イオンの強みとは:スーパー・総合スーパーで売上をつくり、ショッピングモールのディベロッパーとカードなどの総合金融で利益を稼ぐ小売グループ。2026年2月期は営業収益10兆7,153億円・営業利益2,705億円で過去最高。ツルハを連結子会社にしてウエルシアと統合
イオンを、2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月9日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益10兆7,153億円(+5.7%)、営業利益2,705億円(+13.8%、営業利益率2.5%)、経常利益2,430億円はいずれも過去最高、親会社株主に帰属する当期純利益727億円(+167.5%、ツルハホールディングスの連結子会社化による段階取得に係る差益を含む)、ROE6.4%、自己資本比率7.9%(総合金融事業を除くと14.3%)。セグメントの営業利益は、ディベロッパー709億円、総合金融609億円、ヘルス&ウエルネス524億円、SM299億円、サービス・専門店270億円、GMS214億円、国際102億円、DS72億円。営業収益が大きいGMS(3兆6,919億円)とSM(3兆857億円)の利益率は1%未満。2025年12月にツルハとウエルシアが経営統合し、2026年1月にツルハを連結子会社化。2025年9月に1株→3株の株式分割。2027年2月期は営業収益12兆円・営業利益3,400億円の予想。セブン&アイとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美週末はいつもイオンモールで買い物しているよ。スーパーがいちばん稼いでいるのかな

プレ男決算短信を見ると、いちばん利益が大きいのはモールを運営する「ディベロッパー事業」なんだって
企業分析の連載、102社目はイオンです。2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月9日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のセブン&アイ・ホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、イオン株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
総合スーパー(GMS)・スーパーマーケット(SM)・ドラッグストアなどの小売に、ショッピングモールの運営(ディベロッパー)とカードなどの総合金融を組み合わせた小売グループ
| 項目(日本基準・連結) | 2026年2月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 10兆7,153億円 | +5.7% |
| 営業利益 | 2,705億円 | +13.8% |
| 営業利益率 | 2.5% | 前期 2.3% |
| 経常利益 | 2,430億円 | +8.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 727億円 | +167.5% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 6.4% | 前期 2.6% |
| 自己資本比率 | 7.9%(総合金融事業を除くと14.3%) | 前期 7.7% |
- 営業収益・営業利益・経常利益は過去最高です
- 事業構造改革でさまざまなコストが出た一方、2026年1月にツルハホールディングスを連結子会社にしたことによる段階取得に係る差益でコストを吸収し、純利益が大きく増えました
- 自己資本比率が低く見えるのは、カードなどの総合金融事業の資産が大きいためで、会社は総合金融事業を除いた数字(14.3%)も示しています
- 2025年9月1日に1株→3株の株式分割をしています(→株式分割と投資単位)
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|
| ディベロッパー(ショッピングモールの運営など) | 5,224億円(+5.3%) | 709億円(+179億円) |
| 総合金融(イオンフィナンシャルサービスなど) | 5,675億円(+7.0%) | 609億円(−3億円) |
| ヘルス&ウエルネス(ウエルシア、ツルハなど) | 1兆6,333億円(+23.5%) | 524億円(+164億円) |
| SM(スーパーマーケット) | 3兆857億円(+1.0%) | 299億円(−27億円) |
| サービス・専門店 | 7,596億円(+3.3%) | 270億円(+37億円) |
| GMS(総合スーパー) | 3兆6,919億円(+3.7%) | 214億円(+51億円) |
| 国際 | 5,683億円(+3.5%) | 102億円(+7億円) |
| DS(ディスカウントストア) | 4,305億円(+4.6%) | 72億円(−8億円) |
- 営業収益がいちばん大きいのはGMSとSMですが、営業利益率はどちらも1%未満です(計算値)
- 営業利益は、ディベロッパーと総合金融、ヘルス&ウエルネスが大きな柱です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① モールと金融
- ディベロッパーは既存のモールの価値を高めることに力を入れて営業利益が179億円増え、総合金融は営業債権の残高が増えて増収でした
② ドラッグストアの統合
- 2025年12月1日にツルハとウエルシアの経営統合が発効し、2026年1月にツルハを連結子会社にしました。会社は、統合後の新会社で2032年2月期に売上高3兆円・営業利益2,100億円を目標に掲げています
③ 生活圏のインフラ
- 小売・モール・金融・サービスがそろい、会社は「地域のお客さまの暮らしを支える生活インフラ」としての役割を最優先にするとしています
4. 弱み・リスク
① 小売の利益率の低さ
- GMSとSMは、営業収益が大きい一方で利益率が1%未満です。SMは減益で、SMの子会社には人件費や物流費などのコスト上昇の影響を受けた会社もありました
② 消費者の節約志向
- 会社は、物価上昇が続く中、消費者の節約志向が根強く、生活必需品で購入単価の抑制やPB(プライベートブランド)志向の高まりが見られたとしています
③ 金融事業の影響
- 総合金融事業があるため、連結の自己資本比率は7.9%と低く見えます
5. ライバルとの比較
小売大手のセブン&アイ・ホールディングスと比べます。どちらも日本基準・2026年2月期です。
| イオン | セブン&アイ | |
|---|---|---|
| 営業収益 | 10兆7,153億円(+5.7%) | 10兆4,303億円(−12.9%) |
| 営業利益 | 2,705億円(+13.8%) | 4,230億円(+0.5%) |
| 営業利益率 | 2.5% | 4.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 727億円 | 2,928億円 |
| ROE | 6.4% | 7.6% |
- 営業収益はほぼ同じ規模で、利益はセブン&アイが上回ります(→セブン&アイ・ホールディングスの強みとは)。ディスカウントストアの会社はパン・パシフィック・インターナショナルHD(ドン・キホーテ)の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
イオンの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年2月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セグメント別の営業利益 | ディベロッパー709億円、総合金融609億円など | 決算短信(セグメント) |
| ヘルス&ウエルネスの営業利益 | 524億円 | 決算短信(セグメント) |
| 自己資本比率(金融を除く) | 14.3% | 決算短信のサマリー |
| 会社の業績予想 | 2027年2月期 営業収益12兆円、営業利益3,400億円 | 決算短信のサマリー |
- 株主優待の考え方は配当・株主優待と権利確定日へ。指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美スーパーは売上が大きいけど、利益はモールやカードのほうが大きいのね。ドラッグストアの統合がどう効くかも見ておきたいな
まとめ
- イオンは、小売・モール運営・総合金融を組み合わせた小売グループ
- 2026年2月期は営業収益10兆7,153億円、営業利益2,705億円で過去最高
- 利益の柱はディベロッパー(709億円)と総合金融(609億円)、ヘルス&ウエルネス(524億円)
- ツルハを連結子会社にして、ウエルシアと経営統合
- 2027年2月期は営業利益3,400億円の予想
参考文献
- イオン. 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月9日). https://www2.jpx.co.jp/disc/82670/140120260408599944.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- セブン&アイ・ホールディングス. 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月9日). https://www.7andi.com/ir/file/library/kt/pdf/2026_0409kt.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。