
メル美授乳中の姉が風邪をひいたんだけど、薬を飲んだら母乳をやめなきゃいけないのかって悩んでた。

プレ男薬の説明書に「授乳を避けて」って書いてあると、こわくなっちゃうよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、授乳中の薬の話です。国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」と英国NHSの資料をもとにまとめました。
多くの薬は、母乳に移る量がとても少ない
妊娠と薬情報センターによると、
- 多くの薬は母乳に移りますが、その量はとても少ないことがわかっています
- さらに、母乳を飲んでも、赤ちゃんの血液に届くまでに薬の量はどんどん少なくなるので、赤ちゃんに影響する可能性はとても低いとされています
- 薬を飲んでいるお母さんが、必ずしも授乳をあきらめる必要はなく、授乳のために必ずしも薬をやめる必要もありません
- 赤ちゃんが大きくなって離乳食が進んだり、ミルクとの混合で母乳の量が減ったりすると、薬の影響はさらに少ないと考えられます
NHSも、一般に母乳に移る量はとても少なく、授乳中に安全でない薬はごくわずかだとしています。

プレ男薬を飲むから即、授乳をやめる、ってわけじゃないんだね。
説明書(添付文書)の「授乳を避ける」について
妊娠と薬情報センターによると、
- 薬の説明書に「授乳を中止」と書かれていても、科学的な裏付けが十分でない場合があることがわかっています
- 2019年から、添付文書の「授乳婦」の書き方が変わり、多くの薬で「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。」と書かれるようになりました。授乳中でも、必要に応じて薬を適切に使うことを考えてという意味が含まれています
授乳中に使えることが多い薬・注意したい薬(英国)
NHSは、次の薬は授乳中に使えるとしています。
- 多くの抗菌薬
- ぜんそくの吸入薬(ぜんそくがある人の妊娠)
- 痛み止めのパラセタモール(アセトアミノフェン)(ほかの成分との合剤は、医師や助産師に確認を)
- 腫れや熱で、炎症をおさえる痛み止めが必要なら、イブプロフェンがいちばん安全と考えられています
- 歯の治療、局所麻酔、ふつうの予防接種、多くの手術も問題ありません
一方、NHSは、次の薬は授乳中はすすめられないとしています。
- コデイン
- 飲むタイプの鼻づまりの薬(血管収縮薬)、一部の点鼻薬
- 痛み止めとしてのアスピリン
- ハーブ療法(安全といえるほどわかっていない)
アレルギーや花粉症の抗ヒスタミン薬は、使う前に医師や薬剤師に相談しましょう。
(更新)日本の情報として、ヘルスケアラボの「マタニティトラブルQ&A」(国立成育医療研究センター監修、2026年8月3日更新)では、多くの薬は授乳中に使っても赤ちゃんへの明らかな悪影響はないとされ、薬を使うことになっても必ずしも授乳をやめる必要はないとしています。ただし、抗がん剤や放射性医薬品など、授乳を続けてよいか慎重な判断が必要な薬もあり、医師や薬剤師に相談しながら薬ごとに判断することが大切です。国立成育医療研究センターの「妊娠と薬情報センター」のホームページで、「授乳中でも比較的安全に使えると考えられる薬」の一覧などを確認できるとしています。日本の市販の風邪薬の配合成分ごとの扱いは確認していません。

授乳中でも使える薬は多くあります。がまんして病気が悪くなると、育児もつらくなります。医師や薬剤師に「授乳中」と伝えて、一緒に決めましょう。
相談するときのポイント
- 医師、歯医者さん、薬剤師に、授乳中であることを必ず伝えましょう(NHS)
- 赤ちゃんが早く生まれた、生まれたときに黄疸があったときは、使える薬が変わることがあるので、伝えましょう(NHS)
- 処方された薬は、自己判断でやめないでください(NHS)
- 妊娠と薬情報センターは、がまんして薬を飲まないと、お母さんの病気が悪くなって育児自体が難しくなることもあるとして、自己判断せずに相談することをすすめています
- 授乳を一時的にやめると、再開したあと母乳の量が減って、続けにくくなることもあるので注意が必要です
- 妊娠と薬情報センターでは、授乳中に安全に使えると考えられる薬の一覧や、授乳中のお薬相談(電話またはオンライン、出産後の人が対象、事前予約が必要)があります
違法な薬物
- NHSは、授乳中の違法な薬物は危険で、赤ちゃんを安全に世話する力に影響し、母乳を通して赤ちゃんに届くとしています。使っているときは、助産師や医師に相談を(妊娠中の薬物)
妊娠中・授乳中の薬の情報が少ない理由は、妊娠中・授乳中の薬の情報が少ないのはなぜ?を見てください。
まとめ
- 多くの薬は母乳に移る量がとても少なく、赤ちゃんに影響する可能性は低い
- 薬のために授乳をあきらめる必要がないことも多い
- 説明書の「授乳中止」は、裏付けが十分でないこともある
- 医師・薬剤師に「授乳中」と伝えて相談。処方薬は自己判断でやめない
- 迷ったら、妊娠と薬情報センターの情報や相談も
参考文献
- 国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター. 授乳と薬について知りたい方へ. https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/ (閲覧日:2026年10月10日)
- NHS. Breastfeeding and medicines. https://www.nhs.uk/baby/breastfeeding-and-bottle-feeding/breastfeeding-and-lifestyle/medicines/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 厚生労働省 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ. マタニティトラブルQ&A【授乳中】「薬を飲むときはどうしたらよいですか?」(最終更新日:2026年8月3日). https://w-health.jp/maternity_qa/detail38/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。