住友重機械工業の強みとは:減・変速機・モータのメカトロニクス、油圧ショベル・クレーン、プラスチック加工機械、発電設備・水処理の4本柱。2025年12月期は受注高1兆1,584億円(+24%)、営業利益515億円(−7%)
住友重機械工業を、2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月10日、東証の適時開示)で分析しました。受注高1兆1,584億円(+24%)、売上高1兆669億円(前期並み)、営業利益515億円(−7%、営業利益率4.8%)、経常利益473億円(−4%)、親会社株主に帰属する当期純利益309億円(+301%、前期の減損損失249億円の反動)、ROE4.7%、ROIC4.2%、自己資本比率51.6%。セグメントの営業利益は、メカトロニクス190億円(+62%、減・変速機、モータ・インバータ、半導体向けの極低温冷凍機)、ロジスティックス&コンストラクション140億円(−45%、油圧ショベルの売上減と貸倒引当金)、エネルギー&ライフライン121億円(+221%、バイオマス発電設備・水処理)、インダストリアル マシナリー42億円(−65%、半導体関連の受注残が少ない)。年125円の配当、2026年12月期は営業利益600億円(+16.5%)・年145円の予想、自己株式の取得も決議。川崎重工業・日立建機との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男住友重機械って、どんな機械をつくっているの?

メル美決算短信を見ると、モータや減速機から、ショベルカー、クレーン、発電所のボイラまで、とても幅広いんだって
企業分析の連載、165社目は住友重機械工業です。2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月10日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の川崎重工業の強みとは・日立建機の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、住友重機械工業株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
減・変速機・モータ・インバータ(メカトロニクス)、プラスチック加工機械や半導体製造装置(インダストリアル マシナリー)、油圧ショベル・建設用クレーン・運搬機械(ロジスティックス&コンストラクション)、発電設備・水処理装置・船舶(エネルギー&ライフライン)を手がける機械の会社
| 項目(日本基準・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 受注高 | 1兆1,584億円 | +24% |
| 売上高 | 1兆669億円 | −0.4% |
| 営業利益 | 515億円 | −6.6% |
| 営業利益率 | 4.8% | 前期 5.1% |
| 経常利益 | 473億円 | −3.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 309億円 | +300.7% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 4.7% | 前期 1.2% |
| 自己資本比率 | 51.6% | 前期 50.8% |
| 配当 | 年125円(配当性向48.6%) | 前期 125円 |
- 当期純利益が大きく増えたのは、前期に減損損失249億円を計上していた反動です(当期は11億円)
- 会社は、ROIC(投下資本利益率)は4.2%だったとしています
2. 何で稼いでいるか
当期から一部の事業をセグメント間で組み替えています(前期も組み替えて比較)。
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 受注高 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|---|
| メカトロニクス | 減・変速機の需要回復、モータ・インバータは欧州の在庫調整が一巡、極低温冷凍機は半導体関連 | 2,753億円(+14%) | 2,712億円(+6%) | 190億円(+62%) |
| ロジスティックス&コンストラクション | 油圧ショベルの売上減と貸倒引当金の増加、建設用クレーンは北米の需要が堅調 | 3,991億円(+17%) | 3,889億円(−1%) | 140億円(−45%) |
| エネルギー&ライフライン | バイオマス発電設備の受注、プロジェクトの採算改善、水処理装置 | 2,527億円(+78%) | 1,776億円(−2%) | 121億円(+221%) |
| インダストリアル マシナリー | プラスチック加工機械は増加、半導体関連の受注残が少なく減収 | 2,251億円(+9%) | 2,226億円(−5%) | 42億円(−65%) |
| その他 | 63億円 | 65億円 | 21億円 |
- セグメントの営業利益の合計514億円のうち、メカトロニクスが約37%、ロジスティックス&コンストラクションが約27%、エネルギー&ライフラインが約24%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 受注の増加
- 受注高は1兆1,584億円(+24%)で、4つのセグメントすべてで増えました。エネルギー&ライフラインは、国内と欧州でバイオマス発電設備を受注し、+78%でした
② 減・変速機と半導体向けの冷凍機
- メカトロニクスは、減・変速機の需要回復、モータ・インバータの在庫調整の一巡、半導体関連の極低温冷凍機の需要増で、営業利益が+62%でした
③ 株主還元
- 2026年12月期の配当は年145円(+20円)の予想で、2026年2月に自己株式の取得も決議しました(→自社株買い(自己株式の取得)のしくみ)
4. 弱み・リスク
① 油圧ショベル
- 油圧ショベルは、国内や北米で前期の受注が少なかったため売上が減り、貸倒引当金の増加もあって、ロジスティックス&コンストラクションの営業利益は45%減りました
② 半導体関連の波
- インダストリアル マシナリーは、半導体関連の受注残が少なかったため、営業利益が65%減りました
③ 低い利益率と資本効率
- 営業利益率は4.8%、ROEは4.7%、ROICは4.2%です
5. ライバルとの比較
機械・重工業の会社と並べます。決算期(住友重機械は12月期、ほか2社は3月期)、会計基準(ほか2社はIFRS)、利益の指標が違うので、おおまかな比較です。
| 住友重機械(2025年12月期) | 川崎重工業(2026年3月期) | 日立建機(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 1兆669億円(−0.4%) | 2兆3,112億円(+8.5%) | 1兆4,055億円(+2.5%) |
| 利益(営業/事業/調整後営業) | 515億円 | 1,451億円 | 1,330億円 |
| 利益率 | 4.8% | 6.3% | 9.5% |
| ROE | 4.7% | 13.7% | 8.6% |
| 自己資本(帰属持分)比率 | 51.6% | 26.4% | 48.5% |
- 住友重機械は、財務は厚いものの、利益率とROEはほかの2社より低い水準です(→川崎重工業の強みとは、日立建機の強みとは)。大手は三菱重工業の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
住友重機械の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 受注高(セグメント別) | 1兆1,584億円 | 決算短信(セグメント別の状況) |
| メカトロニクスの営業利益 | 190億円 | 決算短信(セグメント別の状況) |
| ROIC | 4.2% | 決算短信(当連結会計年度の概況) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上高1兆900億円、営業利益600億円、当期純利益340億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年125円、2026年12月期予想145円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美受注は24%も増えたのね。たまった受注が売上と利益にどう変わるかを見ておきたいな
まとめ
- 住友重機械は、メカトロニクス・産業機械・建設機械・エネルギーの4本柱の機械の会社
- 2025年12月期は受注高1兆1,584億円(+24%)、営業利益515億円(−7%)
- メカトロニクスは+62%、油圧ショベルなどは−45%
- ROEは4.7%、ROICは4.2%
- 2026年12月期は営業利益600億円・年145円の予想、自己株式の取得も
参考文献
- 住友重機械工業. 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月10日). https://www2.jpx.co.jp/disc/63020/140120260210553413.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 川崎重工業. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/70120/140120260511523885.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 日立建機. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日). https://www2.jpx.co.jp/disc/63050/140120260424510001.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。