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RULE 02.12Love & Breakups

「独身」「もうすぐ離婚する」と言われて付き合った相手が既婚者だった慰謝料を請求される?最高裁(2026年6月)は、離婚届を見せられていた事件で「離婚したと信じた理由」だけでなく「夫婦関係が壊れていると信じた理由」も検討せよと差し戻した。うそで結婚すれば重婚罪(2年以下の拘禁刑)も

2026年10月22日 時点

マッチングアプリで知り合った人に「独身」「妻とは離婚の話が進んでいる」と言われて付き合ったら、実は既婚者で、配偶者から慰謝料を請求された——。民法709条の不法行為責任は「故意又は過失」が必要です。最高裁は2026年6月5日、離婚するつもりだと伝えられ離婚届も見せられていた人について、相手が離婚したと信じた理由がないというだけで直ちに過失を認めるのはまちがいで、婚姻関係がすでに破綻していると信じたことに相当の理由があったかも検討すべきだとして、高裁に差し戻しました。補足意見では、夫婦関係がすでに破綻していたときは、特段の事情のない限り第三者は責任を負わない(平成8年)とする判例も示されています。配偶者がいる人が重ねて結婚すれば重婚罪(刑法184条)です。判例と条文の原文で確かめました。

目次
  1. 慰謝料のもとになるのは「故意又は過失」
  2. 最高裁 2026年6月5日判決:「離婚したと信じた理由」だけで決めてはいけない
  3. うそをついて結婚まですれば「重婚罪」
  4. 請求を受けたら、受けそうになったら
  5. まとめ

メル美アプリで知り合って半年付き合った人が、実は結婚してたって…。友だちが、その人の奥さんから「慰謝料を払って」って連絡を受けたんだって。知らなかったのに払わなきゃいけないの?

プレ男「もうすぐ離婚する」って言われてた場合はどうなるんだろう。だまされた側なのに責任を問われるのはつらいな…。

今回は、相手が既婚者だと知らずに(または「離婚する」と言われて)付き合ったときの法律です。民法・刑法の条文(e-Gov法令検索)と、最高裁判所の判例(裁判所ウェブサイトの判決文・裁判要旨)で確かめました。

この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。請求を受けたら、ひとりで払う・払わないを決める前に、弁護士や法テラス(サポートダイヤル 0570-078374)に相談してください。

慰謝料のもとになるのは「故意又は過失」

最高裁 2026年6月5日判決:「離婚したと信じた理由」だけで決めてはいけない

最高裁判所第二小法廷 令和8年6月5日判決(令和7年(受)第933号 損害賠償請求事件)の事案と判断を、判決文からまとめます。

どんな事件?

最高裁の判断

プレ男「だまされた人はみんな責任なし」ではないけど、「うのみにしたから過失あり」と決めつけてもいけない、ということか。

補足意見が示した2つの判例

この判決の尾島明裁判官の補足意見は、次の2つの最高裁判例を挙げています。

判例 内容(補足意見の説明)
最高裁 平成8年3月26日判決(平成5年(オ)第281号) 配偶者の一方と第三者が肉体関係をもった当時、夫婦の婚姻関係がすでに破綻していたときは、特段の事情のない限り、第三者はもう一方の配偶者に対して不法行為責任を負わない
最高裁 平成31年2月19日判決(平成29年(受)第1456号) 不貞の相手方に離婚そのものの慰謝料を請求できるのは、相手方が夫婦を離婚させることを意図して不当に干渉するなどの特段の事情がある場合に限られる

うそをついて結婚まですれば「重婚罪」

メル美勝手に離婚届を出されないためには「不受理申出」という制度もあるよ。

勝手に離婚届・婚姻届を出されないための制度は、戸籍法の不受理申出の記事で説明しています。

請求を受けたら、受けそうになったら

最高裁は2026年6月、「離婚したと信じた理由」がないというだけで直ちに過失を認めず、「婚姻関係が破綻していると信じた相当の理由」があったかも検討するよう求めました。

まとめ


参考文献

  1. 民法(明治29年法律第89号)第709条、第732条、第744条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 刑法(明治40年法律第45号)第184条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 最高裁判所第二小法廷 令和8年6月5日判決(令和7年(受)第933号 損害賠償請求事件). 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/96060/detail2/index.html 、判決文 https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-96060.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
  4. 最高裁判所第二小法廷 昭和41年4月1日判決(昭和40年(オ)第1161号 慰藉料請求事件). 集民83号17頁. 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/77775/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  5. 名古屋高等裁判所 昭和36年11月8日判決(昭和36年(う)第402号 有印私文書偽造同行使公正証書原本不実記載同行使重婚被告事件). 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/23073/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  6. 厚生労働省. その他の相談先(法テラス・サポートダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sonota.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。