プレイヤーの法律THE RULEBOOK

RULE 02.23Love & Breakups

結婚していない2人の子どもと「認知」父が届け出れば出生のときにさかのぼって親子に(民法784条)。おなかの中の子も母の承諾で認知できる(胎児認知)。父が認知しないときは子の側から認知調停・認知の訴え(父の死後3年まで)。2024年4月からは、うその認知を争える期間も原則7年に

2026年10月22日 時点

結婚していない父母の間に生まれた子は、父が「認知」することで法律上の親子関係ができます(民法779条)。認知は戸籍の届出か遺言でし(781条)、おなかの中の子は母の承諾を得て認知でき(783条)、成年の子は本人の承諾が必要です(782条)。効力は出生のときにさかのぼり(784条)、いったんした認知は取り消せません(785条)。父が認知しないときは、子などが家庭裁判所に認知調停を申し立て、まとまらなければ認知の訴えへ。父の死亡から3年をすぎると訴えられません(787条)。2024年4月1日からは、事実に反する認知の無効を争える人と期間が限られ、原則7年になりました(786条)。条文・裁判所の手続案内・法務省の資料・戸籍統計の原文で確かめました。

目次
  1. 認知とは:結婚していない父母の子に、法律上の父をつくる
  2. 認知のしかたは4つ
  3. 認知すると、何が変わる?
  4. いったんした認知は、取り消せない
  5. 事実に反する認知:2024年4月から「原則7年」に
  6. 父が認知しないとき:認知調停 → 認知の訴え
  7. 相談先
  8. まとめ

プレ男もし結婚していない彼女との間に子どもができたら、「認知」っていうのをするんだよね。具体的に何が変わるの?

メル美生まれる前にもできるのかな。それに、相手が認知してくれなかったら、どうすればいいんだろう。

今回は、認知です。民法・戸籍法・家事事件手続法の条文(e-Gov法令検索)、裁判所の手続案内「認知調停」、法務省の改正の資料、法務省「戸籍統計」(e-Stat)、最高裁判所の決定(裁判所ウェブサイトの原文)で確かめました。結婚・離婚の法律の全体は結婚・離婚・浮気の法律にまとめています。

この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。届出の細かい点は市区町村の戸籍の窓口に、争いがあるときは弁護士や法テラスに相談してください。

認知とは:結婚していない父母の子に、法律上の父をつくる

民法779条:嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。

認知のしかたは4つ

しかた ポイント(条文)
届出で認知 戸籍法の定めるところにより届け出る(781条1項)。父が認知するときは、届書に母の氏名と本籍を書く(戸籍法60条)
おなかの中の子を認知(胎児認知) 父は胎内の子も認知できるが、母の承諾が必要(783条1項)。届出は母の本籍地で(戸籍法61条)
遺言で認知 遺言でもできる(781条2項)。遺言執行者が、就職から10日以内に届け出る(戸籍法64条)
成年の子を認知 成年(18歳以上)の子は、本人の承諾がなければ認知できない(782条)

メル美生まれる前でも、母の承諾があれば認知できるんだ。大人になった子を認知するときは、子どもの「いいよ」がいるんだね。

認知すると、何が変わる?

いったんした認知は、取り消せない

民法785条:認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。

プレ男「やっぱりやめた」はできないんだ。じゃあ、本当は自分の子じゃなかったら?

事実に反する認知:2024年4月から「原則7年」に

本当の親子でないのにされた認知は、「認知の無効の訴え」で争います。法務省の資料によると、令和4年の改正(令和6年4月1日施行)で、この訴えのルールが変わりました。

改正前 改正後(786条)
争える人 子その他の利害関係人(だれでも) 子(またはその法定代理人)、認知をした人、子の母に限る
期間 制限なし 原則7年:子と母は認知を知った時から、認知をした人は認知の時から(胎児認知なら子の出生の時から)

認知は、出生のときにさかのぼって法律上の親子関係をつくります。いったんした認知は取り消せません。

父が認知しないとき:認知調停 → 認知の訴え

項目 内容(裁判所の手続案内「認知調停」)
申し立てる人 子、子の直系卑属、またはこれらの法定代理人
申立先 相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所
費用 収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手。親子関係を明らかにするために鑑定を行うことがあり、その費用は原則として申立人の負担
主な書類 申立書とその写し、子と相手方の戸籍謄本(全部事項証明書)など

相談先

まとめ


参考文献

  1. 民法(明治29年法律第89号)第766条、第766条の3、第779条〜第791条、第819条、第877条、第887条、第900条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 戸籍法(昭和22年法律第224号)第60条、第61条、第63条、第64条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 家事事件手続法(平成23年法律第52号)第257条、第277条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052 (閲覧日:2026年10月22日)
  4. 裁判所. 認知調停. https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_18/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  5. 法務省. 民法等の一部を改正する法律について(令和6年4月1日施行). https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00315.html (閲覧日:2026年10月22日)
  6. 法務省民事局. 民法等の一部を改正する法律の概要(詳細). https://www.moj.go.jp/content/001395212.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
  7. 最高裁判所大法廷 平成25年9月4日決定(平成24年(ク)第984号 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件). 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/83520/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  8. 法務省. 戸籍統計 第2表 種類別 届出事件数(平成28年度〜令和7年度). e-Stat. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040490920&fileKind=4 (閲覧日:2026年10月22日)
  9. 厚生労働省. その他の相談先(法テラス・サポートダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sonota.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。