
プレ男朝が来るのを、神さまとして歌ったの?

メル美インドの『リグ・ヴェーダ』には、暁の女神ウシャスへの歌があるんだって。とってもきれいな歌なの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はインド神話の暁の女神ウシャスです。『リグ・ヴェーダ』第1巻の第48歌と第124歌(R.T.H.グリフィス英訳と注、1896年、インターネット・アーカイブ)を読みました。同じ『リグ・ヴェーダ』の火の神アグニもどうぞ。インド神話の全体はインド神話の入門へ。
プロフィール
| ウシャス | 「朝・暁を、人の姿にしたもの」(グリフィスの注) |
| よび名 | 「天の娘」「光の女主人」 |
| 乗りもの | 百の車。遠くで馬をつなぐ |
| すること | 生きものを目ざめさせ、鳥を飛びたたせ、人を仕事へ送りだす |
| 姉妹 | 「妹」が「姉」のために場所をあける。グリフィスの注では、姉は昼で、場所をあけるのは夜(第124歌8節) |
1. 天の娘、光の女主人
第1巻第48歌は、こうはじまります。
- 「ゆたかさとともに、わたしたちの上に明けてください。ウシャスよ、天の娘よ。大きな栄光とともに明けてください、女神よ、光の女主人よ。富とともに明けてください、気前のよい方よ」
- グリフィスの注は、ウシャスを「朝、暁を、人の姿にしたもの」と説明しています
2. 生きものを目ざめさせる女神
- 「よい主婦のように、ウシャスは、すべてのものを大切に世話しながらやってくる。あらゆる命を目ざめさせ、足のある生きものをすべて動かし、空の鳥たちを飛びたたせる」(第48歌5節)
- 「いそがしい人々を、それぞれの仕事へ送りだす。とびだすとき、ためらいを知らない。……あなたが明けたあと、飛びたった鳥たちは、もう休まない」(6節)
- 「この暁は、太陽がのぼるよりも遠くで、馬を車につないだ。百の車に乗って、めでたい暁は、人々のもとへ進んでくる」(7節)
- 「あなたの中に、すべての生きものの息と命がある。すぐれた方よ、あなたが明けるとき」(10節)

メル美朝になると鳥が飛びたって、人が仕事に出かける…。毎日の朝を、こんなふうに歌ったんだね。
3. わけへだてなく照らす
第1巻第124歌も、暁の歌です。
- 「火がともされ、太陽がのぼるとき、かがやく暁は、その明るさを遠くまで広げる。神サヴィターは、4本足のものも2本足のものも、はたらきに送りだした」(1節)
- 「東のほうに、天の娘は、光の衣をまとってあらわれる。まことに、正しい道をたどり、まようことなく、天の方角をよく知っている」(3節)
- 「見わたすかぎり大きな彼女は、身内もよその人も、その光からしめださない。けがれのない姿をほこり、明るくかがやいて、身分の高い人からも、低い人からも、顔をそむけない」(6節)

プレ男えらい人にも、そうでない人にも、同じように朝が来る…。なんだか、ほっとするね。
4. きのうの暁、きょうの暁
- 「天のさだめをやぶることなく、人の世代をへらしていきながら、すぎさった、かぎりない朝の、さいごのもの、そしてこれから来る朝の、はじめのもの。暁はあかるくかがやく」(第124歌2節)——グリフィスの注は「へらしていく」とは、時のすぎるのをしるすことによってだ、と説明しています
- 「妹は姉のために、その場所をあけ、姉を見てから去っていく」(8節)——グリフィスの注は、この「姉」を、夜が場所をゆずる昼だと説明しています
- 「すでに消えていったすべての姉妹のあとを、毎日、あとのひとりがつづいていく。だから、すぎた暁と同じように、新しい暁たちが、しあわせな日々と富とともに、わたしたちの上に明けますように」(9節)

『リグ・ヴェーダ』第1巻第124歌では、暁の女神は、身内もよその人も光からしめださず、身分の高い人からも低い人からも顔をそむけない、と歌われています。
まとめ
- ウシャスは『リグ・ヴェーダ』の暁の女神。「天の娘」「光の女主人」とよばれる
- 百の車に乗ってやってきて、生きものを目ざめさせ、鳥を飛びたたせ、人を仕事へ送りだす
- 身内もよその人も、身分の高い人も低い人も、わけへだてなく照らす
- すぎさった暁たちのあとを、毎日新しい暁がつづいていく
- 同じ『リグ・ヴェーダ』のふたごの神アシュヴィン双神と火の神アグニ、神々の王インドラ、死者の王ヤマもどうぞ
参考文献
- Griffith, Ralph T.H.(英訳). The Hymns of the Rigveda, Vol. I(1896年). Book I, Hymn XLVIII と Hymn CXXIV(訳注を含む). Internet Archive. https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.104118 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



