで予防できる数少ないがんだとして、医師に、母子健康手帳で接種状況を確認するなど、受診の機会にHPVワクチンという選択肢を伝えるよう呼びかけています
- 子宮頸がんそのものについては子宮頸がん、検診については子宮頸がん検診は20歳からを見てください
日本の生まれ年度ごとの接種率は、HPVワクチンを1回でも受けた人はどのくらい?を見てください。
まとめ
- 日本でも、20代の浸潤子宮頸がんが2011年→2020年で65%減少(ワクチン世代に特有)
- 海外では、若いうちの接種で浸潤子宮頸がんが86〜88%減少
- 前がん病変(CIN3以上)に86%の予防効果(日本)
- 「多様な症状」との因果関係は否定されている
- 日本の接種完了は対象者の約50%。ワクチンと検診で子宮頸がんを防ごう
参考文献
- 公益社団法人日本産科婦人科学会. 全ての診療科の先生方へ 子宮頸がんを「予防できる病」に 〜HPVワクチン接種率向上へのお願い〜(2026年8月7日、PDF). https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20260807_HPV.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 厚生労働省. HPVワクチンに関するQ&A(最終更新日:2026年3月25日). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。