スクウェア・エニックス・ホールディングスの強みとは:「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」などのデジタルエンタテインメントが営業利益の約6割、アミューズメント施設・出版・ライツも。2026年3月期は営業利益547億円(+34.9%)
スクウェア・エニックス・ホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高2,977億円(−8.3%)、営業利益547億円(+34.9%、営業利益率18.4%)、経常利益645億円(+57.5%、為替差益72億円)、親会社株主に帰属する当期純利益296億円(+21.3%、組織再編費用121億円を特別損失に計上)、ROE8.7%、自己資本比率79.6%。セグメントの営業利益は、デジタルエンタテインメント434億円(+28.0%、HDゲームの新作「ドラゴンクエストI&II」などとカタログタイトル、スマートデバイスは決済手段の多様化で収益性改善)、ライツ・プロパティ等112億円(+85.2%)、出版98億円(−10.3%)、アミューズメント89億円(+13.1%)。2025年10月に1株→3株の株式分割。2027年3月期は売上高2,980億円・営業利益490億円・年43円の予想。カプコン・コナミグループとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男スクウェア・エニックスって、売上は減ったのに利益は増えたの?

メル美決算短信を見ると、新作や過去のタイトルが底堅く売れて、収益性もよくなったんだって。アミューズメント施設やコミックの出版の事業もあるみたい
企業分析の連載、192社目はスクウェア・エニックス・ホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のカプコンの強みとは・コナミグループの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、スクウェア・エニックス・ホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定のゲームをすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
家庭用ゲーム機・PC・スマートデバイス向けのゲーム(デジタルエンタテインメント)を中心に、アミューズメント施設の運営と業務用ゲーム機器、コミックの出版、二次的著作物の制作・販売やライセンス許諾のライツ・プロパティを手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,977億円 | −8.3% |
| 営業利益 | 547億円 | +34.9% |
| 営業利益率 | 18.4% | 前期 12.5% |
| 経常利益 | 645億円 | +57.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 296億円 | +21.3% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.7% | 前期 7.5% |
| 自己資本比率 | 79.6% | 前期 80.7% |
- 経常利益には、円安による為替差益72億円が含まれます。特別損失に組織再編費用121億円を計上しました
- 2025年10月1日に1株→3株の株式分割をしています。2027年3月期の配当予想は年43円(分割後)です(→株式分割と投資単位)
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| デジタルエンタテインメント | HDゲームの新作とカタログタイトルが好調、MMOは前年の拡張パッケージの反動で減少、スマートデバイスは収益性改善 | 1,729億円(−16.3%) | 434億円(+28.0%) |
| ライツ・プロパティ等 | 有力IPのロイヤリティ収入 | 251億円(+31.4%) | 112億円(+85.2%) |
| 出版 | コミック単行本の売上が減少 | 297億円(−3.4%) | 98億円(−10.3%) |
| アミューズメント | 既存店売上高と景品の販売が増加 | 721億円(+1.3%) | 89億円(+13.1%) |
- セグメントの営業利益の合計733億円のうち、デジタルエンタテインメントが約59%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 有力なゲームのIP
- HDゲームでは、「ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ」「ドラゴンクエスト I & II」「ドラゴンクエストVII Reimagined」などの新作が底堅く、カタログタイトル(過去の作品)の売上も前年を上回りました
② IPの多面展開
- ライツ・プロパティ等は、有力IPにかかるロイヤリティ収入で営業利益が+85.2%でした
③ 厚い財務
- 自己資本比率は79.6%、現金及び現金同等物は2,758億円です
4. 弱み・リスク
① 売上の減少
- 売上高は8.3%減りました。MMOでは、前年に「ファイナルファンタジーXIV」の拡張パッケージを発売した反動で減収減益でした
② 2027年3月期は減益予想
- 2027年3月期は、売上高2,980億円(+0.1%)、営業利益490億円(−10.5%)の予想です
③ 組織再編
- 組織再編費用121億円を特別損失に計上しました。会社は、デジタルエンタテインメント事業の開発体制の最適化による生産性向上に取り組むとしています
5. ライバルとの比較
ゲームの会社と比べます。会計基準(コナミはIFRS)が違うので、おおまかな比較です。3社とも2026年3月期です。
| スクウェア・エニックスHD | カプコン | コナミグループ | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,977億円(−8.3%) | 1,953億円(+15.2%) | 4,937億円(+17.1%) |
| 営業利益 | 547億円(+34.9%) | 753億円(+14.5%) | 1,359億円(+33.3%) |
| 営業利益率 | 18.4% | 38.5% | 27.5% |
| ROE | 8.7% | 22.1% | 19.1% |
| 自己資本比率 | 79.6% | 78.8% | ー |
- 利益率とROEは、カプコン・コナミが上回ります(→カプコンの強みとは、コナミグループの強みとは)。キャラクターのIPの会社はバンダイナムコホールディングスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
スクウェア・エニックスHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| デジタルエンタテインメントの営業利益 | 434億円 | 決算短信(報告セグメント別の状況) |
| HDゲームの新作と過去作の売れ方 | 新作が底堅く、カタログも前年超え | 決算短信(デジタルエンタテインメント事業) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2,980億円、営業利益490億円、当期純利益310億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 2027年3月期予想 年43円(分割後) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男売上は減っても、収益性を上げて利益が増えたんだね。来年の新作のラインナップと利益率を見ておこう
まとめ
- スクウェア・エニックスHDは、ゲーム(デジタルエンタテインメント)を中心に、アミューズメント・出版・ライツも手がける会社
- 2026年3月期は営業利益547億円(+34.9%)、営業利益率18.4%
- 営業利益の約59%がデジタルエンタテインメント
- ライツ・プロパティ等はロイヤリティ収入で+85.2%
- 2027年3月期は営業利益490億円(−10.5%)の予想
参考文献
- スクウェア・エニックス・ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/96840/140120260514533836.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- カプコン. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/result/2026/full/result_2026_full_01.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- コナミグループ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/97660/140120260508519554.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。