セブン&アイ・ホールディングスの強みとは:国内と北米のセブン-イレブンが営業利益の大半。2026年2月期は営業利益4,230億円、イトーヨーカ堂などのスーパーとセブン銀行を連結から外し「コンビニの会社」へ。北米は既存店の商品売上が前年割れ
セブン&アイ・ホールディングスを、2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月9日)で分析しました。営業収益10兆4,303億円(−12.9%)、営業利益4,230億円(+0.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,928億円(+69.2%)。国内コンビニ(営業利益2,225億円)と海外コンビニ(2,222億円)でセグメント利益の約9割。2025年6月24日にセブン銀行、9月1日にヨーク・ホールディングス傘下の子会社(スーパーストア事業)を連結の範囲から除外。国内は米など原材料の高騰で荒利率が下がり減益、北米7-Eleven, Inc.はドルベースの既存店商品売上が前年を下回ったものの、コストの適正化でのれん償却前の営業利益は3,324億円。2027年2月期は営業利益4,050億円・年60円の予想。イオンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男セブン-イレブンって毎日のように行くけど、会社としてはどこで稼いでるの?

メル美イトーヨーカドーも同じグループだったよね? 最近いろいろ変わったって聞いたよ
企業分析の連載、22社目はセブン&アイ・ホールディングスです。2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月9日)で確認しました。比較にはイオンの2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月9日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、セブン&アイ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
日本と北米を中心に、世界でセブン-イレブンを展開するコンビニの会社。スーパーや銀行を連結から外し、コンビニに集中している
| 項目(日本基準・連結) | 2026年2月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 10兆4,303億円 | −12.9% |
| 営業利益 | 4,230億円 | +0.5% |
| 営業利益率 | 4.1% | 前期 3.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,928億円 | +69.2% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 7.6% | 前期 4.5% |
| 自己資本比率 | 39.6% | 前期 35.4% |
| 配当 | 年50円(配当性向42.1%) | 前期 40円 |
- 加盟店の売上を含めた「グループ売上」は16兆9,921億円です
- 営業収益が大きく減ったのは、セブン銀行(2025年6月24日)とヨーク・ホールディングス傘下の子会社(2025年9月1日、スーパーストア事業など)を連結の範囲から外したためです
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 営業収益 | 営業利益 | 前期比(利益) |
|---|---|---|---|
| 国内コンビニエンスストア | 9,146億円 | 2,225億円 | 95.3% |
| 海外コンビニエンスストア | 8兆5,568億円 | 2,222億円 | 102.8% |
| スーパーストア(8月まで) | 6,895億円 | 175億円 | 168.2% |
| 金融関連(6月まで) | 1,372億円 | 210億円 | 65.5% |
| その他 | 1,797億円 | 70億円 | 120.8% |
- 国内と海外のコンビニで、セグメント利益の約9割です
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 国内セブン-イレブンの規模
- 国内のチェーン全店売上(自営店と加盟店の合計)は5兆4,693億円(+1.9%)。既存店売上は前年を上回りました
② 北米の大きな店舗網とコスト管理
- 北米の7-Eleven, Inc.のチェーン全店売上は9兆7,255億円
- ドルベースの既存店商品売上は前年を下回りましたが、コストの適正化で、のれん償却前の営業利益は3,324億円(+0.8%)を保ちました
③ コンビニへの集中
- 会社は2025年8月6日に「7-Elevenの変革」を公表し、グローバルで一つの7-Elevenブランドとして成長をめざすとしています
4. 弱み・リスク
① 国内の荒利率の低下
- 米などの原材料価格の高騰で荒利率が下がり、物価上昇で販管費も増え、国内コンビニは減益(95.3%)でした
② 北米の消費
- 北米では、低所得者層を中心に節約志向が見られ、2025年10月・11月の政府閉鎖の影響などで客数が減ったとしています
③ 為替
- 為替の影響で、営業収益は1,197億円、営業利益は31億円減りました(1ドル=149.61円)
④ 2027年2月期は減益予想
- 営業利益4,050億円(−4.3%)、純利益2,700億円(−7.8%)の予想です。会社の資料には、北米事業(SEI)のIPOを考慮した計画も書かれています
5. ライバルとの比較
小売大手のイオンと比べます(どちらも日本基準・2026年2月期)。イオンはスーパーやショッピングセンターが中心で、事業の形が違う点に注意してください。
| セブン&アイ | イオン | |
|---|---|---|
| 営業収益 | 10兆4,303億円(−12.9%) | 10兆7,153億円(+5.7%) |
| 営業利益 | 4,230億円(+0.5%) | 2,705億円(+13.8%) |
| 営業利益率 | 約4.1% | 約2.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,928億円 | 727億円 |
- 営業収益はほぼ同じ規模ですが、利益はセブン&アイが大きい関係です。コンビニの加盟店からの収入が中心のビジネスであることが、利益率の違いの一因と考えられます
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
セブン&アイの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年2月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 国内コンビニの営業利益と荒利率 | 2,225億円 | 決算短信(セグメント別) |
| 北米のドルベース既存店商品売上 | 前年を下回る | 決算短信(セグメント別の営業概況) |
| 7-Eleven, Inc.ののれん償却前営業利益 | 3,324億円 | 決算短信 |
| 会社の業績予想 | 2027年2月期 営業収益9兆4,480億円、営業利益4,050億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年50円、2027年2月期予想60円 | 決算短信 |
- 連結の範囲が変わったので、前の年と比べるときは、会社が出す実質ベースの比較も見ます
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。小売の会社はファーストリテイリングの強みとは

メル美イトーヨーカドーもセブン銀行も、もう連結じゃないんだ。今はほとんど「日本と北米のコンビニの会社」なんだね
日用品の会社は花王の強みとは、家具・インテリアの会社はニトリホールディングスの強みとはへ。
ディスカウントストアの会社はパン・パシフィック・インターナショナルHD(ドン・キホーテ)の強みとはへ。
小売・モール運営・金融を組み合わせた会社はイオンの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- セブン&アイは、国内と北米のセブン-イレブンでセグメント利益の約9割を稼ぐ
- 2026年2月期は営業利益4,230億円(+0.5%)、純利益2,928億円(+69.2%)
- セブン銀行とスーパーストア事業を連結から外し、コンビニに集中
- 国内は原材料高で荒利率が低下、北米は既存店の商品売上が前年割れ
- 2027年2月期は営業利益4,050億円の予想
参考文献
- セブン&アイ・ホールディングス. 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月9日). https://www.7andi.com/ir/file/library/kt/pdf/2026_0409kt.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- イオン. 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月9日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/8267/tdnet/2788178/00.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。