プレイヤーの法律THE RULEBOOK

RULE 01.14Consent

何年前の性被害でも訴えられる?刑事の時効は不同意性交等15年・不同意わいせつ12年で、被害時18歳未満なら18歳になるまでの期間を加算(2023年6月23日から)。告訴がなくても起訴できる(2017年から)。民事の損害賠償は「知った時から3年」、生命・身体の侵害なら5年

2026年10月22日 時点

性犯罪の公訴時効は2023年6月23日に5年ずつ延び、不同意性交等罪・監護者性交等罪は15年、不同意わいせつ罪・監護者わいせつ罪は12年、不同意わいせつ等致傷などは20年になりました。被害者が18歳未満だった場合は、犯罪が終わった時から18歳になる日までの期間が加算されます。法務省の例では、12歳で不同意性交等の被害にあった人の時効は33歳に達する日まで完成しません。延長は、その時点で時効が完成していなかった罪にも適用されます。性犯罪は2017年から非親告罪で、告訴がなくても起訴できます。加害者に損害賠償を求める民事の時効は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体を害する不法行為は5年)、不法行為の時から20年です。条文と法務省の資料で確かめました。

目次
  1. 2つの時効:刑事と民事
  2. 刑事:性犯罪の公訴時効は5年延びた
  3. 告訴がなくても起訴できる(2017年から)
  4. 民事:損害賠償を請求できる期間
  5. 刑事裁判の中で賠償を求める方法も
  6. 相談先
  7. まとめ

メル美子どものころの性被害を、大人になってやっと人に話せたっていう人がいた。何年もたってからでも、訴えることはできるのかな。

プレ男「時効」があるんだよね。警察に届けるのと、お金を請求するのとで、ちがうのかな。

今回は、性被害と時効です。刑事訴訟法・民法の条文と改正法の附則(e-Gov法令検索)、法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」と改正法の概要、令和7年版犯罪白書で確かめました。

この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。時効がいつ完成するかは、事件ごとの事情で変わります。「もう遅いかも」と思っても、まずは #8891(ワンストップ支援センター)や #8103(警察の性犯罪被害相談電話)、弁護士に相談してください。

2つの時効:刑事と民事

刑事(罪に問う) 民事(損害賠償を求める)
何の時効? 公訴時効:検察官が起訴できる期限 消滅時効:加害者に賠償を請求できる期限
決まり 刑事訴訟法250条 民法724条・724条の2
だれが動く? 警察・検察(被害者は被害届・告訴などで申告する) 被害者本人(弁護士に依頼することもできる)

被害届と告訴のちがいは、「被害届」と「告訴」はどうちがう?で。

刑事:性犯罪の公訴時効は5年延びた

刑事訴訟法250条3項は、性犯罪について、ほかの罪より長い公訴時効を定めています。

罪 公訴時効 改正前
不同意わいせつ等致傷(人を負傷させたとき)、強盗・不同意性交等 など 20年 15年
不同意性交等、監護者性交等(未遂を含む) 15年 10年
不同意わいせつ、監護者わいせつ(未遂を含む)、児童福祉法60条1項の罪(自己を相手方として淫行をさせる行為) 12年 7年

(改正前の年数は、法務省の改正法の概要による)

プレ男話せるようになるまで時間がかかるから、時効を延ばしたんだね。

被害のとき18歳未満なら、さらに延びる

刑事訴訟法250条4項:被害者が犯罪行為が終わった時に18歳未満である場合、時効は、250条3項の期間に、犯罪行為が終わった時から被害者が18歳に達する日までの期間を加えた期間で完成する。

改正前の事件はどうなる?

メル美改正より前の被害でも、その時点で時効が来ていなければ、延びた期間になるんだ。

告訴がなくても起訴できる(2017年から)

民事:損害賠償を請求できる期間

加害者に慰謝料などの損害賠償を求めるのは、刑事とは別の、民事の手続です。

条文 時効
民法724条1号 被害者またはその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき
民法724条の2 人の生命又は身体を害する不法行為の場合、上の3年は5年になる
民法724条2号 不法行為の時から20年間行使しないとき

性犯罪の公訴時効は、不同意性交等罪で15年、不同意わいせつ罪で12年です。被害のときに18歳未満だった場合は、18歳になるまでの期間が加わります。

刑事裁判の中で賠償を求める方法も

相談先

まとめ


参考文献

  1. 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第250条、附則(令和5年6月23日法律第66号)第1条・第5条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 民法(明治29年法律第89号)第158条、第159条、第724条、第724条の2. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 法務省. 性犯罪関係の法改正等 Q&A(Q13・Q14). https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html (閲覧日:2026年10月22日)
  4. 法務省. 改正法等の概要(詳細版). https://www.moj.go.jp/content/001417852.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
  5. 法務省. 刑法の一部を改正する法律の概要(平成29年7月13日施行). https://www.moj.go.jp/content/001323985.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
  6. 法務省. 令和7年版犯罪白書 第2編第1章1. https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/n72_2_2_1_0_1.html (閲覧日:2026年10月22日)
  7. 法務省. 令和7年版犯罪白書 第1編第1章第2節4. https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/n72_2_1_1_2_4.html (閲覧日:2026年10月22日)
  8. 法務省. 犯罪被害者の方々へ 5.公判段階での被害者支援. https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-4.html (閲覧日:2026年10月22日)
  9. 法務省. 犯罪被害者等支援弁護士制度. https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji07_00049.html (閲覧日:2026年10月22日)
  10. 内閣府男女共同参画局. 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター. https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html (閲覧日:2026年10月22日)
  11. 警察庁. 性犯罪被害相談電話全国共通番号「#8103」. https://www.npa.go.jp/higaisya/seihanzai/seihanzai.html (閲覧日:2026年10月22日)
  12. 厚生労働省. その他の相談先(法テラス・サポートダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sonota.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。