世界の神話Mythos

Greek Mythology

ハデスくじ引きで「うす暗い闇」を引いた、ゼウスの兄。地の底の館の門には、入る者にはしっぽをふり、出ようとする者は食べてしまう番犬。神々の大げんかで大地がゆれると、冥界が見えてしまうと王座からとびあがった

2026年10月10日

焼きものの浮き彫りのかけら。ひげの男性が、長い髪の女性をかかえている
「奉納浮き彫りのかけら」紀元前470〜460年ごろ、南イタリアのロクリ。テラコッタ。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)。美術館の分類では、ハデスとペルセポネ
目次
  1. プロフィール
  2. 1. 「心にあわれみのない」強い神
  3. 2. 入る者にはしっぽをふる番犬
  4. 3. 姿を消すかぶと
  5. 4. ヘラクレスの矢と、王座からとびあがるハデス
  6. 5. ペルセポネへの言葉と、ザクロの種
  7. まとめ

プレ男ハデスって、冥界の王さまでしょ? こわい悪役のイメージ!

メル美原典を読むと、悪役というより、地の底の国をきびしく治める王さまみたい。

こんにちは、Dr. Taro です。 神さまの解説、今回はギリシャ神話のハデスです。ヘシオドス『神統記』(H.G.エヴリン=ホワイト訳、1914年)とホメロス『イリアス』(A.T.マレー訳)をペルセウス・デジタル・ライブラリーで、『ホメロス風讃歌』「デメテルへ」(エヴリン=ホワイト訳)をプロジェクト・グーテンベルクで読みました。ギリシャ神話の全体はギリシャ神話の入門へ。

焼きものの浮き彫りのかけら。ひげの男性が、長い髪の女性をかかえている

「奉納浮き彫りのかけら」紀元前470〜460年ごろ、南イタリアのロクリ。テラコッタ。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)。美術館の分類では、ハデスとペルセポネ

プロフィール

立場 地の下の神、死者たちの王
よび名 「アイドネウス」「多くの者の主」「影たちの主」
家族 父クロノス、母レア。兄弟はゼウスとポセイドン。妻はペルセポネ
領分 くじで引いた「うす暗い闇」
持ちもの 身につけると姿が見えなくなるかぶと
館の番犬 ケルベロス(『神統記』では名前を出さず「おそろしい犬」)

1. 「心にあわれみのない」強い神

2. 入る者にはしっぽをふる番犬

『神統記』767〜774行は、地の底の館をこう書きます。

プレ男入るときはやさしいのに、出られない…! いちばんこわいタイプの番犬だ。

3. 姿を消すかぶと

4. ヘラクレスの矢と、王座からとびあがるハデス

メル美冥界の王さまも、天井がぬけるのはこわかったんだ…!

5. ペルセポネへの言葉と、ザクロの種

『ホメロス風讃歌』「デメテルへ」で、ハデスは、ゼウスのはかりごとで、花をつんでいたペルセポネを冥界へつれさりました。

『神統記』によると、ハデスの館の犬は、入ってくる者にはしっぽと両耳をふってなつき、出ていこうとする者はゆるしませんでした。

まとめ


参考文献

  1. Hesiod. Theogony, 453–458, 767–774(英訳:H.G. Evelyn-White、1914年). Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0130:card=767 (閲覧日:2026年10月10日)
  2. Homer. The Iliad, Book 5, 395–404 and 844–845; Book 9, 158–159; Book 15, 187–193; Book 20, 56–66(英訳:A.T. Murray). Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0134 (閲覧日:2026年10月10日)
  3. Homeric Hymns, II. To Demeter(英訳:Hugh G. Evelyn-White、1914年). Hesiod, the Homeric Hymns, and Homerica. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/348 (閲覧日:2026年10月10日)
  4. メトロポリタン美術館. Terracotta fragment of a votive relief, Greek, South Italian, Locrian, ca. 470–460 BCE(1989.281.60、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/255937 (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Next Stars次に読む

  1. Iギリシャ神話ペルセポネとザクロの実花をつんでいた娘を、冥界の王ハデスが連れ去った。母デメテルが悲しむと、大地に実りがなくなった。ザクロの種を食べてしまったので、1年の3分の1は冥界へ——春が来ると、地上にもどる
  2. IX世界の幻獣ケルベロス冥界の番犬は「犬の頭が3つ、しっぽは竜、背中にはヘビの頭がびっしり」。ヘラクレス最後の功業は、武器を使わず素手でつかまえて地上に連れ出すこと
  3. Iギリシャ神話ポセイドンくじ引きで「灰色の海」を引いた、ゼウスの兄。三叉の矛で大地をゆらし、金のたてがみの馬の車で波の上を走れば、海の生きものがはねて道をあける。「わたしはゼウスと同じ身分だ」と弟にも引かない