未公開株・社債の勧誘に注意:「上場間近で値上がり確実」「あとで高く買い取ります」は典型的な詐欺の手口。未公開株を売れるのは発行会社や登録した証券会社などに限られ、無登録業者が売った未公開株の契約は原則「無効」
未公開株や社債をかたった投資詐欺の手口と見分け方を、金融庁の注意喚起(「未公開株購入の勧誘にご注意!」「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」)と金融商品取引法171条の2(e-Gov)でまとめました。「上場間近」「値上がり確実」「あなただけに特別に」と言われて買ったが株券が届かない、発行会社に聞くと上場予定はない、といった相談が寄せられています。別の業者が「その株を買ってくれたら高く買い取る」と持ちかける手口も。未公開株は上場しなければ換金はほぼ不可能。無登録業者による未公開有価証券の売付けの契約は、原則として無効です。上場の予定は、EDINETで有価証券届出書の提出を確かめられます。

プレ男「来年上場する会社の株を、特別に1株10万円で」って電話。そのあと別の会社から「その株を30万円で買い取りたい」って連絡が来た! これ、チャンスじゃない?

メル美それ、金融庁が名指しで注意してる流れそのものだよ!
今回は、未公開株・社債をかたった投資詐欺です。金融庁「未公開株購入の勧誘にご注意!〜一般投資家への注意喚起〜」と「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」、金融商品取引法171条の2(e-Gov法令検索)で確認しました。
だまされた人が悪いのではありません。複数の人が役割を分けて信じこませるのがこの手口の特徴です。
よくある勧誘の言葉
金融庁は、次のような勧誘に注意をよびかけています。
- 「上場確実ですので、必ず儲かります! 元本も保証します!」
- 「△△社の株(社債など)を買ってくれたら、あとで高く買い取ります。」
- 「被害を回復してあげます。その代わり、別の商品(□□社の株式・社債など)を買ってください。」
- 「上場間近」「値上がり確実」「発行会社との強いコネにより入手」「あなただけに特別に譲渡します」
よくある相談(金融庁)
- 上場間近と言われて買ったら、株券のかわりに「預り証」を渡され、株券は届かなかった。発行会社に聞くと上場の予定はまったくないと言われた
- 代金を渡したあと連絡がなく、業者に電話したらつながらなくなっていた
- 名義書換えを求めても引き延ばされ、発行会社に聞くと「上場の予定はない」「譲渡制限がついているので名義の書換えはできない」と言われた
「高く買い取る」の役割分担
- ある業者が未公開株や社債を勧めたあと、別の業者がタイミングよく「その株は必ず値上がりする」「買ってくれたら後で高値で買い取る」と持ちかけるのが典型的な流れです
- 「買い取る」と言った業者とは、お金を払ったあとに連絡が取れなくなることが多い、と注意されています

プレ男売る人と買い取る人が、じつはグル…ってことか
なぜ危ないの?
- 金融庁によると、未公開株は実際に上場されなければ売買を成立させることは極めて困難で、換金する方法はほとんどありません
- 仮に上場が決まっていても、株価はさまざまな要因で動くので、将来の動きを正確に予測することは不可能です
- 証券会社であっても、「値上がり確実」のような断定的判断を示して勧誘することは、金融商品取引法で禁止されています
誰が売れる?
- 金融庁は、未公開株の販売などを行えるのは「当該未公開株の発行会社や登録を受けた証券会社に限られます」としています
- 業者が金融商品取引業の登録を受けているかは、金融庁のウェブサイトの登録業者一覧で確かめられます
- 無登録業者による勧誘・販売は違法です(金融商品取引法29条)
無登録業者が売った未公開株の契約は「原則無効」
- 金融商品取引法171条の2は、無登録業者が未公開有価証券(社債券・株券など)の売付けなどを行った場合、その取得の契約は無効とすると定めています
- ただし、業者や売主・発行者が、その売付けが顧客の知識・経験・財産の状況・目的に照らして顧客の保護に欠けるものでないこと、または不当な利得行為にあたらないことを証明した場合は、この限りではありません
- 契約が無効なら、払ったお金の返還を求める根拠になります。ただし、業者と連絡がつかない、お金が残っていないなど、実際に取り戻すのは難しいことも多いです
上場するかは自分で確かめられる
- 金融庁によると、不特定多数の人に有価証券の取得を勧めるときは、ふつう有価証券届出書の提出が必要です。提出されているかはEDINETで確認できます(→決算短信・有価証券報告書の読み方)
- 上場するときには公募増資を行う場合が多く、その届出書は上場のための公募の専用の様式で作られる、と金融庁は説明しています
相談先
- 金融庁 金融サービス利用者相談室「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」0570-050588(IP電話 03-6206-6066)
- 警察相談専用電話 #9110、消費者ホットライン 188
- 「被害を取り戻してあげる」という連絡は二次被害の入口です(→被害回復をうたう二次被害)
別々の会社のふりをした何人もが口裏を合わせる手口は高齢の家族をねらう「劇場型」投資詐欺へ。
まとめ
- 「上場間近・値上がり確実」「あとで高く買い取る」「あなただけ特別に」は典型的な詐欺の言葉
- 未公開株は上場しなければ換金はほぼ不可能
- 売れるのは発行会社や登録した証券会社など。無登録業者の勧誘は違法
- 無登録業者が売った未公開株の契約は原則無効(金融商品取引法171条の2)
- 上場の予定はEDINETの有価証券届出書で確かめる
参考文献
- 金融庁. 未公開株購入の勧誘にご注意!〜一般投資家への注意喚起〜. https://www.fsa.go.jp/ordinary/mikoukai/ (閲覧日:2026年10月5日)
- 金融庁. 詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!. https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/attention.html (閲覧日:2026年10月5日)
- e-Gov法令検索. 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第29条・第171条の2. https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。