病気の解説2026年10月5日

鼠径肉芽腫(ドノバン症):痛みのない、赤く盛り上がって出血しやすい陰部の潰瘍が、ゆっくり広がる。日本ではまれで、インド・南アフリカ・南米などで散発。治療は長めの抗菌薬

鼠径肉芽腫(そけいにくげしゅ、ドノバン症)は、陰部に潰瘍ができる、まれな性感染症です。米国CDCのガイドラインによると、痛みのない潰瘍がゆっくり広がり、潰瘍は血管が多くて牛肉のように赤く、出血しやすいのが特徴です。足のつけ根のリンパ節は腫れませんが、皮膚の下にしこりができることがあります。インド、南アフリカ、南米などで散発的に報告されています。症状、検査、治療、パートナーのことをまとめました。

目次
  1. どんな病気?
  2. 症状
  3. ほかの「痛くない潰瘍」とのちがい
  4. 検査
  5. 治療
  6. パートナーのこと
  7. まとめ

プレ男海外旅行から帰ってしばらくして、陰部に赤いただれができたんだ。痛くないけど、だんだん大きくなってる気がする…。

メル美痛くない潰瘍って、梅毒もそうだよね。ほかにどんな病気があるんだろう。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、まれな性感染症のひとつ、鼠径肉芽腫(そけいにくげしゅ)、別名ドノバン症の話です。米国CDCの性感染症治療ガイドライン(2021年)をもとにまとめました。日本ではまれですが、陰部の潰瘍の原因のひとつとして知っておきましょう(陰部潰瘍)。

どんな病気?

CDCによると、

症状

CDCによると、

メル美痛くないのに、赤くて出血しやすい潰瘍なんだ。梅毒とも見分けが必要だね。

ほかの「痛くない潰瘍」とのちがい

陰部の痛くない潰瘍では、まず梅毒を考えます(梅毒)。痛い潰瘍では、性器ヘルペスや軟性下疳なども考えます。見た目だけでは区別がむずかしいので、検査が必要です。

検査

陰部の痛くない潰瘍は、まず梅毒を考えますが、海外での接触があれば鼠径肉芽腫のようなまれな病気のこともあります。受診のときは、海外での性行為も伝えてください。

治療

パートナーのこと

まとめ


参考文献

  1. Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Granuloma Inguinale (Donovanosis). MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月5日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。