
メル美婦人科で「卵巣に小さなのう胞があるね、様子をみましょう」って言われたの。様子をみて大丈夫なのかな……。

プレ男「のう胞」と「腫瘍」ってちがうのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、「卵巣にのう胞がある」と言われたらの話です。英国NHSの「Ovarian cyst」(2023年6月更新)をもとにまとめました。卵巣の腫瘍(良性・悪性)については卵巣の腫瘍は「気づきにくい」、子宮内膜症によるチョコレート嚢胞については「チョコレート嚢胞」と言われたらを見てください。
卵巣のう胞とは
NHSによると、
- 卵巣のう胞は、卵巣にできる液体のたまった袋です
- とてもよくあるもので、ふつうは症状がありません
- ほとんどは自然にでき、数か月で、治療しなくても消えます
2つのタイプ
NHSによると、卵巣のう胞には主に2つのタイプがあります。
機能性のう胞(いちばん多い)
- 生理の周期に関係してできる、いちばん多いタイプです。閉経前の人に起こります
- 卵子は、卵巣の中の「卵胞」という袋の中で育ち、排卵のときに卵胞が破れて卵子が出ていきます。でも、卵胞が卵子を出さなかったり、排卵のあとに液がひかずに小さくならなかったりすると、卵胞がふくらんでのう胞になります
- がんではなく(良性)、ふつうは害がありません。ときに骨盤の痛みが出ることがありますが、ほとんどは数か月で自然に消えます
病的なのう胞(ずっと少ない)
- 細胞の異常な増え方でできるのう胞で、生理の周期とは関係なく、閉経の前後どちらでもできます
- 破れたり、ねじれたり、とても大きくなったりすることがあります
- ふつうはがんではありませんが、一部はがんのことがあり、手術でとることが多いとされています
このほか、子宮内膜症でのう胞(チョコレート嚢胞)ができることもあります。

プレ男いちばん多いのは、排卵の仕組みでできるのう胞なんだね。それなら「様子をみましょう」なのも納得。
症状
NHSによると、卵巣のう胞は、破れたとき、とても大きいとき、ねじれて卵巣への血の流れがさえぎられたときに症状が出ます。
- 骨盤の痛み(鈍く重い感じから、突然の激しい痛みまで)
- セックスのときの痛み
- 便が出にくい、トイレが近い
- 生理の量が多い・少ない、不規則
- おなかのはり、少し食べただけでおなかがいっぱいになる
- 妊娠しにくい(ただし、ふつうは妊娠する力に影響しません)

卵巣のう胞の多くは心配のいらないものですが、突然の激しい下腹部の痛みや、腹痛と吐き気があるときは、破裂やねじれのことがあります。がまんせずに、すぐに受診してください。
NHSは、突然の激しい骨盤の痛みや、腹痛と吐き気・嘔吐があるときは、すぐに相談・受診するようにとしています(下腹部(骨盤)の痛み)。
検査と経過観察
NHSによると、
- 卵巣のう胞が疑われるときは、腟からの超音波検査を行います
- のう胞が見つかったら、数週間後にもう一度超音波で確かめることがあります
- がんの心配があるときは、血液検査も行います。ただし、その数値は子宮内膜症、骨盤の感染、子宮筋腫、生理などでも上がるので、高くても必ずがんとは限りません
治療
NHSによると、治療が必要かどうかは、のう胞の大きさや見た目、症状があるか、閉経しているかで決まります。
- 多くは数か月で消え、超音波で確かめます
- 閉経後の人は、卵巣がんのリスクが少し高いので、1年ほど、定期的に超音波と血液検査で経過をみることが多いとされています
- 大きい、症状がある、がんの可能性がある場合は、手術でとることがあります
妊娠への影響
NHSによると、
- 卵巣のう胞は、ふつう妊娠をさまたげませんが、妊娠しにくくなることもあります
- 手術が必要なときは、できるだけ妊娠する力を残すように、のう胞だけをとる、片方の卵巣だけをとるなどの方法を考えます。手術の前に、妊娠への影響について医師と話し合いましょう
(更新)日本産科婦人科学会の「卵巣の腫瘍とがん」のページ(2025年1月30日更新)には、機能性のう胞の説明や経過観察の目安は書かれていませんでした。同ページでは、超音波検査で腫瘍がのう胞性(液体がたまったもの)の場合は良性のことが多く、充実性の部分がある場合は悪性や境界悪性の可能性を疑うとされています。また、破裂したりねじれたりすると突然激しい腹痛があり、直ちに産婦人科を受診するよう書かれています。
妊娠中に卵巣の腫れが見つかったときのことは、妊婦健診で「卵巣が腫れている」と言われたらにまとめています。
まとめ
- 卵巣のう胞はとてもよくある。多くは症状がなく、数か月で自然に消える
- いちばん多いのは、排卵に関係した機能性のう胞で、がんではない
- 病的なのう胞は少なく、ほとんどはがんではないが、手術することも
- 突然の激しい下腹部痛、腹痛と吐き気は、破裂やねじれのことがある。すぐ受診
- 閉経後は、定期的に経過をみる
参考文献
- NHS. Ovarian cyst(Overview, Causes)(Page last reviewed: 21 June 2023). https://www.nhs.uk/conditions/ovarian-cyst/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 日本産科婦人科学会. 卵巣の腫瘍とがん(更新日時:2025年1月30日). https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=12 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。