
メル美妊娠後期の姉が、夜になると手のひらや足の裏がすごくかゆくて眠れないって。乾燥のせいかな。

プレ男かゆいだけなら様子見でいいのかな…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、妊娠中のかゆみの話です。英国NHSによると、妊娠中のかゆみはよくあることで、多くは深刻なものではありません。でも、急いで相談したほうがいいかゆみもあります。
よくある原因
NHSによると、
- 妊娠中のかゆみは、ホルモンの変化や、赤ちゃんが育っておなかの皮膚がのびることで起こります
- かゆみは、ふつう出産後におさまります。おなかの皮膚がのびてできる線については妊娠線の記事を見てください
急いで相談したいかゆみ:妊娠性肝内胆汁うっ滞症(ICP)のサイン
NHSは、妊娠中に次のようなかゆみがあるときは、すぐに(急いで)医療機関に相談するようすすめています。
- とてもかゆい(たとえば、夜に眠れないほど)
- 手のひらや足の裏がかゆい
- かゆみが夜にひどくなる
これらは、妊娠性肝内胆汁うっ滞症(にんしんせいかんないたんじゅううったいしょう、ICP)という肝臓の病気のサインのことがあり、治療が必要です。日本では、健診を受けている産婦人科に連絡しましょう。

メル美手のひらや足の裏のかゆみ、夜にひどいかゆみは、急いで相談なんだ。姉に伝えなきゃ。
ICPとわかったら
NHSによると、
- お母さんと赤ちゃんの健康を守るための計画を立て、健診の回数を増やして様子を見ます
- 肝臓の治療とかゆみを和らげる薬が使われます
- 早産(37週より前)のリスクが少しあり、ICPが重い場合は死産のリスクも少しあります。リスクを下げるために、予定より早く陣痛を起こす(分娩誘発)ことをすすめられることもあります(早産)
- ICPの人の多くは、元気に回復し、健康に出産しています

妊娠中のかゆみの多くは心配ありませんが、手のひら・足の裏のかゆみ、夜にひどいかゆみは、肝臓の病気のサインのことがあります。急いで産婦人科に相談を。
ほかに相談したほうがいいとき
NHSは、次のようなときも受診をすすめています。
- かゆみで生活に支障がある
- 薬局で相談した薬を使ってもよくならない、くり返す
- 湿疹がある(妊娠中に悪くなることがある)
- 新しい発疹、しこり、腫れがある
自分でできるケア
NHSは、次のことをすすめています。
すること
- かかずに、軽くたたく・押さえる
- ぬるめ(熱くない)のお風呂やシャワー
- 香料なしの保湿剤をこまめにぬる
- 爪を短くして、かいても皮膚を傷つけないように
- 綿などの天然素材の、ゆったりした服
しないこと
- お風呂やシャワーは20分以上入らない
- 香料入りの石けん、デオドラント、保湿剤は使わない
- 辛いものや、カフェイン(紅茶やコーヒー)をとりすぎない
妊娠中に使える塗り薬や飲み薬(抗ヒスタミン薬など)は、妊娠していることを伝えて、医師や薬剤師に相談しましょう。
陰部のかゆみは
- 妊娠中は、とくに妊娠後期に腟カンジダになりやすいとされています。白いポロポロしたおりもの、かゆみ、ヒリヒリが出ます(カンジダ)
- NHSによると、カンジダがお腹の赤ちゃんに害をおよぼす根拠はありません。ただし、妊娠中は飲み薬の抗真菌薬は使わず、腟に入れる薬やクリームで治療します。市販薬を使う前に、医師や助産師に相談しましょう
まとめ
- 妊娠中のかゆみはよくある。多くはホルモンや皮膚がのびるためで、出産後におさまる
- 手のひら・足の裏のかゆみ、夜にひどいかゆみ、眠れないほどのかゆみは、妊娠性肝内胆汁うっ滞症(ICP)のサインのことがあるので、急いで産婦人科へ
- ICPは治療が必要で、早産などのリスクも。多くは健康に出産できる
- ケアは、かかずに押さえる、ぬるめのお湯、香料なしの保湿剤。薬は妊娠中と伝えて相談
参考文献
- NHS. Itching in pregnancy. https://www.nhs.uk/pregnancy/complications/itching-and-intrahepatic-cholestasis/ (閲覧日:2026年10月5日)
- NHS. Thrush in pregnancy(Page last reviewed: 17 April 2024). https://www.nhs.uk/pregnancy/common-symptoms/thrush/ (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。