
メル美妊娠中に血圧が高くなったけど、産んだら治るんだよね?

プレ男産んだあとも気をつけたほうがいいことがあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、妊娠高血圧腎症(プレエクランプシア)の世界の状況と、産後も続くリスクの話です。世界保健機関(WHO)のファクトシート「Pre-eclampsia」(2026年10月6日)と、発表「New global roadmap launched to tackle hypertension in pregnancy」(2026年10月8日)をもとにまとめました。日本の妊娠高血圧症候群については、妊娠高血圧症候群は妊婦の10〜20人に1人を見てください。
世界で年4万2,000人の命にかかわる
WHOによると、
- 妊娠中の高血圧の病気は、世界の妊娠の10〜15%にみられます
- 妊産婦の死亡の約16%をしめ、年約4万2,000人(2023年)が亡くなっています。50万人以上の死産や新生児の死亡にもつながっています
- 妊娠高血圧腎症は、出産する女性の3〜8%にみられ、けいれんを起こす子癇に進むことがあります
- WHOは2026年10月、2035年に向けた世界的な行動計画を発表しました。妊娠高血圧腎症を防いだり治したりするために開発・承認された薬がほとんどないことが課題だとしています
診断とサイン
WHOによると、
- 妊娠高血圧腎症は、ふつう妊娠20週以降に、血圧140/90以上とたんぱく尿で診断されます
- ひどい頭痛、見え方の異常(かすむ、点が見える)、みぞおちの痛み、妊娠中期以降の吐き気・嘔吐、手や顔のむくみなどがサインです。症状がないこともあります
- こうしたサインがあれば、妊娠中も、産後も医療者に相談するようすすめています
- 初めての妊娠、多胎妊娠、肥満、もともとの高血圧・糖尿病・腎臓病、家族に妊娠高血圧腎症の人がいることなどがリスクです

妊娠高血圧腎症を経験した女性は、産んだあとも、将来の高血圧や心臓・血管の病気、脳卒中、腎臓病のリスクが高くなります。ひどい頭痛や見え方の異常などのサインがあれば、産後も受診してください。
産んだあとも続くリスク
WHOによると、
- 妊娠中の高血圧の病気を経験した女性は、将来、高血圧、心臓や血管の病気、脳卒中、腎臓病になるリスクが高くなります
- おなかの中でその影響を受けた子どもも、早産に関係するリスクや、将来の心臓・血管や代謝の病気のリスクが高くなることがあります

プレ男出産で終わりじゃなくて、その後の健康にもつながっているんだね。家族でも気にかけたいな。
治療と予防
WHOによると、
- 子癇を防ぐために硫酸マグネシウムの注射を使い、子癇のリスクを半分以上へらせます。血圧を下げる薬や、早く産む必要があるときは赤ちゃんの肺の成熟をうながすステロイドも使います
- 予防として、定期的な妊婦健診(血圧、尿のたんぱく、症状の確認)、健康的な体重、もともとの高血圧の治療が大切です
- リスクの高い女性には、妊娠20週まで(または健診を始めたとき)からの低用量アスピリン、食事のカルシウムが少ない地域ではカルシウムの補給をすすめています
妊娠前からの高血圧はもともと高血圧の人の妊娠、世界の妊産婦の死亡は世界の妊産婦死亡(2023年、WHO)を見てください。
(更新)日本産科婦人科学会の「妊娠高血圧症候群」のページ(2025年1月30日更新)では、早期発見と早期治療には定期的に妊婦健診を受け、適切な産科管理を受けることが最も大切とし、アスピリンについては、「海外では、以前の妊娠で妊娠高血圧腎症を発症した方に、次回は妊娠初期からアスピリンを投与して、高血圧の再発を予防しようという試みがあります」と紹介するにとどまっています。日本での具体的な使い方は確認していません。自己判断で飲まないでください。
妊娠中の高血糖の世界の状況は、妊娠中の高血糖は、世界の出生の6人に1人(WHO)を見てください。
まとめ
- 妊娠中の高血圧の病気は世界の妊娠の10〜15%、妊産婦の死亡の約16%(年約4万2,000人)
- 妊娠高血圧腎症は、20週以降の血圧140/90以上とたんぱく尿
- ひどい頭痛、見え方の異常、みぞおちの痛みは、産後も受診のサイン
- 経験した女性は、将来の高血圧・心臓病・脳卒中・腎臓病のリスクが高い
- サインがあれば産後も受診を
参考文献
- World Health Organization. Pre-eclampsia(Fact sheet, 6 October 2026). https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/pre-eclampsia (閲覧日:2026年10月12日)
- World Health Organization. New global roadmap launched to tackle hypertension in pregnancy, a leading cause of maternal and newborn deaths(News release, 8 October 2026). https://www.who.int/news/item/08-10-2026-new-global-roadmap-launched-to-tackle-hypertension-in-pregnancy-a-leading-cause-of-maternal-and-newborn-deaths (閲覧日:2026年10月12日)
- 日本産科婦人科学会. 妊娠高血圧症候群(更新日時:2025年1月30日). https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=6 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。