ヤマダホールディングスの強みとは:家電量販店のヤマダデンキが売上の約8割、注文住宅・分譲住宅などの住建も。2026年3月期は売上高1兆6,918億円(+3.9%)、戦略的な在庫処分で営業利益162億円(−62.2%)。住建が営業利益の6割超に
ヤマダホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。売上高1兆6,918億円(+3.9%)、営業利益162億円(−62.2%、営業利益率1.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益148億円(−45.1%)、ROE2.3%、自己資本比率48.6%。第4四半期の戦略的な在庫処分、ポイント施策の収益認識の影響、LABI大型店の退店で、デンキセグメントの営業利益は25億円(−91.7%)。住建セグメントは売上高3,339億円(+12.3%)・営業利益103億円(+9.4%)で、ヒノキヤグループ・ヤマダホームズ・ハウステック。会社は在庫処分の影響を除いた概算の最終利益を308億円としています。直営957店舗。年17円の配当(配当性向77.4%)、2027年3月期は営業利益515億円・年17円の予想。ニトリホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男ヤマダデンキって、家電を売っている会社だよね

メル美決算短信を見ると、住宅の会社もグループにあって、2026年3月期はそっちのほうが営業利益が大きかったんだって
企業分析の連載、149社目はヤマダホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のニトリホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ヤマダホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の店や商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
家電量販店のヤマダデンキ(デンキ)を中心に、注文住宅・分譲住宅・住設機器(住建)、ローン・保険(金融)、リユース家電(環境)も手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆6,918億円 | +3.9% |
| 営業利益 | 162億円 | −62.2% |
| 営業利益率 | 1.0% | 前期 2.6% |
| 経常利益 | 200億円 | −58.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 148億円 | −45.1% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 2.3% | 前期 4.3% |
| 自己資本比率 | 48.6% | 前期 48.1% |
| 配当 | 年17円(配当性向77.4%) | 前期 13円 |
- 大きく減益になったのは、中期経営計画の目標の達成に向けた戦略的な在庫処分を第4四半期に実施したことなどによるものです。会社は、在庫処分の影響を除いた概算の最終利益を308億円(前期比+14.4%)としています
- 特別利益に、固定資産売却益114億円を計上しました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| デンキ | ヤマダデンキの家電販売など | 1兆3,294億円(+1.3%) | 25億円(−91.7%) |
| 住建 | ヒノキヤグループ(注文住宅・断熱材)、ヤマダホームズ(分譲住宅)、ハウステック(システムバス・キッチン) | 3,339億円(+12.3%) | 103億円(+9.4%) |
| 環境 | リユース家電・PC | 428億円(+18.6%) | 19億円(+14.5%) |
| 金融 | リフォームローン、少額短期保険など | 47億円(+4.8%) | 13億円(−3.7%) |
- 外部顧客への売上高の約78%がデンキ、約20%が住建です(計算値)
- 営業利益(調整額の前)の合計161億円のうち、住建が約64%、デンキは約16%でした(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 店舗網と売場面積
- 直営は957店舗(ヤマダデンキ直営928店舗など)、グループ店舗数の総計は8,774店舗です。店舗の統廃合で店舗数は減っていますが、直営店の売場面積は+1.7%でした。「LIFE SELECT」を中核とした店舗開発を進め、LIFE SELECTは全国41店舗になりました(2026年3月期末)
② 住宅事業との組み合わせ
- 住建セグメントは営業利益が9.4%増えました。ヤマダデンキの店舗に「住まいの相談カウンター・ヤマダ不動産」を置くなど、グループの店舗網を住宅事業に生かしています
③ リユース家電
- 環境セグメントでは、リユース家電・PCの生産体制を強化し、再製品化した商品を全国のヤマダデンキ350店舗以上で扱っています
4. 弱み・リスク
① デンキの利益
- デンキセグメントの営業利益は、在庫処分、ポイント施策の強化にともなう収益認識の会計基準の影響、LABI大型店の退店による売上総利益の減少で、91.7%減りました
② 低い利益率
- 営業利益率は1.0%、ROEは2.3%です。会社は2030年3月期の目標として、売上高2.2兆円・経常利益1,000億円・ROE8.5%を掲げています
③ 住宅の法改正
- 住建では、2025年4月の改正建築基準法・建築物省エネ法の施行にともなう着工・完工の遅れがありました(年度末にかけて挽回)
5. ライバルとの比較
家具・インテリアのニトリホールディングスと並べます。会計基準(ニトリはIFRS)と扱う商品が違うので、おおまかな比較です。
| ヤマダHD | ニトリHD | |
|---|---|---|
| 売上 | 1兆6,918億円(+3.9%) | 9,122億円(−1.8%) |
| 営業利益 | 162億円(−62.2%) | 1,255億円(+6.7%) |
| 営業利益率 | 1.0% | 13.8% |
| ROE | 2.3% | 9.4% |
| 自己資本(帰属持分)比率 | 48.6% | 62.9% |
- 売上はヤマダHDが大きく、利益率はニトリが大きく上回ります(→ニトリホールディングスの強みとは)。ディスカウントストアの会社はパン・パシフィック・インターナショナルHD(ドン・キホーテ)の強みとは、住宅の会社は積水ハウスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ヤマダHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| デンキセグメントの営業利益 | 25億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| 住建セグメントの営業利益 | 103億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆7,800億円、営業利益515億円、当期純利益278億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年17円、2027年3月期予想17円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男在庫処分で家電の利益が大きく減った年だったんだね。来年にデンキの利益がどこまで戻るかを見ておこう
ほかの家電量販店の会社はケーズホールディングスの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- ヤマダHDは、家電量販店(デンキ)を中心に、住宅(住建)・金融・環境も手がける会社
- 2026年3月期は営業利益162億円(−62.2%)、主な理由は戦略的な在庫処分
- 2026年3月期の営業利益は住建(103億円)がデンキ(25億円)を上回った
- 会社は在庫処分の影響を除いた概算の最終利益を308億円としています
- 2027年3月期は営業利益515億円の予想
参考文献
- ヤマダホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/98310/140120260508519030.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ニトリホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www.nitorihd.co.jp/ir/items/IFRS202603_4Q_tanshin_20260212.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。