
プレ男赤い玉が女の人になるって、かぐや姫みたいだね。

メル美『古事記』に出てくる、海のむこうの新羅の王子のお話なんだって。でも、夫がいばったせいで、妻はにげちゃうの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は日本神話のアメノヒボコ(天之日矛)です。『古事記』中巻の応神天皇の段「天の日矛」を、武田祐吉の現代語訳(青空文庫)で読みました。武田は、この段の前書きで「異類婚姻説話の一つ、朝鮮系統のもの」で、「但馬の国の語部が伝えたのだろう」と書いています。日本神話の全体は日本神話の入門へ。
プロフィール
| 名前 | 天の日矛(アメノヒボコ) |
| 生まれ | 新羅の国王の子 |
| 妻 | 赤い玉から生まれた娘。のちの難波のアカル姫 |
| とどまった国 | 但馬 |
| 子孫 | タヂマモロスク…タヂマモリ、そして神功皇后の母へとつづく |
| 持ってきた宝 | 玉や領巾(ひれ)、鏡など8種。イヅシの社にまつられる |
1. 赤い玉
- 新羅の国に、アグ沼という沼がありました。そのほとりで、ある身分の低い女が昼ねをしていると、日の光が虹のようにその女にさしました
- それを見ていた男がふしぎに思っていると、女はやがて赤い玉を生みました。男はその玉をもらいうけ、いつも包んで腰につけていました

メル美日の光から生まれた玉なんだ。とくべつな玉だね。
2. 王子と男
- 男は、山あいで田をつくっていたので、耕す人たちの食べものを牛にせおわせて、山へ入っていきました。そこで、国王の子アメノヒボコに出会います
- アメノヒボコは「おまえは、この牛を殺して食べるつもりだろう」と言って、男をつかまえ、牢に入れようとしました。男が「牛を殺すつもりはありません。農夫の食べものをとどけるだけです」と言っても、ゆるしてくれません
- そこで男は、腰の赤い玉をアメノヒボコにさしだし、ようやくゆるされました
3. 玉から生まれた妻
- アメノヒボコが玉を持ち帰って床のそばにおくと、玉は美しい娘になりました。アメノヒボコは娘と結婚し、正妻にしました
- 娘は、いつもいろいろなおいしい料理をつくって、夫にすすめました
- ところが、アメノヒボコは心がおごって、妻をののしるようになりました。すると妻は言いました。「わたしは、もともとあなたの妻になるはずの女ではありません。母のいる国へ行きます」
- 妻はこっそり小舟に乗って海をわたり、難波にとどまりました。これが、難波のヒメゴソの社のアカル姫という神だ、と『古事記』は書いています

プレ男毎日ごはんをつくってくれる奥さんをののしったら、そりゃあ出ていくよね…。気をつけよう。
4. 但馬へ
- 妻がにげたと聞いたアメノヒボコは、あとを追って海をわたり、難波に入ろうとしました。けれども、海の神がふさいで入れませんでした
- そこでアメノヒボコはひきかえし、但馬の国に船をとめて、そこにとどまりました。但馬のマタヲの娘マヘツミと結婚し、子孫がつづきます
- その子孫の名の中には、常世の国へ木の実をさがしに行ったタヂマモリもいます。さらにその一族から、神功皇后(オキナガタラシ姫)の母が出た、と書かれています

『古事記』では、アメノヒボコの妻は、ののしられて「母のいる国へ行きます」と海をわたり、難波のアカル姫という神になりました。
5. 8種の宝
- アメノヒボコが持ってきた宝物は、玉つ宝(玉の緒にとおした玉)2本、浪振る領巾・浪切る領巾・風振る領巾・風切る領巾、奥つ鏡・辺つ鏡の、あわせて8種でした
- これらはイヅシの社にまつられている8柱の神だ、と『古事記』は書いています
まとめ
- アメノヒボコは、新羅の国王の子
- 日の光をうけた女が生んだ赤い玉が、美しい娘になって妻となった
- 王子がおごって妻をののしると、妻は海をわたって難波のアカル姫となった
- 追ってきたアメノヒボコは、海の神にはばまれ、但馬にとどまった
- 子孫にはタヂマモリがいて、神功皇后の母につながる
- すぐあとに語られる藤の花の話春山の霞壮夫と秋山の下氷壮夫、『古事記』下巻の葛城山の神一言主の大神、子孫のタヂマモリ、同じく『古事記』中巻のホムチワケ、日本神話の入門もどうぞ
参考文献
- 『古事記』武田祐吉訳. 中卷「應神天皇」の「天の日矛」. 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001518/card51732.html (閲覧日:2026年10月10日)
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