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プレ男もし結婚していない彼女との間に子どもができたら、「認知」っていうのをするんだよね。具体的に何が変わるの?

メル美生まれる前にもできるのかな。それに、相手が認知してくれなかったら、どうすればいいんだろう。
今回は、認知です。民法・戸籍法・家事事件手続法の条文(e-Gov法令検索)、裁判所の手続案内「認知調停」、法務省の改正の資料、法務省「戸籍統計」(e-Stat)、最高裁判所の決定(裁判所ウェブサイトの原文)で確かめました。結婚・離婚の法律の全体は結婚・離婚・浮気の法律にまとめています。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。届出の細かい点は市区町村の戸籍の窓口に、争いがあるときは弁護士や法テラスに相談してください。
認知とは:結婚していない父母の子に、法律上の父をつくる
民法779条:嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。
- 結婚していない父母の間に生まれた子(法律では「嫡出でない子」)は、母の氏を名のります(790条2項)
- 父との法律上の親子関係は、父が認知して初めてできます
- 父が未成年でも、認知に親(法定代理人)の同意はいりません(780条)
- 法務省「戸籍統計」によると、認知の届出事件数は令和7年度に11,417件でした(平成28年度は14,742件)
認知のしかたは4つ
| しかた | ポイント(条文) |
|---|---|
| 届出で認知 | 戸籍法の定めるところにより届け出る(781条1項)。父が認知するときは、届書に母の氏名と本籍を書く(戸籍法60条) |
| おなかの中の子を認知(胎児認知) | 父は胎内の子も認知できるが、母の承諾が必要(783条1項)。届出は母の本籍地で(戸籍法61条) |
| 遺言で認知 | 遺言でもできる(781条2項)。遺言執行者が、就職から10日以内に届け出る(戸籍法64条) |
| 成年の子を認知 | 成年(18歳以上)の子は、本人の承諾がなければ認知できない(782条) |
- 胎児認知をしても、生まれた子に772条の嫡出推定(結婚中の夫の子と推定するルール)で父が決まる場合は、認知の効力は生じません(783条2項)
- 亡くなった子も、その子に子や孫(直系卑属)がいるときに限って認知でき、その人が成年なら承諾が必要です(783条3項)
- 遺言書の書き方は遺言書は15歳から書けるで

メル美生まれる前でも、母の承諾があれば認知できるんだ。大人になった子を認知するときは、子どもの「いいよ」がいるんだね。
認知すると、何が変わる?
- 出生のときにさかのぼって親子になる(784条)。ただし、すでに第三者が取得した権利は害せない
- 扶養の義務:親子(直系血族)は互いに扶養の義務がある(877条1項)
- 養育費・親子交流:788条で、離婚のときの子の監護のルール(766条〜766条の3。子の監護に要する費用の分担や、父母と子の交流など)が、父が認知する場合に準用される
- 相続:子は相続人になる(887条1項)。最高裁大法廷は平成25年9月4日、嫡出でない子の相続分を嫡出子の半分とした当時の900条4号ただし書前段は、遅くとも平成13年7月当時に憲法14条1項に違反していたと判断しました。現在の900条には、嫡出かどうかで相続分を分ける規定はありません
- 親権:父が認知した子の親権は母が行う。ただし父母の協議で、父母の双方または父を親権者と定めることができる(819条4項)。共同親権については共同親権を深掘りで
- 名字:認知だけでは子の名字は変わらない。父の名字にするには、家庭裁判所の「子の氏の変更許可」が必要(791条。離婚後の名字の記事でも説明)
- 父が認知した子は、父母が結婚すると嫡出子になります(準正、789条)
いったんした認知は、取り消せない
民法785条:認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。

プレ男「やっぱりやめた」はできないんだ。じゃあ、本当は自分の子じゃなかったら?
事実に反する認知:2024年4月から「原則7年」に
本当の親子でないのにされた認知は、「認知の無効の訴え」で争います。法務省の資料によると、令和4年の改正(令和6年4月1日施行)で、この訴えのルールが変わりました。
| 改正前 | 改正後(786条) | |
|---|---|---|
| 争える人 | 子その他の利害関係人(だれでも) | 子(またはその法定代理人)、認知をした人、子の母に限る |
| 期間 | 制限なし | 原則7年:子と母は認知を知った時から、認知をした人は認知の時から(胎児認知なら子の出生の時から) |
- 子は、認知をした人と継続して同居した期間が3年を下回るときは、21歳になるまで訴えられます。ただし、認知をした人による養育の状況に照らして、その人の利益を著しく害するときは除きます(786条2項)
- 母の訴えは、認知の無効の主張が子の利益を害することが明らかなときは認められません(786条1項ただし書)
- 認知が無効になっても、子は、認知をした人が出した子の監護の費用を返す義務はありません(786条4項)
- 法務省は、改正の理由として、嫡出子に比べて嫡出でない子の地位が著しく不安定であるとの指摘をあげています

認知は、出生のときにさかのぼって法律上の親子関係をつくります。いったんした認知は取り消せません。
父が認知しないとき:認知調停 → 認知の訴え
- 認知の訴えを起こせるのは、子、その直系卑属、またはこれらの法定代理人。ただし、父の死亡の日から3年をすぎると起こせません(787条)
- いきなり裁判ではなく、まず家庭裁判所の調停を申し立てます(調停前置主義、家事事件手続法257条)
- 調停で「子が父の子である」という合意ができ、家庭裁判所が事実を調べて正当と認めれば、合意に相当する審判がされます(277条)
| 項目 | 内容(裁判所の手続案内「認知調停」) |
|---|---|
| 申し立てる人 | 子、子の直系卑属、またはこれらの法定代理人 |
| 申立先 | 相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所 |
| 費用 | 収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手。親子関係を明らかにするために鑑定を行うことがあり、その費用は原則として申立人の負担 |
| 主な書類 | 申立書とその写し、子と相手方の戸籍謄本(全部事項証明書)など |
- 認知の裁判が確定したら、訴えた人は確定の日から10日以内に、裁判の謄本を添えて届け出ます(戸籍法63条)
- 裁判所の手続案内は、婚姻中や離婚後300日以内に生まれた子でも、夫の子を妊娠する可能性がないことが客観的に明白な場合(長期の海外出張・受刑・別居など)には、実の父を相手に認知調停を申し立てられる、と説明しています
- 結婚していない2人の関係の解消については、同棲・事実婚を解消したらも参考に
相談先
- 認知届・胎児認知届は、市区町村の戸籍の窓口へ(胎児認知は母の本籍地)
- 認知調停は、相手方の住所地の家庭裁判所へ
- 思いがけない妊娠で悩んでいるときは、思いがけない妊娠かも、と思ったらに相談先があります
- 法律の相談は、弁護士や法テラス(サポートダイヤル 0570-078374)へ
まとめ
- 結婚していない父母の子は、父が認知して法律上の親子になる(779条)。効力は出生のときにさかのぼる(784条)
- 届出・遺言で認知できる。胎児認知は母の承諾、成年の子は本人の承諾が必要
- 認知すると扶養・相続の関係ができ、養育費や親子交流のルールも準用される。いったんした認知は取り消せない
- 父が認知しないときは、認知調停(収入印紙1,200円分)→認知の訴え。父の死後3年まで
- 2024年4月から、事実に反する認知を争えるのは子・認知した人・母だけ、期間は原則7年
参考文献
- 民法(明治29年法律第89号)第766条、第766条の3、第779条〜第791条、第819条、第877条、第887条、第900条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (閲覧日:2026年10月22日)
- 戸籍法(昭和22年法律第224号)第60条、第61条、第63条、第64条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 (閲覧日:2026年10月22日)
- 家事事件手続法(平成23年法律第52号)第257条、第277条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052 (閲覧日:2026年10月22日)
- 裁判所. 認知調停. https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_18/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 法務省. 民法等の一部を改正する法律について(令和6年4月1日施行). https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00315.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 法務省民事局. 民法等の一部を改正する法律の概要(詳細). https://www.moj.go.jp/content/001395212.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 最高裁判所大法廷 平成25年9月4日決定(平成24年(ク)第984号 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件). 裁判所ウェブサイト. https://www.courts.go.jp/hanrei/83520/detail2/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 法務省. 戸籍統計 第2表 種類別 届出事件数(平成28年度〜令和7年度). e-Stat. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040490920&fileKind=4 (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. その他の相談先(法テラス・サポートダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sonota.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。