プレイヤーの法律THE RULEBOOK

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親や同居する大人による性暴力は「監護者わいせつ・監護者性交等罪」(刑法179条):18歳未満の子に、監護する立場の影響力に乗じて性的な行為をすれば、暴行・脅迫がなくても不同意わいせつ・不同意性交等と同じ刑。監護者と共謀した人も共同正犯になる(最高裁 令和7年1月27日決定)

2026年10月22日 時点

18歳未満の子に対し、その子を「現に監護する者」であることによる影響力に乗じてわいせつな行為や性交等をすると、監護者わいせつ罪・監護者性交等罪(刑法179条)になります。2017年7月13日に新設され、暴行・脅迫や「同意しない意思を示せない状態」を証明しなくても、不同意わいせつ罪(6月以上10年以下の拘禁刑)・不同意性交等罪(5年以上の有期拘禁刑)と同じ刑で罰せられます。最高裁は2025年1月27日、監護者でない人が監護者と共謀した場合にも監護者性交等罪の共同正犯が成立するとしました。2024年の認知件数は監護者性交等75件、監護者わいせつ107件(令和7年版犯罪白書)。条文・決定の原文・法務省の資料で確かめました。

目次
  1. 条文:18歳未満の子に、監護者の影響力に乗じて
  2. 2017年に新しくできた罪
  3. 「現に監護する者」とは
  4. 監護者と共謀した人も:最高裁 令和7年1月27日決定
  5. 数字で見る(2024年)
  6. 学校や塾の先生は?
  7. 相談先
  8. まとめ

メル美親や、親の恋人みたいな「一緒に住んでいる大人」から性的なことをされる子どもがいるって聞いた。子どもは逆らえないよね。

プレ男なぐったりおどしたりしていなくても、罪になるのかな。法律ではどうなっているんだろう。

今回は、監護者わいせつ罪・監護者性交等罪(刑法179条)です。刑法・刑事訴訟法の条文(e-Gov法令検索)、最高裁判所の決定の原文(裁判所ウェブサイト)、法務省の資料と令和7年版犯罪白書で確かめました。

この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。子どもが被害にあっているかもしれないときは、ひとりで抱えず、189(児童相談所虐待対応ダイヤル)や #8891(ワンストップ支援センター)に相談してください。

条文:18歳未満の子に、監護者の影響力に乗じて

刑法179条1項:十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条第一項の例による。

刑法179条2項:十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条第一項の例による。

監護者わいせつ罪(179条1項) 監護者性交等罪(179条2項)
刑 不同意わいせつ罪の例:6月以上10年以下の拘禁刑 不同意性交等罪の例:5年以上の有期拘禁刑
未遂 罰する(180条) 罰する(180条)
死傷させたとき 無期または3年以上の拘禁刑(181条1項) 無期または6年以上の拘禁刑(181条2項)
公訴時効 12年(刑事訴訟法250条3項3号) 15年(250条3項2号)

プレ男刑の重さは、不同意わいせつ・不同意性交等と同じなんだ。

2017年に新しくできた罪

「現に監護する者」とは

条文には「現に監護する者」の定義はありません。法務省が公表した「平成29年刑法改正後の規定の施行状況についての調査結果等」には、被告人が「現に監護する者」にあたるかが争われた事件の判決が紹介されています。

メル美「親だから」という肩書きより、実際に生活の面倒を見て、子どもがその人に頼っている関係かどうかが見られるんだね。

監護者と共謀した人も:最高裁 令和7年1月27日決定

最高裁判所第一小法廷は2025年1月27日、次のように判断しました(令和6年(あ)第753号)。

18歳未満の子に、監護する立場の影響力に乗じてわいせつな行為や性交等をすれば、不同意わいせつ罪・不同意性交等罪と同じ刑で罰せられます。監護者と共謀した人も罪に問われます。

数字で見る(2024年)

令和7年版犯罪白書(警察庁刑事局の資料による)によると、2024年の件数は次のとおりです。

罪名 認知件数 検挙件数 検挙率
監護者性交等 75件 68件 90.7%
監護者わいせつ 107件 97件 90.7%

学校や塾の先生は?

相談先

まとめ


参考文献

  1. 刑法(明治40年法律第45号)第65条、第176条、第177条、第179条、第180条、第181条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第250条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 最高裁判所第一小法廷 令和7年1月27日決定(令和6年(あ)第753号 監護者性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件). 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/93744/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  4. 法務省. 刑法の一部を改正する法律の概要(平成29年7月13日施行). https://www.moj.go.jp/content/001323985.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
  5. 法務省. 平成29年刑法改正後の規定の施行状況についての調査結果等(別紙9). https://www.moj.go.jp/content/001323988.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
  6. 法務省. 令和7年版犯罪白書 第1編第1章第2節4. https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/n72_2_1_1_2_4.html (閲覧日:2026年10月22日)
  7. こども家庭庁. 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について. https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/gyakutai-taiou-dial (閲覧日:2026年10月22日)
  8. 内閣府男女共同参画局. 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター. https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html (閲覧日:2026年10月22日)
  9. 警察庁. 性犯罪被害相談電話全国共通番号「#8103」. https://www.npa.go.jp/higaisya/seihanzai/seihanzai.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。