
メル美妊娠中の友だちが「朝起きると手がしびれてる」って。出産した姉は「抱っこで手首が痛い」って言ってたし……。

プレ男妊娠や産後と、手の痛みって関係あるの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、妊娠中・産後の手のしびれや手首の痛みの話です。日本整形外科学会の「手根管症候群」「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」と、英国NHSの「Carpal tunnel syndrome」をもとにまとめました。
手根管症候群:指がしびれる
日本整形外科学会によると、
- 手首にある「手根管」というトンネルの中で、正中神経が圧迫されて起こります
- はじめは人さし指と中指がしびれて痛み、やがて親指から薬指の親指側までがしびれます
- しびれや痛みは明け方に強く、目がさめると手がしびれていることがあります。手を振ったり、指を曲げのばしたりすると楽になります
- ひどくなると、親指のつけ根がやせて、親指と人さし指できれいな丸(OKサイン)がつくれなくなり、細かいものがつまみにくくなります
- 原因がはっきりしないことが多いですが、妊娠・出産期や更年期の女性に多いのが特徴です。女性ホルモンの乱れによって、腱を包む膜(腱鞘)がむくむことが原因と考えられています
NHSによると、
- 妊娠中は、手根管症候群のリスクが上がります
- 妊娠が原因の場合はとくに、数か月で自然によくなることがあります

メル美妊娠中のむくみが、手の神経をおさえちゃうことがあるんだ。数か月でよくなることもあるなら、少し安心だね。
ドケルバン病:親指側の手首が痛い
日本整形外科学会によると、
- 親指を動かす2本の腱が、手首の親指側にあるトンネル(腱鞘)を通るところで起こる腱鞘炎です
- 手首の親指側が痛み、腫れ、親指を広げたり動かしたりすると、強い痛みが走ります
- 妊娠・出産期の女性や更年期の女性に多く、手の使いすぎ、スポーツや指をよく使う仕事の人にも多いとされています
- 自分でたしかめるには、手首を直角に曲げて親指をのばしたときに、痛みが強くなるかどうかを見ます

妊娠中や産後の手のしびれ・手首の痛みはめずらしくありません。でも、しびれが強くなる、親指のつけ根がやせてきたときは、がまんせずに整形外科へ。妊娠中・授乳中であることも伝えてください。
自分でできること
NHSによると、手根管症候群では、
- 手首用の装具(サポーター)で、夜寝ているあいだ手首をまっすぐに保つと、神経への圧迫がやわらぎます。効いてくるまで最大6週間ほどかかることがあります
- 手首をくり返し曲げることや、強くにぎることを減らす
- 手の体操が症状をやわらげるという、少しの根拠があります
日本整形外科学会は、手根管症候群でもドケルバン病でも、運動や仕事を減らす、固定するなど、手首を休ませることを治療の一つに挙げています。
- 痛み止めを使うときは、妊娠中・授乳中であることを伝えて、医師や薬剤師に相談しましょう(妊娠中の湿布・市販の風邪薬、授乳中の薬:多くの薬は母乳に移る量がとても少ない)
受診の目安と治療
- 日本整形外科学会は、症状があるときは整形外科医に相談するようすすめています
- NHSは、症状が悪くなる・よくならない、家でのケアが効かないときに受診するようにとしています
- 治療は、安静や固定、飲み薬・注射などの保存的な治療が中心で、よくならない場合や、親指のつけ根の筋肉がやせてきた場合などは手術を考えます
まとめ
- 妊娠中・産後の指のしびれは手根管症候群、親指側の手首の痛みはドケルバン病のことがある
- どちらも妊娠・出産期の女性に多い
- 妊娠中の手根管症候群は数か月で自然によくなることも
- 手首を休める、夜は装具で手首をまっすぐに
- よくならない、親指のつけ根がやせるときは整形外科へ。妊娠中・授乳中と伝えて
参考文献
- 公益社団法人日本整形外科学会. 症状・病気をしらべる「手根管症候群」. https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/carpal_tunnel_syndrome.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 公益社団法人日本整形外科学会. 症状・病気をしらべる「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」. https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/de_quervain_disease.html (閲覧日:2026年10月10日)
- NHS. Carpal tunnel syndrome(Page last reviewed: 17 April 2024). https://www.nhs.uk/conditions/carpal-tunnel-syndrome/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。