
メル美生理痛でピルを飲みはじめたんだけど、「ピルを飲むとがんになりやすい」って聞いて不安になっちゃった。本当なの?

プレ男逆に、がんを防ぐって話も聞いたことがあるよ。どっちなんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、低用量ピル(混合型のピル)とがんの関係の話です。英国NHSの「Side effects and risks of the combined pill」(2024年2月更新)、公益社団法人日本産科婦人科学会の「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)」(2015年3月)、厚生労働省研究班の「ヘルスケアラボ」をもとにまとめました。ピルそのものについては低用量ピルを見てください。
リスクが下がるがん
英国NHSによると、ピルは次のがんのリスクを下げます。
- 子宮体がん(子宮の内膜のがん)
- 卵巣がん
- 大腸がん
日本産科婦人科学会のガイドライン(案)でも、
- ピルは卵巣がんのリスクを下げる
- ピルは子宮体がんのリスクを下げ、やめたあとも効果が続く
- 大腸がんのリスクは減る
とされています。ヘルスケアラボも、数年間飲むと卵巣がんや子宮体がんにかかる率が減ることがわかっているとしています。

プレ男卵巣がんや子宮体がんのリスクは下がるんだね。避妊や生理痛だけじゃないんだ。
リスクが少し上がる可能性があるがん
英国NHSによると、ピルは次のがんのリスクを少し上げることがあります。
- 乳がん
- 子宮頸がん
ただし、乳がんと子宮頸がんのリスクは、ピルをやめて10年たつともとに戻るとしています。
日本産科婦人科学会のガイドライン(案)では、
- 乳がんの発症リスクを増やす可能性がある
- 乳がんにかかっている人は飲めません。乳がんの治療後5年以上再発がない場合や、乳がんの家族歴がある人は、慎重に使うことができる
- 長い期間飲むと、子宮頸がんの発症リスクがやや高くなる。そのため、ピルを飲んでいる人は定期的に子宮頸がん検診を受けるべきとされています

ピルには、がんのリスクを下げる面と、少し上げる可能性がある面の両方があります。ピルを飲んでいる人も、子宮頸がん検診は定期的に受けてください。不安なことは、処方してくれる医師に相談しましょう。
子宮頸がんの原因の多くはHPVの感染です。予防には、HPVワクチンと子宮頸がん検診が大切です。
ほかのリスク:血栓症
英国NHSによると、
- ピルで血栓(血のかたまり)ができるリスクはとても小さく、ピルなどの混合型のホルモン避妊法を使う人の最大1,000人に1人です
- 足や肺の血栓、血栓による心筋梗塞や脳卒中のおそれがあるため、処方の前に、医師などがリスクがないか確かめます
血栓症のサインなどは、低用量ピルを見てください。
手術の前後のピルの休薬については、手術が決まったら、ピルやHRTはどうする?にまとめています。
WHOがまとめた避妊の健康への影響は、避妊がもたらす、妊娠を防ぐ以外の健康への影響(WHO、2025年)を見てください。
まとめ
- ピルは、卵巣がん・子宮体がん・大腸がんのリスクを下げる
- 乳がん・子宮頸がんのリスクは少し上がる可能性があり、やめて10年でもとに戻る(英国NHS)
- 乳がんにかかっている人はピルを飲めない
- ピルを飲んでいる人も、子宮頸がん検診を定期的に
- 血栓のリスクはとても小さいが、処方前にリスクを確かめる
参考文献
- NHS. Side effects and risks of the combined pill(Page last reviewed: 15 February 2024). https://www.nhs.uk/contraception/methods-of-contraception/combined-pill/side-effects/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 公益社団法人日本産科婦人科学会. 低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)(平成27年3月、PDF). https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修). Q40「ピルの服用について不安があるのですが詳しく教えてください。」. https://w-health.jp/qa/detail40/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。