プレイヤーの法律THE RULEBOOK

RULE 01.16Consent

刑事裁判の中で、加害者に損害賠償を求める「損害賠償命令」不同意性交等・不同意わいせつ・監護者性交等・監禁・略取誘拐などの被害者が、刑事裁判をしている地方裁判所に申し立てる。申立手数料は2,000円、有罪判決のあと原則4回以内の審理で決定。示談の内容を公判調書に残す「刑事和解」も

2026年10月22日 時点

性犯罪の被害を受けて加害者に慰謝料などを求めるとき、別に民事裁判を起こさなくても、刑事裁判をしている裁判所に「損害賠償命令」を申し立てる方法があります(犯罪被害者保護法24条)。対象は、故意の犯罪行為で人を死傷させた罪や、不同意わいせつ・不同意性交等・監護者わいせつ・監護者性交等、逮捕・監禁、未成年者略取・誘拐などの罪。申立ては起訴のあと弁論の終結までに、地方裁判所に書面で行い、申立手数料は2,000円です。有罪判決のあと、刑事裁判の記録を使って原則4回以内の審理期日で決定し、異議があれば通常の民事訴訟に移ります。裁判外の示談を公判調書に記載してもらい、強制執行できるようにする「刑事和解」もあります。条文と法務省の案内で確かめました。

目次
  1. 損害賠償命令とは
  2. 対象になる罪(犯罪被害者保護法24条1項)
  3. 申立ての流れ
  4. 示談を「公判調書」に残す:刑事和解
  5. 弁護士の費用が心配なとき
  6. 相談先
  7. まとめ

メル美性被害の加害者が刑事裁判で有罪になっても、慰謝料は別に民事裁判を起こさないともらえないって聞いた。またいちから裁判なんて、負担が大きすぎるよね。

プレ男刑事裁判の中で、まとめて請求できるしくみはないのかな。

今回は、損害賠償命令制度と刑事和解です。犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(犯罪被害者保護法)の条文(e-Gov法令検索)と、法務省のパンフレット「犯罪被害者の方々へ」のウェブ版で確かめました。

この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。申し立てるかどうか、いくら請求するかは、弁護士や、担当の検察官・検察庁の被害者支援員に相談してください。

損害賠償命令とは

法務省の案内(Q1)によると、損害賠償命令制度は、刑事裁判の起訴状に書かれた犯罪事実にもとづいて、その犯罪で生じた損害の賠償を請求するものです。

法務省は、この制度の利点として次の3つをあげています。

  1. 刑事手続の成果を利用するので、被害の事実を立証しやすく、基本的に損害の賠償額を中心とした審理になり、簡易・迅速に進められる
  2. 申立手数料が2,000円であるなど、利用しやすい
  3. 民事訴訟に移った場合でも、訴訟記録をコピーして民事の裁判所に出す手間が省ける

プレ男刑事裁判の記録をそのまま使えるから、被害をまたいちから証明しなくていいんだね。

対象になる罪(犯罪被害者保護法24条1項)

区分 罪(未遂罪を含む)
1号 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪
2号イ 刑法176条(不同意わいせつ)、177条(不同意性交等)、179条(監護者わいせつ及び監護者性交等)
2号ロ 刑法220条(逮捕及び監禁)
2号ハ 刑法224条〜227条(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、人身売買など)
2号ニ イ〜ハの罪の犯罪行為を含む罪

監護者性交等罪は親や同居する大人による性暴力は「監護者わいせつ・監護者性交等罪」で、監禁罪はデートで「帰さない」「車から降ろさない」は監禁罪になりうるで説明しています。

申立ての流れ

段階 内容(条文・法務省の案内)
いつまでに 対象の刑事事件が起訴された時から、弁論の終結まで(24条1項。法務省は「審理手続(判決宣告を含まない)が終結するまで」と案内)
どこへ 刑事事件を担当している裁判所に、損害賠償命令の申立書を出す(24条2項)
費用 申立手数料2,000円(法務省)
審理の開始 刑事事件で有罪の言渡しがあったら、裁判所は直ちに審理期日を開く(35条1項)
審理 特別の事情がある場合を除き、4回以内の審理期日で終結(35条3項)
異議 決定書の送達などを受けた日から2週間以内に異議を申し立てられる。適法な異議があれば、民事訴訟の提起があったものとみなされる(38条・39条)

メル美申し立てるのは裁判が終わる前まで。起訴されたら早めに検察官や弁護士に相談しておくのがよさそう。

不同意性交等や不同意わいせつなどの事件の被害者は、刑事裁判をしている裁判所に損害賠償命令を申し立てることができます。申立手数料は2,000円で、有罪判決のあと原則4回以内の審理期日で決定されます。

示談を「公判調書」に残す:刑事和解

法務省の案内によると、

刑事和解は、犯罪被害者保護法の第6章「民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解」に定められています。

弁護士の費用が心配なとき

相談先

まとめ


参考文献

  1. 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(平成12年法律第75号)第24条、第25条、第35条、第38条、第39条、第43条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000075 (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 法務省. 犯罪被害者の方々へ 5.公判段階での被害者支援(7 刑事和解、8 損害賠償命令制度). https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-4.html (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 法務省. 犯罪被害者等支援弁護士制度. https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji07_00049.html (閲覧日:2026年10月22日)
  4. 刑法(明治40年法律第45号)第176条、第177条、第179条、第220条、第224条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年10月22日)
  5. 内閣府男女共同参画局. 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター. https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html (閲覧日:2026年10月22日)
  6. 厚生労働省. その他の相談先(法テラス・サポートダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sonota.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。