飯田グループホールディングスの強みとは:年間約3万7千件の戸建分譲が売上の約8割を占める住宅の会社。2026年3月期は営業利益944億円(+17.4%)・当期利益633億円(+24.9%)。在庫の増加で営業キャッシュ・フローはマイナス
飯田グループホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益1兆5,089億円(+3.4%)、営業利益944億円(+17.4%、営業利益率6.3%)、税引前利益899億円(+21.0%)、親会社の所有者に帰属する当期利益633億円(+24.9%)、ROE6.3%、親会社所有者帰属持分比率50.8%。事業別の売上収益は、戸建分譲1兆2,186億円(引渡し3万6,989件、+0.8%)、マンション分譲953億円(1,688件)、請負工事835億円(2,435件)、その他1,115億円。適正在庫の維持とエリア戦略で、エリアごとの需給を考えた土地の仕入れを徹底。棚卸資産の増加(1,390億円)で営業キャッシュ・フローは975億円の支出。年100円の配当(記念配当10円を含む)、2027年3月期は売上収益1兆6,630億円・営業利益1,036億円・年92円の予想。積水ハウス・大和ハウス工業との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美建売住宅って、どこの会社がたくさん売っているの?

プレ男飯田グループの決算短信を見ると、戸建分譲の引渡しは1年で3万7千件近くもあるんだって
企業分析の連載、191社目は飯田グループホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の積水ハウスの強みとは・大和ハウス工業の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、飯田グループホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の住宅をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
一建設などのグループ会社で、戸建住宅・宅地の分譲(戸建分譲)を中心に、マンション分譲、注文住宅・リフォームなどの請負工事を手がける住宅の会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆5,089億円 | +3.4% |
| 営業利益 | 944億円 | +17.4% |
| 営業利益率 | 6.3% | 前期 5.5% |
| 税引前利益 | 899億円 | +21.0% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 633億円 | +24.9% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 6.3% | 前期 5.2% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 50.8% | 前期 52.9% |
| 配当 | 年100円(記念配当10円を含む、配当性向43.6%) | 前期 90円 |
- 会社は、戸建分譲で適正在庫の維持とエリア戦略の精緻化を続け、エリアごとの需給や在庫のバランスを考えた機動的な土地の仕入れを徹底したとしています
2. 何で稼いでいるか
セグメントはグループ会社ごとですが、ここでは事業の区分ごとの合計を見ます。
| 事業 | 中身(決算短信の記載) | 引渡し件数 | 売上収益 |
|---|---|---|---|
| 戸建分譲 | 戸建住宅、宅地など | 3万6,989件 | 1兆2,186億円(+0.8%) |
| マンション分譲 | 分譲マンション(JV持分を含む)、マンション用地など | 1,688件 | 953億円(+6.8%) |
| 請負工事 | 注文住宅、リフォーム、オプション工事など | 2,435件 | 835億円(+6.5%) |
| その他 | ー | 1,115億円(+34.4%) |
- 売上収益の約81%が戸建分譲です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 戸建分譲の規模
- 戸建分譲の引渡しは3万6,989件です。会社は、首都圏を中心に潜在的な住宅需要が底堅く、需給バランスも比較的整っているとしています
② 利益率の改善
- 営業利益は+17.4%、営業利益率は5.5%→6.3%に上がりました
③ 厚い財務
- 親会社所有者帰属持分比率は50.8%、現金及び現金同等物は3,907億円です
4. 弱み・リスク
① 在庫の増加と営業キャッシュ・フロー
- 棚卸資産が1,390億円増え、営業キャッシュ・フローは975億円の支出(前期は922億円の収入)になりました
② 建築コストと地価
- 会社は、建築コストの高騰や地価の上昇、一部原材料の供給不安などで、販売価格が高止まりしているとしています。地方部の一次取得者層の需要には慎重さが残るとしています
③ 低めのROE
- ROEは6.3%です。会社は、2030年3月期にROE10.0%以上などの目標を掲げています
5. ライバルとの比較
住宅大手と比べます。会計基準(積水ハウス・大和ハウスは日本基準)と決算期(積水ハウスは1月期)が違うので、おおまかな比較です。
| 飯田グループHD(2026年3月期) | 積水ハウス(2026年1月期) | 大和ハウス工業(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 1兆5,089億円(+3.4%) | 4兆1,979億円(+3.4%) | 5兆5,769億円(+2.6%) |
| 営業利益 | 944億円(+17.4%) | 3,414億円(+3.0%) | 6,149億円(+12.6%) |
| 営業利益率 | 6.3% | 8.1% | 11.0%(計算値) |
| ROE | 6.3% | 11.3% | 12.7% |
- 飯田グループは戸建分譲に特化し、ほかの2社は注文住宅や賃貸住宅・商業施設なども手がけます(→積水ハウスの強みとは、大和ハウス工業の強みとは)。マンションの施工は長谷工コーポレーションの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
飯田グループHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 戸建分譲の引渡し件数 | 3万6,989件 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 棚卸資産の増減 | +1,390億円 | 決算短信(キャッシュ・フロー) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益1兆6,630億円、営業利益1,036億円、当期利益655億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年100円、2027年3月期予想92円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美建てて売る住宅は、在庫が増えると現金が減るのね。引渡し件数と在庫の動きを一緒に見ておきたいな
戸建住宅を中心にする不動産の会社はオープンハウスグループの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 飯田グループHDは、戸建分譲が売上の約81%の住宅の会社
- 2026年3月期は営業利益944億円(+17.4%)、当期利益633億円(+24.9%)
- 戸建分譲の引渡しは3万6,989件
- 棚卸資産の増加で営業キャッシュ・フローはマイナス
- 2027年3月期は営業利益1,036億円・年92円の予想
参考文献
- 飯田グループホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/32910/140120260515538214.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 積水ハウス. 2026年1月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年3月5日). https://www.sekisuihouse.co.jp/company/financial/library/ir_document/_227230/2025_kessan/t20260305.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 大和ハウス工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/19250/140120260512524816.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。