
メル美高校のころから生理が不規則で、2〜3か月来ないこともあるの。ニキビもなかなか治らないし…。体質かなって思ってたけど。

プレ男生理不順とニキビがセットの病気もあるのかな。一度調べてみよう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の話です。日本内分泌学会の一般向け情報(2026年9月更新)をもとにまとめました。
どんな病気?
次の3つがそろうと、多嚢胞性卵巣症候群と診断されます。
- 月経(生理)が不順
- 卵巣に小さな嚢胞(卵胞)がたくさんある、またはそこから出るホルモンの値が高い
- ホルモンのバランスの乱れ、または男性ホルモンが多い症状(毛が濃いなど)
- 定期的に排卵が起きないため、生理が不順になったり、止まってしまったりします
- 排卵しにくいため、不妊の原因にもなります
- 妊娠が可能な年代の女性の約5〜8%にみられるとされています

メル美20人に1人くらい。めずらしくないんだ。
こんなサインがあれば
- 生理不順、生理が来ない
- 排卵しにくい、妊娠しにくい
- ニキビの悪化、体毛が濃くなる(多毛)
- 肥満や、血糖値が高め(耐糖能異常)
どんな人に多い?
- 初経のあとしばらく生理が不順なのはふつうですが、多嚢胞性卵巣症候群の人の多くは、初経から数年たっても生理不順が続きます
- 思春期からホルモンのバランスが変化したり、多毛がある場合も、将来この病気と診断されるリスクが高いとされます
- 肥満は症状を悪化させます
- 原因ははっきりわかっていません。遺伝的な要因も指摘されていますが、一般的な遺伝性の病気ではないとされています
治療
- 肥満がある場合は、まず減量をふくむ生活の見直しが必要です
- 妊娠を希望しない場合でも、生理不順や無月経には、ホルモン剤で定期的に生理を起こす必要があります
- 妊娠を希望する場合は、飲み薬や注射の排卵誘発剤で排卵を起こして妊娠を目指します。インスリン抵抗性改善薬との併用や、卵巣に小さな穴をたくさんあける手術が行われることもあります

プレ男妊娠を考えていなくても、生理を定期的に起こす治療が大事なんだね。
放っておかないでほしい理由
-
多嚢胞性卵巣症候群は体質にも関わり、思春期から、妊娠・出産の時期、更年期以降まで影響します
-
生理不順や無月経を治療せずに長く放っておくと、子宮内膜に異常な変化が起き、将来、子宮内膜増殖症や子宮体がんが起こることがあります(子宮体がん)
-
体質的に、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの代謝の病気のリスクも問題になります
-
こうした代謝の問題もふくめて、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に代わる新しい名前として、「多分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)」という名称が今後使われる予定とされています
こんなときは婦人科へ
- 初経から数年たっても生理不順が続く、3か月以上生理が来ない
- ニキビや多毛が気になり、生理不順もある
- 妊娠を考えているのに、生理が不規則
パートナーにできること
- 「太ったせい」「体質だから」と片づけない
- 妊娠を考えるときは、2人で受診や治療のことを話し合う(男性不妊)

多嚢胞性卵巣症候群は、妊娠できる年代の女性の5〜8%にみられます。生理不順を長く放っておくと子宮体がんなどのリスクもあるので、婦人科に相談しましょう。
まとめ
- PCOSは、生理不順、卵巣の小さな卵胞がたくさん、ホルモンの乱れ・多毛の3つで診断
- 妊娠できる年代の女性の5〜8%。不妊の原因にも
- サインは生理不順、ニキビ、多毛、肥満
- 治療は生活の見直し、ホルモン剤で定期的に生理、妊娠希望なら排卵誘発
- 放っておくと子宮体がんや糖尿病などのリスク
参考文献
- 一般社団法人日本内分泌学会. 多嚢胞性卵巣症候群(一般の皆様へ)(2026年9月8日更新). https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=75 (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。