企業分析2026年10月10日

中外製薬の強みとは:ロシュが約6割を持つ「ロシュ・グループ」の一員で、自社で生んだ抗体医薬をロシュを通じて世界で売る。2025年12月期は売上収益1兆2,579億円、営業利益5,988億円で営業利益率47.6%。創業100周年の記念配当も

中外製薬を、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年1月29日)で分析しました。売上収益1兆2,579億円(+7.5%)、営業利益5,988億円(+10.5%、営業利益率47.6%)、当期利益4,340億円(+12.1%)、ROE22.1%。会社が重視するCore営業利益は6,232億円(+12.1%)。製商品売上高のうち国内は4,724億円(+2.5%)、海外は6,054億円(+12.8%)で、海外はロシュ向けの抗体医薬の輸出が伸びました。ロシュ・ホールディングが発行済株式の59.89%を持ち、2002年10月からロシュ・グループの一員。研究開発費は1,801億円(売上収益の14.3%)。国内は後発品の浸透や薬価改定の影響を受けています。2025年12月期の配当は創業100周年の記念配当を含め年272円。第一三共との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男中外製薬って、利益率が50%近いって聞いたんだけど本当? 売上の半分が利益なの?

メル美スイスのロシュっていう会社のグループなんだって。どういう関係なんだろう

企業分析の連載、28社目は中外製薬です。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年1月29日)で確認しました。比較には第一三共の2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月11日)を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、中外製薬株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。また、このサイトの決まりで、医療用医薬品は商品名ではなく一般名で書いています。

1. ひとことで言うと

スイスの製薬大手ロシュのグループの一員として、自社で生み出した抗体医薬などを、国内では自社で、海外ではロシュを通じて売る製薬会社

項目(IFRS・連結) 2025年12月期 前期比
売上収益 1兆2,579億円 +7.5%
営業利益 5,988億円 +10.5%
営業利益率 47.6% 前期 46.3%
Core営業利益(会社が重視する指標) 6,232億円 +12.1%
当期利益 4,340億円 +12.1%
ROE(当社株主帰属持分当期利益率) 22.1% 前期 22.0%
当社株主帰属持分比率 82.1% 前期 86.1%

ロシュとの関係

2. 何で稼いでいるか

売上の内訳 2025年12月期 前期比
国内製商品売上高 4,724億円 +2.5%
(うち オンコロジー=がん領域) 2,465億円 −0.5%
(うち スペシャリティ領域) 2,258億円 +5.8%
海外製商品売上高 6,054億円 +12.8%
その他の売上収益(ロイヤルティなど) 1,801億円 +4.3%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 自社創薬の抗体医薬と、ロシュの世界の販売網

② 非常に高い利益率

③ 研究開発への投資

4. 弱み・リスク

① 特定の製品とロシュへの依存

② 国内の薬価改定と後発品

③ 研究開発の不確実さ

④ 親会社がいること

5. ライバルとの比較

国内の製薬大手、第一三共と比べます。決算期(第一三共は3月期)が違うので、おおまかな比較です。

中外製薬(2025年12月期) 第一三共(2026年3月期)
売上収益 1兆2,579億円(+7.5%) 2兆1,230億円(+12.6%)
営業利益 5,988億円(+10.5%) 2,291億円(−31.0%)
営業利益率 47.6% 10.8%
ROE 22.1% 15.8%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

中外製薬の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2025年12月期 どこに書いてある
海外製商品売上高(ロシュ向け輸出) 6,054億円(+12.8%) 決算短信(製商品売上高の内訳)
国内製商品売上高 4,724億円(+2.5%) 決算短信
Core営業利益 6,232億円 決算短信のサマリー
研究開発費 1,801億円(売上の14.3%) 決算短信
会社の業績予想 2026年12月期 売上収益1兆3,450億円、Core営業利益6,700億円 決算短信のサマリー
配当 年272円(うち創業100周年記念150円)、2026年12月期予想132円 決算短信

メル美自分たちでつくった薬を、ロシュの力で世界に売る。だから利益率がこんなに高いんだね。でも、その分ロシュとの関係が大事になる

親会社がいる上場会社の注意点は親子上場とはへ。

抗体に薬をつないだがんの薬が柱の会社は第一三共の強みとはへ。

まとめ


参考文献

  1. 中外製薬. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年1月29日). https://www.chugai-pharm.co.jp/ir/reports_downloads/tanshin.html (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 第一三共. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月11日). https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2025/FY2025Q4_Financial_Results_J.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。