性教育Sex Education

Contraception

ミニピルとは?

エストロゲンを含まないピルの避妊効果・飲み方と、2種類の違い

2026年9月26日

黄体ホルモンだけのピル、ミニピル。血栓症のリスクが上がりにくく、低用量ピルが飲めない人も使いやすい避妊法です。デソゲストレルとドロスピレノンの2種類の違い、飲み方、飲み忘れたとき、性感染症は防げないことまでまとめました。

目次
  1. ミニピルってどんな薬?
  2. 避妊の効果は?
  3. ミニピルのいいところ:血栓症のリスクが上がりにくい
  4. ミニピルの2種類の違い
  5. 性感染症は防げない
  6. 飲み方
  7. 飲めない人
  8. まとめ

メル美たばこを吸うから、ピルは飲めないと思ってたんだけど…。

こんにちは、Dr. Taro です。 前回の低用量ピルに続いて、今回はミニピルについてお話しします。「低用量ピルは血栓症が心配」「たばこを吸うのでピルが飲めないと言われた」という人にも、知っておいてほしい避妊法です。

ミニピルってどんな薬?

ミニピルは、プロゲスチン(黄体ホルモン)だけが入った飲み薬です。POP(プロゲスチン・オンリー・ピル)とも呼ばれます。

主に排卵をおさえることで妊娠を防ぎ、さらに子宮の入り口の粘液を変化させて、精子が入りにくくする働きもあります。

避妊の効果は?

ほかの避妊法との比較は、低用量ピルのページの表をご覧ください。

ミニピルのいいところ:血栓症のリスクが上がりにくい

低用量ピルのいちばん注意したい副作用は、血栓症でした。これは主に、エストロゲンが関係しています。 ミニピルにはエストロゲンが入っていないため、英国のガイドラインでは、研究はまだ限られているものの、血栓症のリスクは上がらないと考えられています。

そのため、ミニピルは、低用量ピルが飲めない、または飲みにくい人でも使えることが多い避妊法です。米国CDCの基準では、たとえば次のような人も、ミニピルを使うことができます。

「たばこを吸うからピルは無理」とあきらめていた人も、ミニピルなら使えることがあります。医師に相談してみてくださいね。

ミニピルの2種類の違い

日本で使われているミニピルには、主に次の2種類があります。成分によって、飲み方や、飲み忘れのルールが違います。

デソゲストレル ドロスピレノン
日本では 未承認 承認(2025年)
1シート 28錠すべてに成分 成分あり24錠 + 成分なし4錠
飲み方 休まず毎日 28日で1周期
飲み忘れの許容時間 12時間 24時間
出血 予測しにくい 生理のような出血がある。予定外の出血はやや少なめ
注意 ― カリウム・腎臓

※「未承認」の薬は、日本では国の承認を受けておらず、医療機関が海外から取り寄せた薬になります。 ※避妊を目的としたミニピルは、どちらも自費になります(保険は使えません)。

飲み忘れの許容時間

いちばん大きな違いは、飲むのが遅れても大丈夫な時間です。

毎日同じ時間に飲むのが難しい人には、許容時間の長いドロスピレノンのほうが、使いやすいかもしれません。

出血のパターン

ミニピルのいちばん多い副作用は、予定外の出血(不正出血)です。

出血は、飲み続けるうちに減っていくことが多いとされています。ある種類で出血が気になっても、もう一方の種類なら合うこともあります。

カリウムについて(ドロスピレノン)

ドロスピレノンには、体にカリウムをためる働きがあります。

飲んでいる薬がある人は、必ず医師に伝えましょう。

性感染症は防げない

ミニピルも、低用量ピルと同じく妊娠を防ぐ薬で、性感染症は防げません。 ミニピルを飲んでいても、性感染症の予防にはコンドームが必要です。

プレ男ピルは妊娠を防いで、コンドームは性感染症を防ぐ。ミニピルでも、2つの組み合わせが大切なんだね。

飲み方

飲み始め

飲み忘れたときは

飲み忘れたときの対応は、薬の説明書(添付文書)に従ってください。参考までに、主なルールは次のとおりです。

飲み忘れて、避妊なしのセックスをしてしまったときは、緊急避妊(アフターピル)も考えましょう。

吐いたり、ひどい下痢が続いたりしたとき

ひどい下痢や吐き気が続くと、薬がうまく吸収されず、避妊の効果が下がることがあります。医師に相談し、コンドームを使いましょう。

飲めない人

次のような人は、ミニピルを使えません(一部)。

持病がある人や、飲んでいる薬がある人は、必ず医師に伝えましょう。

まとめ


参考文献

  1. Centers for Disease Control and Prevention. Contraception(避妊法ごとの典型的な使用での失敗率。出典:Contraceptive Technology 22nd ed., 2023). https://www.cdc.gov/contraception/about/index.html (閲覧日:2026年9月26日)
  2. Centers for Disease Control and Prevention. U.S. Medical Eligibility Criteria for Contraceptive Use, 2024: Progestin-Only Contraceptives. https://www.cdc.gov/contraception/hcp/usmec/progestin-only-contraceptives.html (閲覧日:2026年9月26日)
  3. Faculty of Sexual & Reproductive Healthcare(英国). FSRH Clinical Guideline: Progestogen-only Pills(2022年8月、2026年4月改訂). https://www.cosrh.org/Public/Public/Documents/ceu-guideline-progestogen-only-pills.aspx (閲覧日:2026年9月26日)
  4. Faculty of Sexual & Reproductive Healthcare(英国). FSRH CEU statement: Drospirenone 4mg progestogen-only Pill(2024年1月). https://www.cosrh.org/Common/Uploaded%20files/documents/fsrh-ceu-statement-drsp-pop-janu24.pdf (閲覧日:2026年9月26日)
  5. ドロスピレノン錠(POP)28 添付文書(医薬品医療機器総合機構). https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/470007_254900BF1022_1_02 (閲覧日:2026年9月26日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。