いま、つらい思いをしている方へ:あなたのせいではありません。全国共通の電話番号「#8891」(はやくワンストップ)にかけると、最寄りの性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにつながります。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、性暴力の被害にあったときの話です。日本産婦人科医会の「女性の健康Q&A」と、内閣府男女共同参画局の資料をもとにまとめました。被害は、性別や年齢を問わず、誰にでも起こりうることです。
あなたのせいではない
日本産婦人科医会は、性犯罪にあった人に向けて、次のように伝えています。
- あなたのせいではありません。悪いのはあなたではなく加害者です
- なによりも、自分の体を守ることを考えてください
- 信頼できる人に相談することが大切です
お酒を飲んでいた、断れなかった、知っている人だった——どんな状況でも、同意のない性行為は、された人のせいではありません。法律の考え方は、不同意性交等罪とは?の記事にまとめています。
体を守るために、72時間以内にできること

被害のあと、妊娠やHIVを防ぐ薬は、できるだけ早く、72時間以内に始めることが大切です。ひとりで抱えず、まずは「#8891」や産婦人科に相談してください。
- 日本産婦人科医会は、産婦人科で診察や検査を受けることをすすめています
- 被害から72時間以内に緊急避妊薬を飲めば、かなりの確率で妊娠を避けられます(アフターピル(緊急避妊薬))
- 妊娠や性感染症の被害を受けないようにすることが大切です
- HIVに感染したかもしれないときの曝露後予防(PEP)は、72時間以内に飲み始める必要があり、早いほどよいとされています(PEP(HIVの曝露後予防))
- クラミジアや淋菌、梅毒などの性感染症は、時間をおいてから検査することもあります。医療機関で、検査の時期を相談しましょう(性感染症の潜伏期間)
証拠を残すために
- 日本産婦人科医会によると、加害者を特定するために、被害にあったときの衣類や下着は、洗わずにとっておけるとよいとされています
- つらいときは、無理をしなくてかまいません。どうするかは、支援センターに相談しながら考えられます
(更新)内閣府男女共同参画局の「性犯罪・性暴力とは」のページ(2026年10月12日閲覧)では、警察や病院に行く前に、なるべくシャワーやお風呂でからだを洗わないこと、被害にあったときの衣服・下着は洗わずにそのまま持っていくことをすすめています。一方で、「証拠となるようなものが何ものこっていない」「被害から72時間以上たってしまった」場合でも相談できるので、心配せず相談してほしいとしています。また、警察庁のページによると、警察は、緊急避妊などの費用(初診料、診断書料、性感染症などの検査費用、人工妊娠中絶の費用をふくむ)の公費負担や、希望する性別の捜査員による対応などを行っています。警察への届け出の具体的な流れは確認していません。
相談できるところ
内閣府男女共同参画局によると、
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターは、性犯罪・性暴力に関する相談窓口です。産婦人科医療、カウンセリング、法律相談などの専門機関とも連携しています
- 全国共通の電話番号「#8891」(はやくワンストップ)にかけると、最寄りのワンストップ支援センターにつながります(携帯電話、NTTアナログの固定電話から)
- NTTひかり電話からは 0120-8891-77(宮城県・埼玉県・高知県などは別の番号)
- 内閣府のページでは「通話料無料」と案内されています(一部のIP電話などからはつながりません)
日本産婦人科医会も、ワンストップ支援センターに連絡して、産婦人科の受診や警察への届け出などを相談することをすすめています。
(更新)内閣府男女共同参画局の「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」のページ(2026年10月12日閲覧)では、全国共通の #8891(はやくワンストップ) にかけると最寄りのセンターにつながり、通話料無料です(NTTひかり電話からは0120-8891-77。一部のIP電話などからはつながりません)。センター一覧には、センターごとの相談受付日時と、夜間休日コールセンターによる受付日時が載っています。お住まいの地域のセンターの時間は、このページで確かめてください。
まわりの人ができること
- 打ち明けられたら、「あなたは悪くない」と伝え、責めたり、根掘り葉掘り聞いたりしない
- 本人の決めることを尊重し、受診や相談に付きそう
- 支える人もつらくなります。支える人も、ワンストップ支援センターに相談できます
学校で行われている性暴力防止の教育については、学校の「生命(いのち)の安全教育」ってなに?にまとめています。
世界の女性への暴力と健康への影響は、女性への暴力と健康(WHO、2026年)にまとめています。
ワンストップ支援センターへの相談件数の推移は、ワンストップ支援センターへの相談は2025年度に7万4,472件で過去最多を見てください。
まとめ
- 性暴力の被害は、あなたのせいではない。悪いのは加害者
- 72時間以内なら、緊急避妊薬やHIVのPEPが間に合うことがある。早めに受診を
- 衣類や下着は、洗わずにとっておけるとよい
- #8891(はやくワンストップ)で、最寄りのワンストップ支援センターにつながる
参考文献
- 日本産婦人科医会. 性犯罪にあったらどうしたらよいですか?(2018年11月14日作成). https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei181114/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 内閣府男女共同参画局. 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター. https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 内閣府男女共同参画局. 性犯罪・性暴力とは. https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/index.html (閲覧日:2026年10月12日)
- 警察庁 犯罪被害者等施策. 性的な被害. https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/portal/search/kensaku/seihigai/index.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。