プレイヤーの法律THE RULEBOOK

RULE 02.10Love & Breakups

婚約を一方的に破棄されたら、慰謝料は請求できる?民法に「婚約」の条文はないが、最高裁(昭和38年)は、結納や同棲がなくても、真剣な婚約を正当な理由なく破棄した相手への慰謝料を認めた。結婚して8か月余り暮らしたあとなら、離婚しても結納は返さなくてよい(昭和39年)

2026年10月22日 時点

「結婚しよう」と約束した相手から、突然「やっぱり無理」。民法には「婚約」という言葉の条文がありませんが、裁判所は婚約(婚姻予約)を法律で守られる約束として扱ってきました。最高裁は昭和38年、真実夫婦として暮らす意思で結婚を約束していた相手が正当な理由なく婚約を破棄したとき、親兄弟に打ち明けていなくても、結納をかわしていなくても、同棲していなくても、慰謝料を請求できると判断しました。昭和39年には、挙式後8か月余り夫婦として暮らし婚姻届も出していた場合、その後離婚しても結納は返さなくてよいとしています。話し合いがつかないときは家庭裁判所の調停も使えます。判例と条文の原文で確かめました。

目次
  1. 民法には「婚約」の条文がない
  2. 最高裁(昭和38年):結納も同棲もなくても、慰謝料を認めた
  3. 結納は返す?返さない?(最高裁 昭和39年)
  4. 話し合いがつかないときは、家庭裁判所の調停も
  5. 婚約をめぐるトラブルで、してはいけないこと
  6. まとめ

プレ男友だちが、3年付き合ってプロポーズもOKだった彼女に、急に「やっぱり結婚できない」って言われたんだって。指輪も式場の下見も済んでたのに…。

メル美婚約って、法律ではどういう扱いなんだろう。口約束だけでも守られるのかな。

今回は、婚約を破棄されたときの法律です。民法の条文(e-Gov法令検索)と、最高裁判所の判例(裁判所ウェブサイトの判示事項・裁判要旨)で確かめました。

この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。具体的な事情によって結論は変わります。もめているときは、弁護士や法テラス(サポートダイヤル 0570-078374)に相談してください。

民法には「婚約」の条文がない

最高裁(昭和38年):結納も同棲もなくても、慰謝料を認めた

最高裁判所第一小法廷 昭和38年9月5日判決(昭和37年(オ)第1200号 慰藉料請求事件)の裁判要旨は、おおよそ次のとおりです。

プレ男結納や同棲がなくても認められることがあるんだ。「形式」より「本気で結婚の約束をしていたか」が大事なんだね。

メル美うん。ただ、判決は「原審が認めた事情のもとで」という言い方をしているから、どんな場合でも認められるわけじゃないよ。

結納は返す?返さない?(最高裁 昭和39年)

最高裁判所第二小法廷 昭和39年9月4日判決(昭和38年(オ)第1124号 物品等返還結納金等請求事件)の裁判要旨:

参照法条には、民法第4編第2章(婚姻)とともに、民法703条(法律上の原因なく利益を受けた人は、その利益の残っている限度で返す義務を負う=不当利得)が挙げられています。

メル美結婚が成立して、実際に夫婦として暮らしたなら、結納の目的は果たされた、ということだね。

話し合いがつかないときは、家庭裁判所の調停も

婚約をめぐるトラブルで、してはいけないこと

最高裁は、結納をかわしていなくても、同棲していなくても、真剣な婚約を正当な理由なく破棄された人は慰謝料を請求できる、と判断しています。

まとめ


参考文献

  1. 民法(明治29年法律第89号)第703条、第709条、第710条、第4編第2章. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 最高裁判所第一小法廷 昭和38年9月5日判決(昭和37年(オ)第1200号 慰藉料請求事件). 民集17巻8号942頁. 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/54939/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 最高裁判所第二小法廷 昭和39年9月4日判決(昭和38年(オ)第1124号 物品等返還結納金等請求事件). 民集18巻7号1394頁. 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/53846/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  4. 最高裁判所第三小法廷 昭和37年12月25日判決(昭和35年(オ)第365号 婚姻予約不履行に基づく慰藉料請求事件). 集民63号939頁. 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/65866/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  5. 家事事件手続法(平成23年法律第52号)第244条、第257条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052 (閲覧日:2026年10月22日)
  6. 裁判所. 慰謝料請求調停. https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_05/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  7. 厚生労働省. その他の相談先(法テラス・サポートダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sonota.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。