赤ちゃんにうつるクラミジア・淋菌:クラミジアは生後5〜12日の結膜炎や、1〜3か月の肺炎。淋菌は目に感染すると失明のおそれ。妊娠中の検査と治療が、赤ちゃんを守るいちばんの方法
お母さんがクラミジアや淋菌に感染していると、お産のときに赤ちゃんにうつることがあります。米国CDCのガイドラインによると、クラミジアは生まれて5〜12日ごろの結膜炎として見つかることが多く、生後1〜3か月ごろに熱のない肺炎を起こすこともあります。淋菌は目に感染すると、眼球に穴があいて失明するおそれがあります。妊婦さんの検査と治療が広まったことで、赤ちゃんの感染は減っています。妊娠中の検査と、パートナーと一緒の治療の大切さをまとめました。

メル美妊婦健診でクラミジアの検査をするのは、赤ちゃんにうつるからなんだね。どんなふうにうつるんだろう。

プレ男パートナーの男性も、関係あるよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、お母さんから赤ちゃんにうつるクラミジアと淋菌の話です。米国CDCの性感染症治療ガイドライン(2021年)をもとにまとめました。クラミジアと淋菌そのものについては、クラミジアと淋菌の記事を見てください。
クラミジア:生後5〜12日の結膜炎、1〜3か月の肺炎
CDCによると、
- お産のときにうつると、赤ちゃんの目、のど、性器、直腸の粘膜に感染します(症状がないこともあります)
- 多くは、生まれて5〜12日ごろの結膜炎として見つかります
- 生後1〜3か月ごろに、熱のない肺炎を起こすこともあります。くり返す短いせき、呼吸が速いのが特徴です
- 妊婦さんの検査と治療が広く行われるようになってから、赤ちゃんのクラミジア感染は減っています
- クラミジアに感染していて治療していないお母さんや、妊婦健診を受けていないお母さんから生まれた赤ちゃんは、感染のリスクが高いとされています

メル美生まれて1〜3か月たってから、肺炎になることもあるんだ。
淋菌:目に感染すると失明のおそれ
CDCによると、
- 赤ちゃんの淋菌感染でいちばん重いのは、目の感染(新生児結膜炎)と、全身への感染(敗血症)で、関節炎や髄膜炎を起こすこともあります
- 目に感染すると、眼球に穴があいて失明するおそれがあります
- 米国では、妊婦さんの淋菌の検査が広まったことなどで、赤ちゃんの目の淋菌感染はまれになっています
- 米国では、生まれた赤ちゃん全員に、目の感染を防ぐ軟膏を使うことがすすめられています

クラミジアや淋菌は、お母さんに症状がなくても、お産のときに赤ちゃんにうつることがあります。妊娠中の検査と治療、パートナーの治療が、赤ちゃんを守ります。
赤ちゃんを守るために
- 妊婦健診のクラミジアの検査を必ず受ける。日本では、国の基準で妊娠30週までにクラミジアを調べます(妊婦健診で調べる感染症)
- 陽性なら、妊娠中に治療し、パートナーも検査と治療を受ける。パートナーが治療しないと、また感染します(パートナーにどう伝える?)
- CDCは、淋菌に感染した妊婦さんは、治療後3か月ごろか妊娠後期・お産のときにもう一度検査することをすすめています。最初は陰性でも、感染のリスクが続く人は妊娠後期の再検査も考えます
- 妊娠中は、コンドームを使って新しい感染を防ぎましょう(コンドーム)
- 生まれた赤ちゃんに目やに、目の充血・腫れ、せきや呼吸の速さなどがあれば、すぐに受診してください(結膜炎と性感染症)
パートナーの男性にできること
- 男性のクラミジアや淋菌は、症状がないこともあります。妊娠中のパートナーを守るため、自分も検査を受けましょう
- パートナーが陽性と言われたら、責めずに一緒に治療。赤ちゃんを守るのは、2人の治療です
まとめ
- クラミジアは、生後5〜12日の結膜炎、1〜3か月の熱のない肺炎
- 淋菌は、目に感染すると失明のおそれ。全身に広がることも
- 妊婦さんの検査と治療で、赤ちゃんの感染は減っている
- 妊婦健診の検査、妊娠中の治療、パートナーも治療、コンドームで赤ちゃんを守る
参考文献
- Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Chlamydial Infections Among Neonates、Gonococcal Infections Among Neonates. MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1-187. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
