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プレ男SNSで知り合った子が、会ってみたら17歳だった…。本人も「いいよ」って言ってたし、付き合ってるなら問題ないよね?

メル美それ、実際に最高裁まで争って有罪になった事件があるんだよ。判決を見てみよう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、実際の裁判から学ぶシリーズです。いわゆる「淫行条例」について、最高裁判所の判決と東京都の条例をもとにまとめました。
この記事について:判決文は公開されている資料をもとにし、当事者を特定できる情報は書いていません。記事は法律の一般的な説明で、個別の事件の相談は弁護士にしてください。
結論:有罪(上告棄却)
- 最高裁の結論は「本件上告を棄却する」。つまり、一審・二審の有罪判決がそのまま確定しました
- 15人の裁判官のうち、12人が有罪(条例は憲法違反ではない)、3人が「条例は憲法違反で無効、被告人は無罪」という反対意見でした
事件の概要(最高裁 1985年10月23日 大法廷判決)
- 福岡県の青少年保護育成条例違反で起訴された事件です。条例は「何人も青少年に対し、淫行又はわいせつの行為をしてはならない」と定め、違反した人を処罰していました(当時は2年以下の懲役または10万円以下の罰金)
- 条例でいう青少年は、18歳未満の人です
- 成人の被告人は、18歳未満の少女と性交をしたとして、一審・二審で有罪になり、「条例は処罰の範囲が広すぎて、憲法に違反する」などと主張して最高裁まで争いました
最高裁の判断:「淫行」とは何か
最高裁は、条例の「淫行」を、青少年に対する性行為の全部ではなく、次のように限定して解釈しました。
- 青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し(だまし)又は困惑させる等、その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交や、性交に類似した行為
- 青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交や、性交に類似した行為
- いっぽうで、婚約中の青少年や、これに準ずる真摯(しんし)な交際関係にある青少年との性行為などは、社会通念上、処罰の対象として考えにくいと述べています
- そのうえで、この解釈なら処罰の範囲は広すぎず、不明確でもないとして、条例は憲法に違反しないと判断しました

プレ男じゃあ、付き合っていればセーフってこと?
「付き合っていた」事件で、有罪になった
- この事件では、被告人と少女のあいだに、相当期間にわたって「一応付合いと見られるような関係」があったようだと、最高裁も認めています
- それでも、当時のふたりの年齢、性交渉に至るまでの経緯、付き合いの様子などの事情から、「少女を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められない」と判断し、有罪としました
- つまり、「付き合っていた」「相手も同意していた」と言っても、それだけで処罰をまぬがれるわけではないのです
3人の裁判官の反対意見:「無罪にすべきだ」
この判決には、伊藤正己、谷口正孝、島谷六郎の3人の裁判官が反対意見を書いています。3人とも、条例の「淫行」という言葉は、あいまいすぎて憲法31条(罪刑法定主義)に違反し無効で、被告人は無罪だと考えました。
| 裁判官 | 反対意見のポイント |
|---|---|
| 伊藤正己 | 処罰すべきなのは、誘惑・威迫・だますなど不当な手段を使った場合に限られる。でも、それを「淫行」という言葉から読みとるのは、ふつうの人には無理で、解釈の限界を超えている。また、当時は都道府県ごとに規制がバラバラ(当時、東京都・千葉県には処罰規定がなかった。東京都には今は規定がある)で、国の法律との整合性にも問題がある |
| 谷口正孝 | 「単に性的欲望を満足させるための対象として扱っている」という基準はあいまいで、何でもあてはまってしまう。16歳未満くらいの年少の人への性行為を一律に処罰するのは合理的だが、16歳以上くらいの年長の青少年との自由な意思にもとづく関係まで一律に処罰するのは、性的自由への不当な干渉になる |
| 島谷六郎 | 「淫行」が何を指すのかはなはだ不明確。何が処罰されるのかわからなければ、人は行動の基準を知れず、捜査機関の取締りが行きすぎる危険もある |

プレ男最高裁の中でも、意見が分かれてたんだ。でも結論は有罪なんだね。
- 多数意見は、こうした批判を意識して「淫行」の意味を限定して解釈し、そのうえで有罪としました。判決として効力をもつのは多数意見です

メル美「真摯な交際」かどうかは、本人の言い分じゃなくて、年齢や経緯、付き合い方から判断されるんだね。
東京都の条例では?
- 東京都青少年の健全な育成に関する条例は、「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない」と定めています(第18条の6)
- 違反すると、2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(第24条の3)
- 青少年は、18歳未満の人です
16歳未満なら、刑法の犯罪にも
- 2023年の刑法改正で、16歳未満の人と性交等をすると、同意があっても不同意性交等罪が成立するようになりました。ただし、相手が13歳以上16歳未満の場合は、5歳以上年上の人が対象です(刑法177条3項)
- くわしくは不同意性交等罪の記事をどうぞ

最高裁は、「一応付合いと見られるような関係」があった事件でも、年齢や経緯などの事情から、条例違反の「淫行」にあたると判断しました。18歳未満の人との関係には、十分に注意してください。
学べること
- 相手が18歳未満なら、「付き合っている」「同意があった」だけでは身を守れないことがあります
- SNSやアプリで知り合った相手の年齢は、わからないことも多いもの。年齢を確かめられない相手とは、性的な関係をもたないのが大切です
- お金や物を渡す関係は、別の法律(児童買春など)の問題にもなります(パパ活と法律)

プレ男「付き合ってるから大丈夫」は通用しないんだ。年齢がわからない相手とは、関係をもたないようにする。
まとめ
- 淫行条例の「淫行」は、不当な手段による性行為や、相手を性的欲望の対象としてしか扱っていない性行為(最高裁 1985年)
- 婚約中などの真摯な交際は処罰の対象になりにくい。でも「付き合っていた」事件でも有罪になった
- 東京都の条例は2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
- 16歳未満なら、同意があっても不同意性交等罪(13〜15歳は5歳以上年上が対象)
- 年齢がわからない相手とは、関係をもたない
- 子どもを性的搾取から守るほかのルールはJKビジネス規制条例などの記事で。同じ条例の深夜外出の制限は深夜の連れ出しへ
参考文献
- 最高裁判所大法廷. 昭和60年10月23日判決(昭和57年(あ)第621号 福岡県青少年保護育成条例違反被告事件). 判決文は京都産業大学の判例資料ページ https://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/62-3.html (閲覧日:2026年9月30日)で確認
- 東京都. 東京都青少年の健全な育成に関する条例(第18条の6、第24条の3). https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101rg00002150.html (閲覧日:2026年9月30日)
- e-Gov法令検索. 刑法 第177条. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年9月30日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。