ニトリホールディングスの強みとは:家具・インテリアを自社で企画・製造・物流・販売する「製造物流IT小売業」。2026年3月期は売上収益9,122億円(−1.8%)・営業利益1,255億円(+6.7%)。国内既存店の客数は92.8%に減少、島忠は黒字化
ニトリホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日)で分析しました。売上収益9,122億円(−1.8%)、営業利益1,255億円(+6.7%、営業利益率13.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益893億円(+8.1%)。ニトリ事業はセグメント利益1,184億円(−0.5%)で、国内既存店の客数が前期比92.8%、売上が95.8%。会社は新商品の開発が十分に進まなかったことを要因とし、商品部の体制を変えたとしています。島忠事業はPB商品の拡大とコストの見直しで、セグメント利益が前期の13億円の損失から72億円の黒字に。海外は30店舗を出店、中国大陸は収益性が大幅に改善。2025年10月1日に1株を5株に分割。2027年3月期は営業利益1,303億円の予想。良品計画との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男一人暮らしを始めるとき、家具は全部ニトリでそろえたよ。安いのに、どうやって利益を出してるんだろう

メル美ホームセンターの島忠もニトリのグループなんだって
企業分析の連載、26社目はニトリホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。比較には良品計画の2026年8月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年7月10日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ニトリ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
家具・インテリア用品を自分たちで企画し、つくり、運び、売る会社。会社は自らを「製造物流IT小売業」と呼んでいる
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 9,122億円 | −1.8% |
| 営業利益 | 1,255億円 | +6.7% |
| 営業利益率 | 13.8% | 前期 12.7% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 893億円 | +8.1% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 9.4% | 前期 9.5% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 62.9% | 前期 59.2% |
- 2025年10月1日に1株を5株に分割しました(→株式分割とは)。年間配当は分割を考えないと154円(配当性向19.5%)です
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身 | 売上収益 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| ニトリ事業 | 家具・インテリア用品の開発・製造・販売、不動産賃貸など | 8,162億円(−0.6%) | 1,184億円(−0.5%) |
| 島忠事業 | 家具・インテリア雑貨・ホームセンター商品の販売 | 1,103億円(−7.8%) | 72億円(前期 −13億円) |
- 利益のほとんどはニトリ事業です
- ニトリ事業の売上のうち、店舗売上は6,778億円、通販売上は909億円
- 店舗数(2026年3月31日):ニトリ事業1,017店舗(うち海外209)、島忠52店舗
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① つくる・運ぶ・売るを一貫
- 会社は、製造から販売までを一貫して担う強みを活かし、商品パッケージの小型化で持ち帰りやすさと輸送コストの削減を進めているとしています
- 原価を下げるため、原材料から自社で製造する体制の整備や、最新設備の導入も進めています
② 島忠の立て直し
- 島忠は、PB(プライベートブランド)商品の売上構成比を高めて荒利益率を改善し、広告費・物流費を見直して、黒字に転換しました
③ 海外の出店と中国の改善
- 海外では30店舗を出店(台湾、中国大陸、韓国、東南アジアなど)。中国大陸は不採算店の撤退などで収益性が大幅に改善したとしています
4. 弱み・リスク
① 国内の客数の減少
- 国内既存店の客数は前期比92.8%、売上は95.8%でした。会社は、デザインや機能、価格競争力に優れた新商品の開発が十分に進まず、適時に提案できなかったことが要因だとしています
② コストの上昇
- 会社は、人手不足による人件費の高騰、原油価格の高騰に伴う原材料・物流コストの増加を挙げています
③ 耐久消費財の買い控え
- 消費者態度指数の回復の遅れで、耐久消費財への購買意欲が低下しているとしています
④ 為替
5. ライバルとの比較
生活雑貨・家具も扱う良品計画(無印良品)と比べます。決算期(良品計画は8月期)と会計基準(日本基準)が違い、良品計画は第3四半期までの9か月の数字なので、おおまかな比較です。
| ニトリHD(2026年3月期・通期) | 良品計画(2026年8月期・第3四半期累計) | |
|---|---|---|
| 売上(営業収益) | 9,122億円(−1.8%) | 6,908億円(+16.9%) |
| 営業利益 | 1,255億円(+6.7%) | 808億円(+36.0%) |
| 営業利益率 | 13.8% | 約11.7% |
| 通期の会社予想 | 2027年3月期 営業利益1,303億円 | 2026年8月期 営業利益980億円(上方修正後) |
- 良品計画は大きく伸びている一方、ニトリは売上が横ばい〜微減で、利益率は高い、という関係です
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ニトリの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 国内既存店の客数・売上 | 客数92.8%、売上95.8% | 決算短信、月次の国内売上高前年比 |
| ニトリ事業のセグメント利益 | 1,184億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| 島忠事業のセグメント利益 | 72億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益9,570億円、営業利益1,303億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 2027年3月期予想 年32円(分割後) | 決算短信 |
- ニトリは月次の国内売上高前年比を公表しているので、客数の回復を毎月確かめられます
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。小売の会社はファーストリテイリングの強みとは、セブン&アイ・ホールディングスの強みとは

メル美利益は増えたけど、お店に来る人は減っている。新しい商品で客数が戻るかが見どころなんだね
家電量販店の会社はヤマダホールディングスの強みとはも参考にしてください。
ホームセンターの会社はDCMホールディングスの強みとは・コーナン商事の強みとは・アークランズの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- ニトリは、家具・インテリアを企画・製造・物流・販売まで一貫して手がける会社
- 2026年3月期は売上収益9,122億円(−1.8%)、営業利益1,255億円(+6.7%)
- 国内既存店の客数が92.8%に減少。会社は新商品の開発不足を要因に挙げた
- 島忠は黒字に転換、海外は30店舗出店
- 2025年10月に1株を5株に分割。2027年3月期は営業利益1,303億円の予想
参考文献
- ニトリホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www.nitorihd.co.jp/ir/items/IFRS202603_4Q_tanshin_20260212.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 良品計画. 2026年8月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年7月10日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/7453/tdnet/2850018/00.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。